虫干し映画MEMO

映画と本の備忘録みたいなものです
映画も本もクラシックが多いです

ニューイヤーコンサート

2006年01月12日 | 日記・雑記
11日夜は、
オーケストラ・アンサンブル金沢 横浜公演~ニューイヤーコンサート 2006~
マイケル・ダウス 指揮、バイオリン
メラニー・ホリデイ ソプラノ

というコンサートに行って来ました。
楽しかった!
本当にニューイヤーという構成で
それに幕開けにお琴とのアンサンブルで六段
マイケル・ダウスのヴァイオリンのチャイコフスキーはもう感激だったし
メラニー・ホリデイのタレントにはうっとり。
なんたって演技は上手だしステップ踏みながら歌ってるし
アンコールではなんとフレンチカンカンまで踊ってくださったのでした!

また去年から引き続きのごたごたが多くて
映画にいけないけど
このコンサートでしばらくは精神の安定を保っていられそう。
やっぱり音楽はライブが好き!

オーケストラ・アンサンブル金沢

お薦めですわ!

ヴィレッジ (2004/アメリカ)

2006年01月10日 | 映画感想は行
THE VILLAGE
監督: M・ナイト・シャマラン
出演: ブライス・ダラス・ハワード   アイヴィー・ウォーカー
    ホアキン・フェニックス     ルシアス・ハント
    エイドリアン・ブロディ    ノア・パーシー
    ウィリアム・ハート     エドワード・ウォーカー
    シガーニー・ウィーヴァー     アリス・ハント
    ブレンダン・グリーソン     オーガスト・ニコルソン

 深い森に囲まれ、外の世界から完全に孤立した小さな村で、村人は結束の強い共同体を作り、村から出ることもなしに静かに暮らしていた。ある日、盲目の少女アイヴィーの恋人ルシアスが友人ノアに刺され、大ケガを負う。アイヴィーはルシアスの命を救うため、薬を手に入れようと村の外に出ることを決意。

 これも淡々とした映画でした。
 驚きというのは少なくてラストには、見ていて「絶対変!」なところがきちんと解明されるけど、やっぱり謎の積み残しというか、
「教育教材は何使ってるんだい」(状況とテキストに絶対矛盾が出るだろう)
「禁止事項は絶対守らない奴がいるだろうに」(内外ともに)
「盲目の少女が、変装で相手が分からんでどうする」
など、突っ込んではいけませんなところが気になってしょうがない。

 そこに目をつぶれば、私はサスペンスとして、閉鎖された圧迫感に締め付けられる感じが良かったと思う。
 なかなか豪華なキャストでそれも楽しめたし、エイドリアン・ブロディはやはりうまいと思った。

さいさきのお話

2006年01月09日 | 日記・雑記
今年は、まだ映画劇場鑑賞していません。
4日に行ったのですがあまりの混雑に負けて帰って来ました。
今年の映画ライフの幸先良くないのではないかと心配です。
正月だというのに雑用抱えて走り回ってると、ちょっとナサケナイ。
小さい頃は、
「お正月は、晴れ着を着て歳神様をお迎えする」
といって、じっとしていましたのにね~
正月に働くなんて冒涜なのに、とまだ思ってます。
(お正月否応なく働いている皆様ごめんなさい…子どもの頃にたたきこまれた意識は根強いのです…)
それはそうと、正月はぼろぼろの
「マーク・ゲインのニッポン日記」を読んでいました。
終戦から朝鮮戦争までのアメリカのジャーナリストによる記録です。
戦勝国の人間の敗戦国についての記事で、GHQの描写なんか読んでるとその頃の日本人が若いアメリカ人につま先で転がされているような気がしますし、左翼の転変なんか恥ずかしくもあります。
読後のイライラがおさまり、感想がまとまったらきちんと書こうと思います。

アリババと四十人の盗賊 (1944/アメリカ)

2006年01月08日 | 映画感想あ行
ALI BABA AND THE FORTY THIEVES
監督: アーサー・ルービン
出演: マリア・モンテス
    ジョン・ホール  
    ターハン・ベイ  

