どこ吹く風

旅のことを主に書く。

ゲンミ峠からハイキングで

2009年08月11日 09時11分54秒 | チロル~シャモニ
 壁に Berg Hotel Wildstrubel と小屋(ホテル)の名前が書かれている。何と発音するのでしょうか。靴をスリッパに履き替えるようにと靴保管部屋があった、冬季の靴乾燥用器具もある、山靴では床が傷付くので履き替えさせるのだろう。螺旋階段の周りに部屋があるのだが、グルグル回っているうちに自分が何階にいるのか分からなくなる。それに部屋を数字ではなく花とか山の名前で表示しているので、自分の部屋に戻るのに大いに戸惑った。

 窓からは近くの山遠くに連なる山々見える、夕日に映えるマッターホルンは遠目だがきれいだった。と思ったら違う山(Weissh 4478m)でした。朝パノラマ写真と照合して気づきました。
夕食はポテトとカボチャのスープから始まり、サラダはバイキングスタイルで好きな野菜を自分で皿に盛り、メインはチキンで付き合せのトマトの詰め物がいける、〆はアイスクリームというフルコース、もちろんビールも頼んだ。
二段ベッドが3台計6人部屋だが新しく清潔で、フルコースの食事付きの宿代が220.5フラン/3人は満足できる料金だ。山小屋のこういうところが好きだ。

 峠道の脇にカモシカ(?)がいる。8時40分カンデルシュテーク目指して出発した。ベルナーオーバーランドのフェルストまで行く予定。
標高2350mの峠はこの時間冷たく寒いほどだ。ルートは緩やかな下りである、本来なら逆に歩きロイカバートに泊まり温泉で疲れを癒すべきだろう。でも上り坂を歩くのはイヤなのでわざわざ逆コースにしたのだ。

 快適・快調に小さな湖沿いに歩く。自転車で上がってくる人たちもいる、崖っぷちの峠道を下るのだろうか。ハイカーの一団が来る、姿・格好からニッポン人に違いない。すれ違うとき挨拶すると”初めて日本人に会った。”と言う。ミューレンからロイカバートまでを3日かけて歩いているそうだ。私と同じ年配の皆さんである、ガイド(ニッポン人)付きとはいえ3日間も歩き続けるなんてスゴイ!

 「私たちはこれからフェルストまで行く予定です。」と言うと凄いとの声。それで「いえ、汽車で行きます。」ハイカーの皆さんはきっとロイカバートの温泉が楽しみでしょう。

 湖から離れ谷が狭くなったところにポツンと建っているHotel Schwarenbach が見えた。そこの名物らしい杏パイを食べながらひと休み、WCを借りたお礼の意もある。石造りの古い建物で、その昔は峠越えの中継点だったのだろう。歩き始めて1時間半経っている。

 11時35分 Sunnbuel(1880m)のロープウェイに着いた。早めだが山菜おこわにチーズのランチにする。ニッポン人夫婦に会う、ロイカバートを拠点に動いているとのこと。スイスでは田舎・僻地へ行ってもニッポン人と出会う、それほどスイス好きなのだろう。もちろん私もスイス好きの一人です。
ロープウェイは10分で下まで降りた、3人で31.5フラン也。カンデルシュテークへのバスは出たばかりで30分以上の待ち時間となるので歩くことにした。静かな村で青少年のキャンプ場があり子供たちが大勢飛び跳ねていた。

 4カンデルシュテークまで40分歩いた。途中通過していく汽車を見ると車が積まれている。車をBrigまで運んでいるカートレインだった。駅前の広場では乗馬大会が開かれていて、乗馬スタイルに身を包んだ人が見える。馬の運搬車もあり、参加者や大勢の見物人で賑わっていた。

