韓米は同日、江原道鉄原三栗里(チョルウォン・サミュルリ)のダムト射撃場で前日に続き、多連装ロケット発射システム(MLRS)訓練を行った。韓米は2日間、多連装ロケット57発を撃ったという。

2022-12-08 09:22:39 | 韓米軍事同盟は?
 

南北の熾烈な「舌戦」…互いの砲射撃を「挑発」と主張

登録:2022-12-07 06:46 修正:2022-12-07 07:48
 
1日2~3回の立場表明で世論戦
 
 
北朝鮮の金正恩国務委員長は9月25日から10月9日にかけて、北朝鮮軍戦術核運用部隊や長距離砲兵部隊などの訓練を視察した。写真は当時の放射砲訓練の様子/朝鮮中央通信・聯合ニュース

 南北は5日から2日連続で砲射撃を行う一方、互いの砲射撃を「挑発」と主張し、即刻中止を求めた。韓国は国防部担当記者らに3回(北朝鮮軍砲射撃状況に関するショートメールの告知2回と、国防部の立場発表)にわたり状況と主張を伝えており、北朝鮮は総参謀部報道官発表を2回行った。韓米は同日、江原道鉄原三栗里(チョルウォン・サミュルリ)のダムト射撃場で前日に続き、多連装ロケット発射システム(MLRS)訓練を行った。韓米は2日間、多連装ロケット57発を撃ったという。

 合同参謀本部によると、北朝鮮は同日午前10時頃から江原道高城郡(コソングン)一帯から東海上に約90発、午後6時頃から江原道金剛郡(クムガングン)一帯から東海上に約10発の放射砲を発射した。北朝鮮は前日に続き2日連続で放射砲射撃を行い、同日も「敵側で発生した挑発的軍事行動に対応したもの」だと主張した。

 北朝鮮軍総参謀部は午前、報道官の発表を通じて「昨日(5日)に続き、今日9時15分頃から敵が再び戦線近接一帯で放射砲と曲射砲を射撃する情況が見られた」とし、「前線砲兵区分隊に直ちに強力対応をする警告を目的とした海上実弾砲射撃を断行するよう命令した」と明らかにした。さらに「敵側は戦線近接地帯で挑発的な軍事行動を直ちに中断すべきだ」と主張した。

 これに対し、合同参謀本部は同日午後5時34分と午後7時33分、担当記者団にショートメールを送り、「(北朝鮮の放射砲)砲弾が落ちた場所は(9・19南北軍事合意で砲射撃が禁止された)北方限界線(NLL)以北の海上緩衝区域(北朝鮮の海)」だと説明した。合同参謀本部は「東海上の緩衝区域への相次ぐ砲兵射撃は明白な『9・19軍事合意違反』であり、直ちに中止することを強く要求」した。

 国防部も同日午後8時2分頃、「国防部の立場」を発表し、「現在進行中の韓米合同砲兵射撃訓練は、『9・19軍事合意』に基づいて砲兵射撃訓練が中止された地上緩衝区域(軍事境界線以南5キロメートル)の外で実施された正常な訓練だ」としたうえで「北朝鮮側が韓米の正常な訓練を不当に非難し、むしろ『9・19軍事合意』に違反する海上砲射撃を繰り返す行為は決して容認できない」と明らかにした。さらに「北朝鮮側の一方的で持続的な『9・19軍事合意』違反でもたらされる結果について、北朝鮮にすべての責任があることを厳重に警告する」と述べた。

 北朝鮮軍総参謀部報道官は同日午後8時頃、北朝鮮官営の「朝鮮中央通信」を通じて発表を行い、「前線近接地域における敵の砲射撃挑発に対する対応および警告目的の一環として、82発の放射砲弾を8時間30分にわたって海上に向かって射撃した」とし、「これは敵の計画された陰険な挑発の試みに対するわが軍の対応および警告を目的とする軍事行動だったことを明確にする」と主張した。また「わが軍は前線近隣地帯で刺激的な軍事行動を直ちに中止するよう、敵側にもう一度厳重に警告する」と付け加えた。

 総参謀部報道官は「敵は意図的に数十発の放射砲弾射撃を肉眼監視が可能な前線一帯の射撃場で行い、我々のやむを得ない対応を誘発させた後、『9・19南北軍事分野合意』に対する『違反』という常套的な詭弁を並べ、我々に責任を転嫁しようとしている」と述べた。さらに「9・19北南軍事分野合意に対する違反を論じるならば、敵が過去に行った合意違反行為からまず振り返らなければならない」と明らかにした。

 南北が相手の軍事行動を挑発と主張し、状況悪化の責任を転嫁していることから、南北の間でしばらく互いに「対抗」するための軍事行動が続くものとみられる。

クォン・ヒョクチョル記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

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