虫干し映画MEMO

映画と本の備忘録みたいなものです
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船乗りシンバッドの冒険 (1946/アメリカ)

2006年01月13日 | 映画感想は行
SINBAD THE SAILOR
監督: リチャード・ウォーレス
出演: ダグラス・フェアバンクス・Jr 
    モーリン・オハラ 
    アンソニー・クイン 
    ウォルター・スレザック

 船乗りシンドバッドが語る冒険とお姫様と不思議な宝の物語。

 1946年制作という、日本がめちゃめちゃだった時期の派手やかなカラーのアメリカ映画。
 ダグラス・フェアバンクス・Jrのほうの活劇で、いい男ではありますが、見ていて多少一本調子かな、と。これは演出のせいもたぶんにあるのでしょう。
 上に「派手やか」と表現しましたが、実に実に賑々しい色彩で、海上や空の色は書割のようだし、お姫様はどっからどう見ても西洋人、ドレスもお付きの侍女以外はオリエントとは無関係に見えます。兵隊や街の人々はそれなりにアラブ風ですが主人公は「ゾロ」と言っても通りそう。思い切り時代感があってこういうのも面白い。
 主人公のライバルをアンソニー・クインが演じていますが、若くて豪華な衣装を着ています。アンソニー・クインが豪華なものを着ているとなんとなく珍しいと思ってしまいます。
 特撮もほとんどないし、活劇のスピード感もそこそこだし、豪華だけど、あんまりスカッとするという活劇ではありませんでした。
 この映画の目玉は、モーリン・オハラの王女様。とっても美しいですが、オリエントな美女には見えません。ヒロインなのにしたたかで貪欲で機略縦横という、家族向け映画には稀なお姫様です。ジョン・フォードの名作中のオハラが印象に残っていますが、こういう役のほうが美しく見えます。