韓国統一部
「北朝鮮の核実験場周辺に住んでいた脱北者に放射能汚染なし」
統一部は29日、咸鏡北道吉州郡(キルジュグン)など北朝鮮の核実験場周辺の8市郡地域に居住したことのある北朝鮮離脱住民(脱北者)80人を対象に、「放射線被ばく、放射能汚染」の有無を調べた結果、「有意な水準の放射能汚染はないと判断される」という分析結果が出たと発表した。北朝鮮の核実験による被ばくや汚染事例が確認されていないという意味だ。
統一部は同日、南北ハナ財団とともに「韓国原子力医学院国家放射線非常診療センター」に依頼し検査した脱北者の「放射線被ばく、放射能汚染検査」の結果報告書を公開した。検査対象は北朝鮮の1回目の核実験(2006年10月9日)以降、核実験場付近の8つの市郡(吉州郡、花台郡、金策市、明澗郡、明川郡、漁浪郡、端川市、白岩郡)に居住したことのある脱北者80人。
韓国原子力医学院は脱北者80人を対象に、放射能汚染検査と放射線被ばく測定(生物学的線量評価)を行った。韓国原子力医学院は、放射能汚染検査では「有意な結果を示した被検者はいなかった」と明らかにした。放射線被ばく測定では、一部で「最小検出限界」以上が報告されたが、「脱北後の交絡変数、医療放射線被ばくなどによるもの」とみられ、「脱北時点以前の放射線被ばくとは無関係な結果である可能性が高い」と判断された。原子力医学院の関係者は「これらの染色体異常検査の測定値は医療用の放射線被ばくとしても出る可能性がある範囲にあり、この値だけで、彼らが核実験被ばくで染色体異常が生じたと判断するには根拠が足りない」と説明した。
北朝鮮の核実験場周辺地域に住んでいた人々の放射線被ばくの有無をめぐる社会的な関心は、脱北者関連団体「SAND南北コリア研究所」が2016年11月に脱北者5人の被ばく検査結果を発表したことを機に国会などで高まり、統一部が2017年と2018年に2回にわたり脱北者の被ばく検査を非公開で行った。
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