☆くんの汽車を何度も取りに行く●くん。
●くんに、他の子の物を取ってはいけないことを教なくてはならないし、
「今日は取ったら注意され、今日は取っても見過ごされる」とコロコロ態度を変えていたら
善悪がわからなくなるかもしれません。
それでも、この日の●くんの行動の仕方を思うと、
「これこれしたらダメよ」と注意する以上に、
お互いに同じものを欲しがって衝突しかけている機会を捉えて、
どちらも納得するような面白い解決法を示して見せたり、
たがいの距離が縮まって、遊びにつながるような解決に結びつけてあげたりする
必要を感じました。
問題のある行動は、軽くスルーするようにして、
本人の欲求が満たされるより良い行動に変換させていくのです。
こんな場合、ついつい、☆くんのおもちゃを取ろうとしたんだから、
☆くんに「ごめんね」って謝らせなきゃ、とか、
他人のものと自分のものがわかっていないから、わかるように教え込まなきゃ、
という思いに心が奪われていると、
大事なタイミングをのがしてしまいます。
それよりも場合によっては、大人が「ごめんね、☆くん」と●くんの代わりにオーバーなくらいに
謝りつつ、楽しそうに、こんな声をかけるのもいいです。
「☆くんの列車いいよね。先生にちょっとだけ触らせてよ」
「だめ~!」
「じゃぁ、指の先っぽでえんとつ触るだけならいい?」
「だめ~!」
「あ~ざんねん。それはけちんぼだわ。
そんなけちんぼしたら、●くんも、☆くんの列車で遊びたいよ遊びたいよってなっちゃうな~。
だって、☆くんの列車はかっこいいえんとつがついているんだから」
といったやりとりをして、☆くんと●くんの間にあった緊迫した雰囲気を和らげることもできます。
●くんはまだ自分から☆くんに話しかけていくための
会話のレパートリーが
ほとんどないのです。
ですからできれば、大人が☆くんの気持ちをほぐして、
☆くんが●くんに対しておおらかな態度で接して、
ふたりの間に自然な親しみが生じやすいようにしてあげなくてはならないと
感じていました。
●くんが自分から積極的に動くのは、
どのように動けばいいか理解できている範囲です。
おそらくこの日、新しいお友だちが参加していたのと、
☆くんが不機嫌そうに自分の遊びを続けているので、
その場面での「わかりやすい自分の言動」が見当たらなかったのかもしれません。
次回に続きます。
私自身の●に対する姿勢を改めて見直させていただける記事でした。ありがとうございました。