虫干し映画MEMO

映画と本の備忘録みたいなものです
映画も本もクラシックが多いです

山田風太郎

2005年10月14日 | 
今日は、近所のシネコンで「ファンタスティック・フォー」の最終日。
何とか見にいこうと、4時半起きしてがんばったのに…
道に迷ったとかで2時間も約束に遅れた人がいて…
上映開始時間までに映画館到着は到底無理な展開になった。
だから「ファンタスティック・フォー」はDVD待ちになりました。
はあ… きっと大スクリーン向きの映画なのに…

まあ、空き時間が出来ちゃったので、
「SHINOBI」と「河内山宗俊」で読みたくなった山田風太郎を読んでいました。

「明治十手架」
 カバー絵は天野義孝です!素敵!文庫版は角川のこれが最高です。このチョーかっこよく描かれた原胤昭は、実在の元与力、明治になってからは前科者・出獄者の更正サポートに尽力した人で、本物の写真は岩波の「戊辰物語」などかなりたくさんの本で見ることが出来ます。実際に面長な人ではあります。
 これも、悪鬼の如き警官獄卒と、世間のはずれ者の前科者たちの心根の底の純情に、清らかな乙女に泣き、えぐい描写におののき、面白さ満載。
「明治断頭台」
 明治初めの警察の前の弾正台の若き川路利良、それにフランス帰りで水干姿、檜扇で強盗ちょいちょいの香月経四郎、それにパリの処刑人の裔エスメラルダなど登場する連作短編。ちゃんとどうしようもない男どもがエスメラルダのために命かけます。これは、推理作家としての山田風太郎の腕も冴えています。凄いような美男でしかも妖気を持った経四郎に、金髪碧眼に赤い袴の巫女姿のエスメラルダと、視覚的にピタリの俳優が揃ったら、目に嬉しい映像が出来そう。

 それに「甲賀忍法帖」講談社文庫で天野義孝様のカバー絵の文庫が出ていたので、また買っちゃいました。帯にオダギリジョーのトサカ頭があったのはちょっと残念です。オダギリジョーは好きなほうです。でも弦之介をトサカ頭にした罪は消えない。