 13時12分カンデルシュテークを発ち、13時50分にスピッツに着く。トゥーン湖を遊覧しながらインターラーケンへ行きたかったけど、フェルストへのロープウェイの最終時間に間に合うかどうか微妙な時間だったので諦めて汽車に乗った。
14時05分Spiezを発ち、湖を眺めているうちに14時28分にはもうInterlakenに着いた。

 14時35分発のグリンデルワルド行きに乗り15時10分に着いた。明日のシーニゲプラッテのクルムホテルを公衆電話から予約し、Coopで買物を済ませて16時10分フェルストへのロープウェイに乗る。
アイガーがぐんぐん迫ってくる、何度見ても胸が高鳴る北壁だ。クライネ・シャイデックにグローセ・シャイデック、メンリッフェンさらに周囲の山々、フェルスト(2200m)からの眺めはいい。

 16時30分チェックインをして部屋へ

写真はゲンミ峠から、山あいの温泉リゾートで有名なロイカーバート

シャモニーからゲンミ峠へ

2009年08月10日 07時11分11秒 | チロル~シャモニ
 エギュー・ド・ミディから9時前にホテルに戻り朝食をとる。温かいコーヒーが美味しい。今日はゲンミ峠まで行く予定だが、その前にモンタンヴエールまで氷河見物に出かけた。
チェックアウトして荷物は預ってもらい、国鉄駅の裏の登山電車駅から10時15分に赤い小さな電車に乗る。木の座席は勾配がついているは上り坂に入るとすわり心地が良くなるのだろう。林の中を20分ほど上っていく、天気がいいのでドリュ針峰群まできれいに見えた。氷河まで行くためにゴンドラに乗る、降りた処から階段や桟道をけっこうな距離を歩かねばならない。ここも氷河の後退の影響を受けている。氷河トンネルも新たに掘られたものだった。

 12時10分シャモニーに戻る。シャモニーパスを返却すると1枚につき3ユーロの戻しがあった。カードそのものの代金なのか。スーパーCASINOで昼食の品々とビールを買って駅に向かった、シャモニーでの目的は果たせたのでお別れとなる。
 13時16分VALLORCINE行きに乗る、来た道を戻ることになる。国境の駅でスイスの電車に乗り換える、一人旅のオッチャンが隣の席にいたので旅の話をする。
マルティニに14時55分に着いて、15時08分発ブリグ方面行きに乗り換えた。ゲンミ峠への玄関口のロイクには15時41分着いた。ライゼゲペックというシステムでロイクからチューリッヒ空港駅までスーツケースを送る。1個10フランで計30スイスフラン支払う、セーバパスを持っているので半額料金である。

 ロイカーバートへはポストバスに乗る。ここでも峠道をぐんぐん上っていく。30分で着いた、しかしゲンミ峠に上るロープウェイの最終便が迫っているので街を見る余裕はない、乗場へ急ぐ。15分歩いたが上り坂で息が切れるも堪えて必死に歩いた。時間に間に合いホッとすると疲れが出た。周りの景色に目をやる余裕が出たところで正面の崖をみると道らしきものが見える。垂直の崖を削ったよう見えるがあれがルートなのか疑問に思えるほどだ。
これまで峠を数多く通ってきたけど、この峠ほど険しい所は無かった。あの崖を見ただけで歩いて上ろうという気が失せる。ロープウェイから見るとなお更歩く気が無くなる峠道だった。最大譲って下りならいいかな。一人5フランの料金で楽して上がった。
昔の旅人の上がりきった時の喜びを想像できる。

 ゲンミ峠の小屋は建て替えたのか全てが新しく気持がいい。部屋には二段ベッドが並びバストイレは共用、シャワーは1フラン硬貨を投入すると3分間お湯が出る。裸になってからその仕組みに気づき1フラン硬貨を得る為にフロントまで行った。
浴びている途中でシャワーをストップすることができるので、3分間という時間は有り余るほどであった。

