行方不明者捜索中に死亡した海兵隊員事件、
生存隊員が除隊後に師団長を告訴=韓国
「師団長が業績をあげるために無理な指示」
今年7月に慶尚北道醴泉(イェチョン)を襲った集中豪雨による行方不明者を捜索している過程で、故C上等兵とともに急流に飲まれ、辛うじて助かったAさんが、海兵隊第1師団のイム・ソングン師団長を高位公職者犯罪捜査処(公捜処)に告訴する。
軍人権センターは25日、Aさんがイム師団長を業務上過失致傷で公捜処に告訴する予定であることを明らかにした。24日に除隊したAさんは、C上等兵と共に先頭で行方不明者の捜索をおこなっていたところ、共に水に転落し、急流に飲まれたが、辛うじて救助された。
Aさんは軍人権センターを通じて公開した文章で、「師団長1人を守るために、C上等兵と私たちが被ったことに責任を取るべき上層部は責任を取らず、現場で隊員たちが水に入ることを心配していた人たちばかりが処罰される過程を見ている」、「除隊を控えて忌まわしい時間を過ごしつつ、非常に悩んだ。事故の当事者として、事故のてん末をよく知る者として、ただやり過ごすことはできなかった」と告訴の背景を説明した。
Aさんは「私と私の戦友が被る必要のなかった被害と、世を去ったC上等兵の取り返しのつかない被害について、正当な責任を問う」とし、「私たちは国民の命と財産を守るために正当な指示を受けて作戦を遂する過程で死亡あるいは怪我をしたのではない。師団長のような人々が、自分が業績をあげるために不必要で無理な指示をしたからだ」と述べた。
イム師団長は海兵隊捜査外圧疑惑の要となる当事者だ。海兵隊捜査団長のパク・チョンフン大佐はC上等兵死亡事件に関し、イム師団長ら海兵隊指揮部による過失致死の疑いを指摘した調査報告書をイ・ジョンソプ国防部長官に報告し、警察に移牒(いちょう)したが、その後、国防部は調査報告書を回収し、パク大佐を集団抗命の主犯として立件した。
この過程で、調査報告書からイム師団長の容疑を除外せよという外圧が国防部と大統領室からかかった、とパク大佐は主張する。先月13日にはAさんの母親も、イム師団長を業務上過失致傷、職権乱用で公捜処に告発している。
軍人権センターは「当事者が事故前後の状況を自ら捜査機関に明らかにできるようになっただけに、公捜処の聖域なき捜査が迅速に実現することを期待する」と述べた。
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