 モンゴル軍にバグダッドを追われたカリフの王子が、盗賊となってモンゴルのカーンと裏切り者カシムと対決する。

 実は、「スパイ・バウンド」と一緒にDISCASから届いたのが「ヴィレッジ」で、まあどちらも、よく言えば抑えた映画で、私のような人間にとっては「悪かないけど、こういう映画だけじゃいや!」と派手な活劇映画でも見たい気分でこれを見たのです。「バグダッドの盗賊」みたいなのを期待して。
 その系列だったのですが、なんか違う。
 アラビアンナイトっぽさは「開けゴマ!」だけで(これはホントにちょうつがい観音開きって感じで面白いことは面白かった)空飛ぶじゅうたんもつぼの中の巨人も出てこないの。それに盗賊のほうが正義の味方で、モンゴルの圧制に対抗するロビン・フッドみたいな位置づけになってる上に、悪党をまんまと出し抜くという爽快感がなく、主人公、アホみたいにほえててすぐ捕まっちゃう。啖呵だけは立派だけど。
 それで、主人公の王子が裏切り者のカシムの娘と幼馴染で、最後はめでたしめでたし結ばれるけど、父親のためにイヤな男との結婚する娘が、その父親が殺されて数分後にむちゃくちゃ晴れやかに主人公と抱き合ってるのはね~ どっかで一言入れてあげればいいのに…とか思ったり。
 それに、「自由のために」とか叫んでるカリフと、流血を防ぐために降伏してくれというカシムでは、映画では悪人に描かれているものの、どっちに共感できるかといいますと、どっちもどっち。どっちが正しいとか言うことじゃないじゃん、としか思えないし。
 今の時代気分に合わないんですね。ホントに時代ですよね、アラブの盗賊に自由のために戦わせてるんだから。

 ところでこれも廉価版DVDなのだが、やはり処理に問題あるみたい。画像がカバカバした感じ。元が痛んでいるのは慎重に処理しなければいけないけど、そうしたら廉価版では出なくなっちゃうのでしょうね。見られるだけで善しとすべきなのかな?

スパイ・バウンド (2004/フランス、イタリア、スペイン)

2006年01月07日 | 映画感想さ行
AGENTS SECRETS
監督: フレデリック・シェンデルフェール
出演: モニカ・ベルッチ    リザ
    ヴァンサン・カッセル    ジョルジュ
    アンドレ・デュソリエ

 実在の女スパイの証言を基に、工作員に嫌気がさしたスパイたちと、権力組織との暗闘を描く。

 意欲作なのはなんとなくわかりましたが、今ひとつ「これ!」というものの残らない、見所の絞りきれない映画でした。モニカ・ベルッチはまるで素顔(でもさすがにきれい)で愛想のない顔をしてるし、ヴァンサン・カッセルもいかにもやや品下った風の男を演じていて、少しだけ昔のアラン・ドロンを思い出しました。アラン・ドロンのほうがもっとドロドロしたものを抱えている感じはします。
 それで、アクションシーンもけっこう強烈にはやっているのですが、見せ方が派手でないので映画の流れに埋没加減で、そこで思いっきり心拍数上げるというわけでもないです。なんか一番ドキドキするのは、主人公が自分の雇い主に追い込まれていくところ。それも「これから見せ場だぞ!」と高鳴るドキドキではなくて「主人公も、監督もこれからどうするつもりなんだ~」という盛り下がり的なドキドキ。
 ラストも話は終わらない、といわんばかり締めくくられた感じはなく、ストーリーからすればそれで当然かもしれないけど、「?」な気分が抜けないのでした。

透明人間 (1933/アメリカ)

2006年01月05日 | 映画感想た行
THE INVISIBLE MAN
監督: ジェームズ・ホエール
出演: クロード・レインズ 
    グロリア・スチュアート
    ウィリアム・ハリガン

 人体が透明になる薬を発明した科学者ジャック・グリフィンは、自ら透明になる。彼は研究室から失踪し、田舎町で身体を元に戻し、研究を完成させようとするが、町の人に怪しまれる。薬のせいもあって凶暴になった彼はついには殺人まで犯してしまう。心配する恋人のフローラは、恋敵の元へ現れた彼を何とか説得しようとする。

