虫干し映画MEMO

映画と本の備忘録みたいなものです
映画も本もクラシックが多いです

アリババと四十人の盗賊 (1944/アメリカ)

2006年01月08日 | 映画感想あ行
ALI BABA AND THE FORTY THIEVES
監督: アーサー・ルービン
出演: マリア・モンテス
    ジョン・ホール  
    ターハン・ベイ  

 モンゴル軍にバグダッドを追われたカリフの王子が、盗賊となってモンゴルのカーンと裏切り者カシムと対決する。

 実は、「スパイ・バウンド」と一緒にDISCASから届いたのが「ヴィレッジ」で、まあどちらも、よく言えば抑えた映画で、私のような人間にとっては「悪かないけど、こういう映画だけじゃいや!」と派手な活劇映画でも見たい気分でこれを見たのです。「バグダッドの盗賊」みたいなのを期待して。
 その系列だったのですが、なんか違う。
 アラビアンナイトっぽさは「開けゴマ!」だけで(これはホントにちょうつがい観音開きって感じで面白いことは面白かった)空飛ぶじゅうたんもつぼの中の巨人も出てこないの。それに盗賊のほうが正義の味方で、モンゴルの圧制に対抗するロビン・フッドみたいな位置づけになってる上に、悪党をまんまと出し抜くという爽快感がなく、主人公、アホみたいにほえててすぐ捕まっちゃう。啖呵だけは立派だけど。
 それで、主人公の王子が裏切り者のカシムの娘と幼馴染で、最後はめでたしめでたし結ばれるけど、父親のためにイヤな男との結婚する娘が、その父親が殺されて数分後にむちゃくちゃ晴れやかに主人公と抱き合ってるのはね~ どっかで一言入れてあげればいいのに…とか思ったり。
 それに、「自由のために」とか叫んでるカリフと、流血を防ぐために降伏してくれというカシムでは、映画では悪人に描かれているものの、どっちに共感できるかといいますと、どっちもどっち。どっちが正しいとか言うことじゃないじゃん、としか思えないし。
 今の時代気分に合わないんですね。ホントに時代ですよね、アラブの盗賊に自由のために戦わせてるんだから。

 ところでこれも廉価版DVDなのだが、やはり処理に問題あるみたい。画像がカバカバした感じ。元が痛んでいるのは慎重に処理しなければいけないけど、そうしたら廉価版では出なくなっちゃうのでしょうね。見られるだけで善しとすべきなのかな?