虫干し映画MEMO

映画と本の備忘録みたいなものです
映画も本もクラシックが多いです

かもめ食堂(2005/日本)

2006年10月01日 | 映画感想か行
ROUKALA LOKKI
監督: 荻上直子
出演: 小林聡美    サチエ
   片桐はいり    ミドリ
   もたいまさこ   マサコ
   ヤルッコ・ニエミ
   タリア・マルクス
   マルック・ペルトラ    マッティ

 フィンランドのヘルシンキに“かもめ食堂”という小さな食堂をオープンした日本人女性サチエ。しかし、お客は日本のアニメが好きなおたく青年だけ。それでも営業を続けるサチエ。そしてオタク青年にたずねられた「ガッチャマン」の歌詞を教えてくれた旅行中の日本女性を家に泊めることになる。

 フィンランドというと、私の脳裏に浮かぶのは「ムーミン」と「アキ・カウリスマキ」「ミカ・ハッキネン」 それにシャーロット・マクラウドの小説中の「フィンランド語は難しいのでフィンランド人は寡黙」という冗談だけです。
 アキ・カウリスマキは大好きなので、マルック・ペルトラが出てきた時には、思わず歓声!名前もマッティなんて、素敵!
 それはさておき、「バーバー吉野」の荻上監督で、全体の雰囲気やタッチは同じように感じました。穏やかで想定内の展開で登場人物の味方したくなる…という。
 フィンランドという遠い国へきてしまった3人の日本女性が、それぞれに事情背負っていることは直接にも言外にも語られ、異国の地での今の安定が永遠のものではないことをわかった上で、現在をいとおしんで生きるというのはちょっといいな、と思わせられる。やっぱり「世界の終わりの時に約束がある」って、ひとつの安心だと思う。
 レストランで出てくる料理が、サチエが「日本人のソウルフード」というおにぎりはじめとして、とんかつ・鮭の焼いたの・家庭のオムレツ・肉じゃがみたいなのと、ほとんどが日本の家庭料理でそれが料理の手際も含めてとってもとっても美味しそうに映っていました。ものを食べるシーンが気持ちよくて、「体と心を養う」という食べるということの意味をしみじみ考えてしまう。
 欲を言えばフィンランドの美しい自然をもっともっと見せて欲しかったです。

 マルック・ペルトラは、「過去のない男」でも寿司を食べていたから、おにぎり食べるのは大丈夫だったのでしょうか?梅干はきついと思うけど、鮭なら大丈夫かな?