虫干し映画MEMO

映画と本の備忘録みたいなものです
映画も本もクラシックが多いです

花衣…

2005年10月09日 | 日記・雑記
花衣ぬぐやまつはる紐いろいろ  杉田久女

 花見から帰り、普段とは違ったよそ行きの衣装をといていく時に身体にまつわる紐のいろいろ…
 晴れ着の柔らかで持ち重りのする質感と、春の衣装のおそらくは柔らかな色、紐の色など、いかにも色彩感に富んだ、それに桜の花の持つ浮き立つような酩酊感のある華やかな句だな、と思っていました。
 今読んでもそう読めますが、ネットで、「花疲れや、何本もの紐を締めて着物を着ている女性の憂かない気分が残る。」という鑑賞を見つけて、そういう読み方もあるのね、と思ったのでした。
 人生の終わりの不幸な方でしたが、田辺聖子さんの「花衣ぬぐやまつわる」という評伝を得て、正当な評価がなされたのではないかと思います。それにどんなことを言われようとも、残した句のスケールの大きさ素晴らしさは文句のつけようがないものです。

 とんでもなく季節違いの句ですが、この秋たけなわになぜいきなり出てきましたかというと、先月から私は着付けを習いに通っているのです。
 今でも名古屋帯クラスまでなら着られるのですが、礼装は自信がない。そこで一念発起、「この際袋帯も自分で着てやろうじゃないか!」と思ったのです。そんなわけで週1回必ず和服をまとうことになりましたが、着物を着るというのは、裁縫とセットなんですね。半襟付けは必須だし、衣文抜きとか、その他いろいろ、針と糸無しでは話にならないのが和服。お稽古前夜に針仕事してると、気分はタイムスリップ。
 それに着物とか、着るのに必要なものを全部持っていくのですが、それが半端じゃなく大荷物。「装備一式」とか思っちゃいます。バットマンの装備にだって数なら負けてないわ。

 など言いつつ、?十年もしまいっぱなしだったおばあちゃんの着物を引っ張り出して、古い樟脳とかパラジクロルベンゼンとかの匂いを周囲に振りまきながら練習しています。さて、来年の春、袋帯を一人できちんと着付けて花見に行けるでしょうか?それに袋帯締めるくらいの晴れ着着て一人で花見は変かな?困った。誰誘おうか。