虫干し映画MEMO

映画と本の備忘録みたいなものです
映画も本もクラシックが多いです

バーバー吉野 (2003/日本)

2006年01月28日 | 映画感想は行
監督: 荻上直子
出演: もたいまさこ
   米田良
   大川翔太
   村松諒
   宮尾真之介

 住民が全員顔見知りのような小さな田舎町の、小学校の男のこの間に芽生えたしきたりへの反逆をのんびりと描く。その町では、小学生の男の子はその町の「バーバー吉野」で散髪した全員同じヘアスタイル(吉野刈り)でお祭りには「ハレルヤ」を合唱する。しかしある日、東京から転校生がやってきて、彼はとてもかっこいい髪形をしていた…

 これは、絶対「吉野刈り=吉野ヶ里」の駄洒落が使ってみたかったんだと思うよね!
 それがまた、どんぐりのハカマのような、実に妙なスタイルだけど、妙に可愛い。天使の輪がくっきり浮かぶようなヘアスタイル。話に目新しさはなくて、オーソドックスに予想内の展開なのだけれど、少年たちの可愛さで見る目が甘くなってしまいそう。それに田舎町が舞台のためか、思春期の男の子のドタバタもおとなしくてナイーブ。子どもの中に知らないものを見てしまったという感覚がなく、懐かしさとか郷愁を感じる程度のもので、映画のインパクトは強くないけれど、優しさが漂う。
 基本的に親や既成のしきたりに対する異議申し立てと言っても、不満や疑問はあっても不信感がなく、根っこのところでは子どもが大人を信頼している関係の上でのお話なのだ。前面に立ちはだかる吉野のおばちゃんは本当の敵ではない。先頭に立たずに既成事実に寄りかかっている先生たちのほうがたちが悪い。
 こんなことは考えるのだけれど、優しい両親に穏やかな生活、思春期の恋心、と軽いけれど穏やかな笑いが浮かぶような映画だった。

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 疲労のためだと思いますが、昨夜は熱出して倒れるように寝ておりました。でも寝ながら「コングの復讐」なんて見てました。全然復讐じゃないんですけど、何でこんなタイトルなんでしょう?