虫干し映画MEMO

映画と本の備忘録みたいなものです
映画も本もクラシックが多いです

透明人間 (1933/アメリカ)

2006年01月05日 | 映画感想た行
THE INVISIBLE MAN
監督: ジェームズ・ホエール
出演: クロード・レインズ 
    グロリア・スチュアート
    ウィリアム・ハリガン

 人体が透明になる薬を発明した科学者ジャック・グリフィンは、自ら透明になる。彼は研究室から失踪し、田舎町で身体を元に戻し、研究を完成させようとするが、町の人に怪しまれる。薬のせいもあって凶暴になった彼はついには殺人まで犯してしまう。心配する恋人のフローラは、恋敵の元へ現れた彼を何とか説得しようとする。

 クロード・レインズは、「オペラの怪人」とか、他にも名画の脇役で印象的な人(「スミス都へ行く」、「アラビアのロレンス」など)ですが、この映画ではラストシーンでしか顔が見えない。だから声と、それに身振りはたぶんレインズ本人だと思うけど、それだけで勝負している。
 その声が、トーンの高い、力瘤はいったような声で、薬によって人格が凶暴化し、誇大妄想な意識を持つようになった人の表現としては説得力あり。薬のせいばかりでなく、自分が何かを成し遂げたのにそれがまったく認められない苛立ちや、化け物になってしまったことを強力な自分の力を見せつけることで肯定しようとしてるみたいなのも感じられる。しかし、これはもともと理性を持ってたものの暴走なのでフランケンシュタインみたいに醜悪に生み出された無垢なものの悲しみとは違い、哀れさはフランケンには及ばない。
 でも包帯解いていって顔がない、というような特撮は、当時としては凄いショックだったのでしょうね。
 これも廉価版DVDなのだが、ビデオで見たときより画質は滑らかだけど歪んでる・・・変な言い方だけどそうでした。デジタル処理が甘いのでしょうか、時々画面が歪んでます。

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 正月行事やら宴会もやっと一通り終わった感じです。
 昨日はあいさつ回りからまたしても酒席へなだれ込み、帰ってからは、へたってBSの「笛吹川」木下恵介監督、なんて見てました。なかなかの力作で特殊カラーというのも面白かったです。これはもう一度はっきりした頭でちゃんと見たい!
 何はともあれ、明日からは平常生活に戻れそうな予感がします。そうでないと身体が持ちません。ウーロン茶とウコン茶は飽きました。