「今日、誰がやっても絶対に成功は見込めないって最悪の事態で、
思いきって積極的に動いてみたら、それなりに認めてくれる人はあるんだな、
と思ったよ」。夕食時に息子がそんなことを言っていました。
企画を考えたり、ディスカッションしたり、プレゼンテーションしたりするのが
好きな息子。
学校でそうした授業がある日は、
自分の得意なことや強みを実感できてうれしいようです。
が、短い時間内にグループごとに分かれて調べ物をし、報告書を書いて、発表しなくては
ならない授業で、息子のグループだけが話がまとまらず、調べ物も進まず、
報告書もほとんど書けていないという状態に陥ってしまったそうです。
発表の順番は刻一刻と近づいているのに、
もう何から手をつけていいのかわからないような事態にグループのメンバーは茫然となっ
ていたのだとか。
息子にしても、どうあがいても手の施しようのないのは感じたものの、
取りあえず何とかこの最悪の事態を収拾しなくてはならないし、
誰かが前に出て行かなくてはならないのはわかっていたので、
自分がその役を買ってでることにしたそうです。
まず、穴だらけの報告書をつじつまが合うよう最低限に形を整えて、失敗を覚悟して
発表に臨んだのだとか。
案の定、ほかのグループに比べて、お粗末な発表となったそうですが、
授業が終わってから、同じグループの子に、
「よくあんな滅茶苦茶な状態のものを発表できる形にできたよな。すごいな。」と
感心したように言われたのだとか。クラスで選ばれて良い内容のプレゼンテーションが
できたときと同じか、むしろそれ以上に、
結果こそパッとしないものでも、緊急事態に思いきって自分から動くことが
認められることもあるんだなと実感した様子。
娘にしても仕事先でしょっちゅう大きなトラブルに遭遇しているようですが、
逃げずにそれと真剣に向き合っていくことで、災い転じて福となるという結果に
つながっているようです。
虹色教室でも、時折、けんかやトラブルが起こることがあります。
そんな時、大人が安易に解決してしまわずに
適度な支援をしながら、自分たちで解決させていると、子どもの心がそうした負の
出来事から学び、折り合いをつけ、乗り越えながら、
たくましく成長していくのを感じています。
3、4歳児さんたちのぶつかりあい と 大人が見せる問題解決の見本