ふっと自分の記憶から消えることを「ど忘れ」という。若い時からある現象でそれほど気にはならないけれど歳をとってこれが起こると急に認知症と結びつけたりしてなんとなくこころが落ち着かない。今朝は何をしにこの部屋に、と不意に忘れてしまった。元に戻って順をおって数分前を遡っていくと思い出した。あれこれついでにしておこうなどと横着をしようとするからこんなことが起こる。ま、それはいいとして昨日は漢字のど忘れで、国語辞典を引っ張り出した。それでも頭を整理して漢字を書き出せたから良い勉強になった。今週の街歩きは上六(大阪の人は上本町六丁目のことを”うえろく”と言う)にしよう。そのための”界わい”の下調べをメモに、と考えた途端に漢字が書けない。「わい」の寓のような形のイメージはあるけれど…
取り出した身近にある国語辞典によると「ど忘れ」とはいつもははっきりと記憶していることを一時的に忘れてしまうこと、とあり納得。でも”忘れる”ことの前についている「ど」とはなんぞや、と新しい疑問。「ど」は接頭語、程度が甚だしい意味や後ろの単語の意味や調子を強める役があるという。そう言えば、どぎつい、ど真ん中、ど根性、ドケチ、ドえらい、などと「ど」を超えた(?)使い道があることに気がついた。「ど忘れ」、ちょっと辛(つら)いなぁ。辛いと言えば、運転中にトイレに行きたくなって火汗をかいたり、忘れられない昔の辛い人間関係に夢の中でも悩まされたり、人生に辛いことは数々あれど、一番辛いものは歳をとってすることがなくなった時だって…。ところで”かいわい”は界隈だったんだよ~、もぉ~、ドあほ!