2023年6月6日(火)
「日本は未解決の敵意」抱える
シンガポール国防相 歴史問題で指摘
アジア安保会議
【ハノイ=面川誠】シンガポールのウン・エンヘン国防相は4日、同国で開かれたアジア安全保障会議(通称シャングリラ会合)で、日本は歴史問題で近隣諸国との間で「未解決の敵意」を抱えていると指摘しました。岸田政権による大規模な軍事力強化については、周辺国を「安心させる行動」が必要だと述べ、日本政府の説明不足に懸念を示しました。
ウン氏はドイツと日本を比較して、「東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟国とアジアには、日本に対して第2次世界大戦後に(ドイツと)同様の清算がないという感覚が残っている」と指摘。日本が取るべき行動について、「最大の課題は中国との関係を改善すること」だと強調し、「軍事力強化に関して(周辺国を)安心させること」と「多国間協議の場に参加し続けること」も求めました。
ウン氏は「私は南シナ海より北東アジアを心配している」と述べました。南シナ海では主権争いが続く一方で、緊張緩和と紛争防止のための話し合いが続いていると強調。一方で「北東アジアには中国、日本、韓国という大国があり、事実上の核保有国である北朝鮮がある」と述べ、大規模な軍事衝突の危険性を懸念しました。
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