 クロード・レインズは、「オペラの怪人」とか、他にも名画の脇役で印象的な人(「スミス都へ行く」、「アラビアのロレンス」など)ですが、この映画ではラストシーンでしか顔が見えない。だから声と、それに身振りはたぶんレインズ本人だと思うけど、それだけで勝負している。
 その声が、トーンの高い、力瘤はいったような声で、薬によって人格が凶暴化し、誇大妄想な意識を持つようになった人の表現としては説得力あり。薬のせいばかりでなく、自分が何かを成し遂げたのにそれがまったく認められない苛立ちや、化け物になってしまったことを強力な自分の力を見せつけることで肯定しようとしてるみたいなのも感じられる。しかし、これはもともと理性を持ってたものの暴走なのでフランケンシュタインみたいに醜悪に生み出された無垢なものの悲しみとは違い、哀れさはフランケンには及ばない。
 でも包帯解いていって顔がない、というような特撮は、当時としては凄いショックだったのでしょうね。
 これも廉価版DVDなのだが、ビデオで見たときより画質は滑らかだけど歪んでる・・・変な言い方だけどそうでした。デジタル処理が甘いのでしょうか、時々画面が歪んでます。

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 正月行事やら宴会もやっと一通り終わった感じです。
 昨日はあいさつ回りからまたしても酒席へなだれ込み、帰ってからは、へたってBSの「笛吹川」木下恵介監督、なんて見てました。なかなかの力作で特殊カラーというのも面白かったです。これはもう一度はっきりした頭でちゃんと見たい!
 何はともあれ、明日からは平常生活に戻れそうな予感がします。そうでないと身体が持ちません。ウーロン茶とウコン茶は飽きました。

コーラス (2004/フランス)

2006年01月03日 | 映画感想か行
LES CHORISTES
監督: クリストフ・バラティエ
出演: ジェラール・ジュニョ     クレマン・マチュー(音楽教師)
    フランソワ・ベルレアン    ラシャン(校長先生)
    ジャン=バティスト・モニエ   ピエール・モランジュ(少年時代)
    ジャック・ペラン     ピエール・モランジュ
    マリー・ブネル    ヴィオレット・モランジュ
    マクサンス・ペラン     ペピノ

 指揮者のピエール・モランジュは母の葬儀のため帰郷した際、子ども時代の友人ペピノが訪ねてきて、モランジュが孤児や問題のある子どもたちを収容する施設にいたときの舎監だったマチューの日記を手渡される。1949年、フランスの片田舎。“池の底”という名のその施設では強権的で厳しい体罰を加える校長と敵意と猜疑心と孤独の中にいる子どもたちがいた。志を得なかった音楽家であったマチューは子どもたちの合唱団を結成。そして、問題児ピエール・モランジュが素晴らしい歌声の持ち主であることを知る。

 実にオーソドックスなヒューマン・ドラマだった。もう型どおり期待通りで、安心して泣ける気持ちのいい映画だった。
 オープニングのジャック・ペランのアップで、「ニュー・シネマ・パラダイス」の世界を覗き、ジェラール・ジュニョで「バティニョールおじさん」の世界へ連れて行かれてしまい、まあだいたいその期待通り。
 私がいいなと思ったのは歌を知らない、両親も知らないペピノをああいう役どころに配したこと。彼は一部始終を見届け、地の塩というべきマチュー先生の人生をいろんな意味でまっとうさせることになる。

 ただ私にはちょっとつらかったのは、ボーイソプラノが苦手だから。主人公の少年はきれいだし、声も実に美しいけれど、酔えない。私は力強い声が好きなので、夜の女王のアリアとか、そんなのに聞きほれるのだ。「恋とはどんなものかしら」もちゃんと男装のメゾ・ソプラノに歌ってほしい。少年合唱団の独特な繊細さが好きな人だったらめちゃめちゃ陶酔できる映画でしょう。

ランド・オブ・ザ・デッド (2005/アメリカ、カナダ、フランス)

2006年01月02日 | 映画感想ら行
LAND OF THE DEAD
監督: ジョージ・A・ロメロ
出演: サイモン・ベイカー    ライリー
    デニス・ホッパー     カウフマン
    アーシア・アルジェント     スラック
    ロバート・ジョイ     チャーリー
    ジョン・レグイザモ     チョロ
    ユージン・クラーク     ビッグ・ダディ

 人間の肉を喰らうゾンビに占領された世界で、人間は要塞のような都市に閉じこもって暮らしていた。その中でも階級が出来上がり、金が社会を支配している。下層の人間の間で不満が積もっていた。そんなとき、ゾンビの間にも変化の兆しが見られた…

