虫干し映画MEMO

映画と本の備忘録みたいなものです
映画も本もクラシックが多いです

シモーヌ (2002/アメリカ)

2005年10月19日 | 映画感想さ行
SIMONE
監督: アンドリュー・ニコル
出演: アル・パチーノ     ヴィクター・タランスキー
    レイチェル・ロバーツ   シモーヌ
    ウィノナ・ライダー     ニコラ・アンダース
    キャサリン・キーナー    エレイン・クリスチャン

 主演女優ニコラに逃げられ、映画と、監督生命も風前のともしびとなったタランスキーは、難病で亡くなった男からディスクを遺された。その中には、CGの美女が…
 そのバーチャルな美女を主演にとった映画が大成功、CG美女は一躍大スターになる。

 大笑いではない、アル・パチーノが冴えたコメディだと思います。
 これを見ていて、同じ監督の「トゥルーマン・ショー」もだけれど、「セシル・B・ザ・シネマ・ウォーズ」も連想させます。ハリウッドのシステムを皮肉ってるとことか、熱狂とか偶像崇拝の対象を求めてる群集とか、メディアの加熱とか。ウィノナ・ライダーの後半のセリフなんか、まさに抱腹絶倒。
 私にはもう一息、パンチがあれば最高だったのにと、ちょっと惜しい出来だったように思えました。
 シモーヌは、私には今ひとつ魅力が足りないけど、最大公約数的な美女といわれるとそうかも、という感じです。

 突っ込みようはいくらでもあるんだけど、目をつぶってアル・パチーノ演じる監督の気分と境遇の浮き沈みとか、なんだかタルコフスキーの如き映画中映画を見てにたにたする、とか楽しみようはけっこうあります。
 でも人間の俳優にCGアクターがとってかわるのはここ当分無理でしょう。「ロード・オブ・ザ・リング」のゴラムとアンディ・サーキスの関係みたいに、元のデータがないと、CGは動かしようがないし。「そのものらしさ」というものは、どういう形にしろ創造しなくてはならないものだから、人間の出番はそう簡単にはなくならないでしょう。
 果たして、データが蓄積されたらあるパターンによる演技データを集めてで映画一つ出来ちゃうのでしょうか?