虹色教室通信

遊びや工作を通して 子どもを伸ばす方法を紹介します。

3、4歳児さんたちのぶつかりあい と 大人が見せる問題解決の見本 

2013-07-18 23:10:13 | 幼児教育の基本

 

3歳0ヶ月~4歳0ヶ月のレッスンでこんなことがありました。

4歳0ヶ月の★くんと3歳2ヶ月の☆くんが、

ぶつかってばかりいたのです。

デュプロのレールで線路を作っている★くんは、

その線路にバスを走らせようとする☆くんに、「線路にバスは走らないよ」と文句を言っていました。

 

横から☆くんのお母さんにも、「バスは線路を走らないよ」と注意された☆くんは、

不満そうに口をとがらせて、黙っていました。

「バスは道路を走るね。バスのための高速道路を作ろうか?」と誘って、

高速道路を作って遊び始めると、

またもや★くんが「線路のところにひっついている!」とブーブー言いました。

その時は、お互いの遊ぶ場を少し離してやると、そのままお互いに自分の遊びに集中していたのですが、

少しすると、★くんがだんだん高くなるように線路に高低差をつけていたところに、☆くんが

うっかり足をひっかけて壊してしまいました。

すると、また☆くんが怒り始め、☆くんは不満気な顔で黙りこくっていました。

 

☆くんのお母さんは過干渉な関わり方をする方ではなく

たいていのことは大らかに見守っておられます。

 

でも☆くんがまだ3歳前後の子のため、気づかないうちにお友だちのおもちゃで遊んでいたり、

お友だちの作ったものをひっくり返してしまったりした上、謝りもせずに黙りこんでいたり、

お友だちが怒っていても無視して遊び続けたりしているので、

お友だちとトラブルになるたびに、

「線路にバスは走らないでしょ」とか「そこは、○○でしょ」など、

何度もダメ出しをして、言うことをきかせようとしていました。

 

☆くんは穏やかでおとなしい性質の子で、

普段は自分からお友だちにちょっかいを出したり、意地悪をしたりすることはありません。

でもお友だちと揉めるたびに、自分の間違いを指摘されるので、

何度もむくれ顔でやり過ごすうちに、すっかりへそを曲げてしまったようでした。

 

そのため、「お友だちの作った線路の上に足を乗せる」

「文句を言われたら言われるほど、しつこく嫌がることを続ける」

といった

わざと遊びの邪魔をしているような行動が増えてきました。

 

すると、★くんにしても、☆くんに文句を言ったり、追い払ったりすることが

遊びの中心になってしまい、

イライラした神経質な態度になっていました。

★くんは、遊びの目的がはっきりしていて、「こんな風にしたい」というイメージに添って

遊びを展開していく頭の回転がいい創造的な子で、

こだわりが強い子ではありません。

カラっとした明るい性格で、考え方も柔軟です。

 

それなのに、★くんが怒って文句ばかり言っているのは、

揉め事が起こるたびに、

周囲の大人の言葉かけが、不満や不服にだけ注意が向くように

仕向けてしまったからのように見えました。

 

その証拠に、作っていた線路を壊されて怒っている★くんに、

「電話で救急隊を呼ばなくちゃ。緊急事態だから。」と言うと、

たちまち、パッと顔を輝かせて、ブロックを耳や口に当てて、

救急隊出動の命令を出し、救急隊がかけつけて、線路を修理する様子に大喜びしていました。

 

☆くんにしても、イライラして★くんの線路に足を乗せて邪魔していたものの

★くんの足を「カンカンカン」と踏みきりに見立てて持ち上げて、列車を通すと、

たちまち、尖らせていた唇をゆるませて、笑顔を浮かべました。

 

 


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。