 う~ん、う~ん、これは、今までのゾンビ映画のその次、なので「何でこんなことに!?」「これからどうなる?」「先が見えない!」という悲鳴の様な、先行きの見えない絶望感とか、緊迫感という、今までのゾンビシリーズで一番手に汗握っちゃった部分のドキドキが薄い。テーマが違って「ゾンビも出てくるフツーのパニック映画」みたいな感じになってしまった様で今ひとつ乗り切れなかった。やっぱりゾンビにはある期待を持ってみているのだろうなあ。その点ではサラ・ポーリー主演版「ドーン・オブ・ザ・デッド」のほうが、ハイスピードなゾンビに違和感はあるにしても私の期待するゾンビ映画であった。予断を持って待ち構えて映画を見るというのも邪道ですが…

 やはり今度は、世界の設定がブレーキをかけた様に思う。ゾンビ蔓延後の世界でも、支配ー被支配階級が厳然として存在し、貨幣が価値を保っている…どう考えても現物、特に食料こそ一番価値がありそうなのに。だったら、どうしてそうなのかもっと納得させてほしいなと思う。集団としてまとまるためにそうなってしまった必然性をもっと説明するとか。
 それに学習するゾンビ、って、まったく意思疎通がなく、ただ目の前にあるものに襲い掛かるのがゾンビの怖さだから、思考力を持ったら怖いのかどうかよくわからない。
 これはシリーズで続くらしいけれど、この次を見ないとこの変化が吉か凶か判断出来ない。
 私はあんまりよくないんじゃないかと思う。
 ところでロメロ監督の映画は、私の苦手なスプラッタでえぐい場面でも、なぜか不思議と目をつぶったりせずに見ていられる。今回もそう。やはりロメロスタイルなんでしょう。

 今度のDVDでは、オープニングで「このDVD中の発言は、その発言をした個人の見解であり、会社等は関係ない」とありますが、特典のメイキング映像のデニス・ホッパーとロメロ監督の言でそれを納得。メタファーをあんまりあからさまにするのもどうかとは思います。

2005年映画ベスト10

2006年01月01日 | 映画の話題
 年間映画ベストを考えるにあたってつくづくしみじみ悔しいのは、2005年に近所のミニシアター系上映館がほぼ全滅したこと。いわゆる二番手館という周回遅れで2本立てで上映するようなところはまだ残っているものの、大手のシネコンの後追いが増えて映画館で見られる映画のジャンルの幅が一気に狭くなった年だった。
 だから、見たい映画リストのなかでも大手配給以外は全部DVD待ちになった。「映像的に絶対大スクリーン」でなくても映画館の雰囲気で見たい映画はたくさんあるのに、なんて不幸な私と改めて思ってしまった。
 愚痴はともかく、そんなわけでベストは大作系が並んでしまいました。

オペラ座の怪人
カンフーハッスル
コーヒー&シガレッツ
エターナルサンシャイン
運命を分けたザイル
海を飛ぶ夢
バットマンビギンズ
キングコング
コープスブライド
シンシティ
七人のマッハ!!!!!!


11本になりましたが、これだけは好きでベストから落せません。
それに別格が

スターウォーズ・エピソード3シスの復讐
 なんだかんだ言っても、きちんと締めくくられて幸せ。
ミリオンダラーベイビー
 うまい、うますぎる。ちょっと手玉に取られてる感があって凄い良作だけど素直にベスト作品として「好き」というに憚る何かがある。解決するまで別格保留の名作。

 キャー、なんてことでしょう!ジョニー・デップの「ネバーランド」「チャリチョコ」が抜け落ちてしまいましたわ!だけど、映画的には上に並べた作品の方が楽しかったんだもん~~~~

他にもピックアップしたいのは
五線譜のラブレター
レイ/RAY
クローサー
バタフライエフェクト


邦画は映画館で見た大作系は全然駄目で、DVDで見たのが大当たりとか面白いの多かった。今の邦画状況はどうなってるのかな?

で、ビデオ・DVD大儲け感動作品は

下妻物語
ショーン・オブ・ザ・デッド
デビルズ・バックボーン
トルク
丹下左膳餘話 百萬兩の壺 (1935/日)
犬猫
ロングエンゲージメント


それに俳優では2005年で大注目開眼が
ハビエル・バルデム
 「夜になる前に」「海を飛ぶ夢」
最高の役者ですね。

今日は元旦宴会で酒飲んで昼間に寝てしまったので、映画の感想をアップしてる余裕がありませんので、ゾンビとコーラスはまた明日。