学びのプラスあるふぁ:日常の気付き

人の人生、それぞれが皆オリジナル。街を歩き人に話しかけることから「なるほど」と納得できる発見がある。

窮屈からの脱出

2021-07-09 16:29:44 | 日記
 毎朝、1時間程度をかけて読む新聞、コロナや五輪の記事などに加えて気になるのが人生相談や悩みの相談だ。その内容は多種多様、とはいえ最終的には人間関係の悩みが一番多いという所に落ち着くように思う。人生相談を新聞に寄せた人、相談の答えはどの程度生かされたのか、その後が分からない。悩みが解消されて自分を取り戻していたらいいのにと思うことがよくある。歳をとってくると、「あの人は今どうしているだろう」などと昔の知人や友人のことをふと思い出す時がある。それとよく似た感情を投稿者に抱くのだ。
 坂口恭平さんという人がいる。熊本県出身の建築家、作家(面白い個性的著書多数)、アーティストという肩書きで活躍している人である。自分が抱えている躁鬱(そううつ)という病との付き合いの中から彼が気づいたことがある。「我々は他人に動かされている」「いつの間にか気づかないうちに我々は窮屈を無意識のうちに受け入れている」というのが彼の持論である。確かに人生を気を楽に生きてゆく方法はその“窮屈”からの脱出だといえるかもしれない。
 英語の「窮屈」には二語あって、一つはタイト (tight) という単語。靴が窮屈だという時やスケジュールに隙間がないなどの時に使われる。もう一つ、インフレクシブル (inflexible) は“融通が効かない、頑固、曲がらない”などの意味がある。この二つの単語の意味をじっと見つめていると自分を縛っていて窮屈にしているのはひょっとすると自分なのでは、などと考え出すのである。かつて日本人は“他人の目を気にしながら生きている”と言われることがしばしばあった。現代は随分と他人の目を意識せず自分を出せるようになってきた。新聞の相談欄で悩んでいる人はひょっとすると昔風の考えに自分で自分を縛っているのかもしれないと思うことが度々ある。