次期在韓米軍司令官、
「韓米同盟、日米同盟のような“グローバル同盟”へ成長を」
台湾事態が発生すれば米中対立に巻き込まれるリスク高まる
バイデン大統領から韓米連合司令官兼在韓米軍司令官に指名されたポール・ラカメラ太平洋陸軍司令官(大将)が人事聴聞会で、韓米同盟は米日同盟のような「グローバルな同盟」に成長すべきという見解を示した。理念を越え、半導体など先端産業をめぐる主導権争いで広がりを見せている米中対立の中、米国の覇権維持のために韓国がより大きな軍事的役割を担うべきという米国の主流の見解を代弁する発言とみられる。
ラカメラ司令官は18日午前(現地時間)、米上院軍事委員会での人事聴聞会に先立って公開した書面答弁で、「米軍のグローバルな役割と韓国軍のますます増える国際的範囲を考えると、(韓米)同盟が朝鮮半島を越えた地域で協力する機会が生まれている。在韓米軍は米国のインド太平洋司令官に地域(朝鮮半島)外の偶発事態や地域的脅威に対応するための様々な選択肢を提供できる独特な位置を占めている」と明らかにした。つまり、在韓米軍が北朝鮮の侵略から“韓国を防御”するという伝統的な役割を超え、他国で地域的危機状況が発生した場合に投入される“戦略的柔軟性”を持つことが可能であり、韓国軍も韓米同盟の枠組みで協力できるという認識を示したのだ。
朝米対話再開を決める要因とされる8月の共同軍事演習についても、「実際の演習のほうが仮想演習より望ましい」とし、できれば野外演習を行いたいという立場を明確にした。ラカメラ司令官の発言が米政府の公式見解となれば、文在寅(ムン・ジェイン)大統領の任期内の朝米対話は困難になり、台湾を含む東シナ海で米中が偶発的に衝突した場合、韓国が巻き込まれる危険性も高まる。しかし、ラカメラ司令官は実機動演習の方が望ましいとしながらも、「(野外での韓米合同演習は)潜在的な交渉カードということは承知している」と述べ、様々な外交的解決策の可能性を残した。
ラカメラ司令官が言及した在韓米軍の戦略的柔軟性については、盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権時代の2006年1月、韓米政府間に合意が成立した。当時も韓国政府は米国から「韓国が韓国人の意志と関係なく北東アジア地域紛争に介入することはないという韓国の立場を尊重する」という了解を得た。それから15年の時間が流れ、米中対決が深化する中、再び米国の圧力が始まったわけだ。しかし、ラカメラ司令官が「外交的交渉カード」への扉を開いており、米国の圧迫は直ちに表面化することはないものとみられる。
注目すべきは日本の例だ。日本は2014~2015年に「集団的自衛権を行使する」という安倍晋三前首相の決断で、米日同盟を「グローバル同盟」として地位と役割を強化し、2018年と2019年、軽空母の「かが」と「いずも」を南シナ海に派遣し、米国と合同訓練を行うなど、中国牽制の動きを加速化している。さらに日本は先月16日の米日首脳会談直後に公開した共同宣言文で「台湾海峡の平和と安定の重要性を強調する」とし、52年ぶりに台湾を明記して、中国の激しい反発を招いた。竹内行夫元外務事務次官は朝日新聞とのインタビューで、日本はすでに「ルビコン川を渡った」と評した。
米国は、韓米同盟だけでなく、韓米日の三角同盟の枠組みを通じて韓国の軍事的役割を徐々に増やしていく考えだ。同日の人事聴聞会に出席した米上院議員らも、中国牽制のための韓米日軍事協力などについて質問が相次いだ。米国の著名な安全保障シンクタンクである戦略国際問題研究所(CSIS)も3月22日に発表した「韓米同盟に関する提言(CSIS Commission on the Korean Peninsula: Recommendations for the U.S.-Korea Alliance)」で、「韓米同盟が役割を増やし、より大きな国際的貢献をすべきだ」と主張し、18日にはチェ・ジョンヒョン学術院とともに発表した報告書でも、韓米両国が「朝鮮半島を越えた地域的なレベルで優先順位を共に確立すべきだ」と主張した。
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