学びのプラスあるふぁ:日常の気付き

人の人生、それぞれが皆オリジナル。街を歩き人に話しかけることから「なるほど」と納得できる発見がある。

本の購入、先ず立ち読みを怠るな

2024-05-24 16:48:58 | 日記
 『他人の靴を履く』(ブレイディみかこ著・文藝春秋文庫)というタイトルに惹かれてこの本を買った。なんとなく自分にフィットしない感覚、なんとなく違和感を感じる時に使うこの言葉、きっとアメリカ留学中のどこかで耳にしたのだとおもうが不快感や違和感を言う時に最もしっくりする言葉なのだ。さて、この本を手にして読み始めてそれこそある違和感に襲われた。想像していた内容とは異なり、ほぼ哲学的に”エンパシー”と言う言葉を分析しているのだ。
 エンパシー(empathy)とは僕は理屈抜きで「共感」や「感情移入」を指す言葉に置き換えて理解している。この本で問題にしているのは英語には別の単語にシンパシー(simpathy)があってそれは日本語では単に「同情、哀れみ」などと訳されていると思う。問題はこの二つの単語の使い分けというか微妙な性質の違いなのである。この本はこの二つの単語の微妙な意味の違いの分析からはじまるのだ。脳トレや"思索する"ということがお好きな読者にはとても刺激的でうってつけの本ではあるがそうでなければちょっとしんどい。そこで僕はもっとシンプルにこの二つの単語を考えた。ぼくはテレビで虐待や悲惨な殺人事件が報道されるごとにチャンネルを変えてしまう。微に入り細に入りの報道に耐えられないのだ。「同情や哀れみ」の領域を超えて僕の心はエンパシー、つまり「感情移入」の世界に入って気分が悪くなる。原稿を読む女性アナが心身異常に陥らないかがいつも心配になる。昔、居酒屋で間違って他人の靴を履いてしまった経験が蘇る。そんなエピソードを収集した面白い文庫本だと思っていた僕が少し浅はかだったかなー。

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