韓国キリスト教教会協議会(教会協、NCCK)は17日、「教会が韓国社会を深刻な危険に陥れた」という謝罪文をイ・ホンジョン総務の名義で発表した。

2020-08-20 06:25:15 | いったいどうしていたのか?
韓国の教会たち、
新型コロナ第2次拡散の発信源とされるチョン牧師と「線引き」

登録:2020-08-19 02:22 修正:2020-08-19 09:31


サラン第一教会が新型コロナの第2次大流行の震源地と名指しされると 
プロテスタント教団、先を争い声明発表「分離」政策に乗り出す 
7月10日の政府による会合禁止に反発したのとは対照的 

          
「チョン・グァンフンだけでなく感染者激増教会とは無関係」線引き
17日、新型コロナ確定判定を受けたチョン・グァンフン牧師が、城北区保健所の車両への移動中にマスクを下ろして電話している/聯合ニュース

          

 チョン・グァンフン牧師が設立したサラン第一教会に関係する新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染者が400人を超えるなど、プロテスタントが「新型コロナ第2次大流行」の震源地として浮上したことから、プロテスタント教会は一斉に低姿勢を取り始めた。今年2月、大邱(テグ)での新天地イエス教会から発した大流行では「新天地はプロテスタント教会とは全く別の異端」として責任を逃れていたプロテスタント教会は、教会から発する感染者が急増し、国民的な怒りを買ったことで態度を変えつつある。政府は「社会的距離措置(ソーシャル・ディスタンシング)」をレベル2へと引き上げ、オンライン礼拝のみを認めることとしたが、汝矣島(ヨイド)純福音教会、所望教会、永楽教会、オンヌリ教会などの代表的な大規模教会は18日、先手を打って政府の公式発表前に自らオンライン礼拝への転換を打ち出した。

 プロテスタント教会は、政府が「教会を中心としてCOVID-19が拡散している」とし、先月10日に教会の小規模会合を禁止した際には「憲法が保障する宗教の自由を侵害する」と強く反発したが、今回は態度を180度転換した。当時は、保守的な韓国教会連合(韓教連)や韓国キリスト教牧会者協議会だけでなく、30の会員教団の連合体である韓国教会総連合(韓教総)も「撤回しない場合、法的に対応する」と政府に迫った。彼らの主導により、大統領府請願掲示板には、小規模会合禁止措置の取り消しを求める請願が登場し、プロテスタント信者約42万人が署名した。その結果、政府は2週間後の先月24日に同措置を撤回した。しかしその後、サラン第一教会の他にも京畿道龍仁(ヨンイン)のウリ第一教会、高陽(コヤン)のキップム153教会、盤石教会、ソウル陽川区(ヤンチョング)のトェセギム教会、京畿道金浦(キンポ)のチュニメセム教会などを通じた感染者が急増したことで、政府の憂慮は現実のものとなった。

       

        チョン・グァンフン牧師/聯合ニュース

 すると韓国キリスト教教会協議会(教会協、NCCK)は17日、「教会が韓国社会を深刻な危険に陥れた」という謝罪文をイ・ホンジョン総務の名義で発表した。進歩派の教会協は政府の防疫指針に協力的だったため、こうした謝罪は特別なものではないが、中道・保守団体の態度の変化は注目に値する。

 特に目につくのは、一時はそれなりに共生してきたチョン・グァンフン牧師およびサラン第一教会と「距離を取った」ことだ。チョン牧師が所属する韓国基督教総連合会(韓基総)が、大半の教団の脱退により有名無実化している中、韓基総に代わる連合機関として登場した韓教総は18日に声明を出し、「チョン牧師のサラン第一教会は、本来の宗教活動を超えて政治集団化している」とし「早急に教会本来の姿に戻り、COVID-19検診と防疫に協力せよ」と要求した。韓国キリスト教牧会者協議会はさらに一歩踏み込んでいる。同協議会は同日の声明で「社会的な怒りを買っているチョン牧師に対し、より確実な処分を求める」とし、チョン牧師の処罰要求の先頭に立った。同協議会は「昨年8月、長老会統合、合同、白石、高神、合神、メソジスト、聖潔、バプテストなど主要8教団の異端対策委員長協議会は、主な公教団に対し、チョン牧師を『異端擁護者』とみなすよう要請しており、(チョン牧師の)以前の所属教団である大韓イエス教長老会総会、白石大神教団はチョン牧師を免職処分としているが、処分以前に独立の教団を作って出て行ったため、除名処分を下している」と言及した。さらに「神聖な福音を理念に従属させ、教会を政治集団へと転落させたチョン氏に対し、今年9月に予定される主要公教団総会において、相応の措置を下すことを強く求める」と述べた。

 キリスト教大韓聖潔教会やナザレ聖潔教会、イエス教大韓聖潔教会などから成る聖潔教会連合会も同日、共同声明を出し、チョン・グァンフン牧師に対する公教団の確実な措置を求めた。このようなプロテスタント教会の態度の変化は、韓国の教会に対する国民的な非難が集中したことから、チョン牧師を異端とし「我々はチョン牧師や韓基総とは違う」と、先を争って差別化を図っているとみることができる。

      

今月15日午後、ソウル鍾路区の東和免税店前で開かれた政府および与党を糾弾する集会で、サラン第一教会のチョン・グァンフン牧師が発言している/聯合ニュース

 韓教総の幹部を務めるある牧師は「チョン牧師が代表(現在は職務停止状態)を務める韓基総は、異端牧師を合流させ、政治屋や商売人のような行動で一貫しており、既存の教団がほとんど脱退して、現在は韓国の信者の3%にも満たないほど代表性を喪失した状態であるにもかかわらず、チョン牧師が韓国の教会を代表するかのような振る舞いをすることで、その疑いを韓国の教会全体が被ることは無念な部分が大きい」と述べた。続いて「韓教総や地域教団連合体に所属する教会のほとんどは、政府の防疫指針を徹底的に守っているが、現在感染者を量産している教会は、他の教団や政府の協力要請にも応じないケースが多い」と付け加えた。チョン牧師のサラン第一教会などは、政府の防疫指針を完全に無視してきており、126人の累計感染者を量産した龍仁のウリ第一教会も、京畿道キリスト教総連合会や龍仁キリスト教連合会に加入せず、独自に行動する教会だという。

 一言でいえば、プロテスタントの主流派教団と連合機関が、国民的な怒りから逃れるためにチョン牧師を異端と規定し、「分離」に乗り出したかたちだ。教会のこのような動きが、国民の信頼を回復する契機となるか注目される。
チョ・ヒョン宗教専門記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
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