虹色教室通信

遊びや工作を通して 子どもを伸ばす方法を紹介します。

愛情をかけて可愛がって育てているのに困った言動が増えてくる時 (ユースホステルのレッスンから) 12

2012-08-03 21:14:42 | 幼児教育の基本

無事にアメリカに着きました。こちらで撮った写真は帰国してからアップさせていただきますね。


大人の目から見て、「問題だな」「困ったな」という態度を示す子への見方が、

この数年の間にわたしのなかで

ずいぶん変化してきました。


そうした子らをよく観察していると、

 

周囲から「悪い子」「困った子」と思われている子ほど、

当然のように自分を主張してもいい場面で我慢を重ねていたり、

「イヤ」と言ってもいい時に「イヤ」と言えてなかったりするのです。

 

たいてい「困ったちゃん」として扱われている子は、

困ったちゃんモードが全開となって、周囲を辟易させるような場面でだけ

周りの注目を集めていて、

そうでない時にはあまり関心を払われていないことがよくあります。


そこで困った言動をアウトプットしているシーンにフォーカスするのをやめて

その子が何も問題を起こしていないシーンに注目してみると、

「こういう子」と思われているその子像とは

真逆の一面が見えてきます。


それが先に書いた

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 当然のように自分を主張してもいい場面で我慢を重ねていたり、

「イヤ」と言ってもいい時に「イヤ」と言えてなかったりする

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ということなのですが、

それにこちらが気づいて、ネガティブなことも含めて

自分の気持ちを素直に表現しても

それを評価されたり、否定されたりしないで、

そのまんまありのままで受け入れてもらえるような体験を積むと、

「そんなことで?」と驚くほど

ウソのように問題行動が消えていくことはよくあるのです。

完全に消えることはなくても、目立たないものにはなっていきます。


変な例ですが小さな弱い犬ほど

ギャンギャン吠えるのを知っていますよね。


小型犬が攻撃性をむき出しにして吠えるのと同様に、

自分を守る術のない、弱い立場にある子ほど

横柄な態度で毒づいたり、

攻撃的な態度を示したり、

相手を無視してかかったりしがちなのです。


以前、「口答えが多く、することなすこと反抗的で、何ひとつ言う事はきかないし、

わがままで自己中心的で勉強しない困った子です」と

親御さんが語彙を強めておっしゃる中学生の男の子と小学校高学年の女の子に

それぞれ別の日に会ったことがあります。

 

その子らが教室に親御さんといっしょに入ってきた時点で、

年のわりにずいぶん従順な子だな、と驚いてしまいました。

なぜなら、うちの子らがそのくらいの年齢だったときには、

どんなにうまいこと誘おうと、厳しく言おうと、「いい、行かない」とさっぱりと宣言して

親に付いてくるとは到底考えられなかったからです。

 

親御さんに連れてこられた子たちは

どちらもムスッとして横柄な態度を取っていましたが、

そうした態度で自分の身を守らずにはおれないような

素直すぎたり従順すぎたりする面がちらほら顔を覗かせていました。

 

「素直すぎ従順すぎ」という事場は適切ではないかもしれません。

 

自分に降りかかってくる

「しつけたいことや教育したいこと」という親や外の世界に反発していても

身体が求める要求世界である「自我」が強いわけではなく、

それもあいまいで希薄なのです。

 

自分が何を求めていて、どうしたいのか、どうありたいのか、何がいやなのか、

そういう自分の根っこの部分への親御さんの侵入を

簡単に許してしまうようなところが感じられたのです。

 

次回に続きます。

http://blog.goo.ne.jp/admin/editentry?eid=95833e913bf9539bc48933cef6c110f5無事にアメリカました。こちらでの様子は帰国後に


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1 コメント

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思い当たる節が… (cocue-cocue)
2012-08-05 03:23:29
子どものことを書いておられるのに、話がずれるかも知れませんが…私の父がこのタイプです。
短気でかんしゃく持ち、ところ構わず大声を出す、切れやすい~
にもかかわらず、肝心のことができません。典型的なのが、問い合わせです。
店の営業時間が分からず、電話一本で解決するのにあーだこーだ理由をつけてしないまま向かうと、到着したら閉店間際だったとか。
それならまだしも、必要な申し出もできません。
私が骨折して入院したとき、夜中に骨折箇所が痛くて、ナースコールしようとしたら「看護婦さんに迷惑だからやめとけ」と付き添った父は止めました。その日が原因か分かりませんが、骨折は完治しませんでした。
性格がひねくれていて親戚の鼻つまみものですが、実際は単なる臆病者、意気地無しです。
そう気づいて以来、父を恐れる必要がなくなり、ガツンと言いたいことをぶつける私について、父は「何を言われるか分からん」と怯えているそうです。
語るに値しない人物を持ち出して、すみません。
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