考えてみると今日もよく動きました。朝早くからエギュードミディに登り、モンタンヴェールまで行ってメール・ド・グラス氷河に掘られたトンネルで色鮮やにライトアップされた氷の彫刻を見て、その後ここゲンミ峠まで移動してきた。
遙か彼方に見えるマッターホルンを見ながら一日を振り返った。

写真はロープウェイから撮った峠の道です。

エギュー・ド・ミディ

2009年08月09日 08時20分58秒 | チロル~シャモニ
 エルブロンネへのキャビンによる氷上散歩を終えて、今度はエギュードミディの展望台に上がろうとしたらエレベーターは運休している。それに朝は晴れていたけど太陽が昇るに連れて雲や霞がでてきてモンブランも見え隠れするようになった。
やはり山は朝の空気が落ち着いた時間に見るべきだ。

 それでもう一度朝方に来ることにした。ロープウェイは6時半から動いているとのこと。知らなかった、もっと早く確認しておくべきだった。
そこで今朝は(2009.7.10)早起きして6時30分のロープウェイに乗った。ザイルを持ったクライマーが何組もいる。2日間のシャモニーパスを持っているので、高いロープウェイ料金を気にせずもう一度上る気になったのだ。これで元は取ったという感じ。

 ロープウェイを下りると風が強くとても寒い、雪が風に煽られて地吹雪状態になっている。あまりの寒さにトンネルから外へ出るのに勇気を搾り出す必要があるほどだ。意を決して橋を渡たり急いで展望台へ行く。晴れて冷たい空気の中にモンブランを始め山々が遠くまでくっきりと見える。山をチラッとみて物陰に身を隠しサムイ~、また見に出て直ぐ引っ込んで寒い~を連発する。

 もう一段上の展望台まで上がると東のほうにマッターホルンが見えた。目の下の雪は相変わらず風に煽られて舞い上がっている。手はかじかんでいるけど手袋は無い、家族連れで上がってきた女の子は靴下を手袋代わりにはめている。いい考えだ、そこまでは気がつかなかった。

 寒いので下りようと言われるも立ち去るには惜しい、何度も何度もマッターホルンが見える場所まで往復するために階段室のドアを開けたり閉めたりした。吹き曝しの展望台でマッターホルンを見るのは寒さに耐える意志力が必要だった。これほど苦労して眺めるマッターホルンだが、その姿は小さい。しかしあの形はマッターホルンだ、表示板で確認したので間違いない。クライネマッターホルンからみた姿を裏返した形に見える。小さいとはいえカチッとしている。やはりマッターホルンだ。

 目の下にはテントが何張か見える、真っ白な雪にオレンジ色のテントが映えている。手前の雪稜を歩いている人たちがいる、何処を登るのだろうかと思いを馳せようとするも寒さがそれを妨げる。

 モンブランは階段室をでた脇から見える、しかし外へ出ることに変わりは無い、ただ近いだけ。寒さを堪えて斜面に陽が射す様子を見ていると眼下の雲にブロッケンが出ている。手を振って自分の姿を確認する。何十年ぶりのブロッケンだろうか、三の窓、鹿島槍以来だ。

 エルブロンネへのキャビンが動くのを待っている人がいる、遠くまで澄み切っているので素晴らしい景色だろう。しかし寒さが身に滲みているので乗ろうという気にはならない。
8時15分にロープウェイに乗って下りた。

 エギュー・ド・ミディは早朝登って堪能すべし、ただし防寒対策をお忘れなく。

写真:マッターホルンが小さく写っている。

シャモニーの郷土料理店

2009年08月08日 10時15分01秒 | チロル~シャモニ
 ミニ列車でチーズ店の前に来たとき郷土料理の説明があった。様々な種類のこれまた大きさもいろいろなチーズが並んでいるのが外からでも見える。郷土料理はこれらのチーズを料理に合わせて使うのだろう。郷土料理とはどのような料理なのだろうか。せっかくだからとホテルでシャモニの郷土料理について尋ねるたら、近くの店を紹介してくれた。

 レストランは近くにあるようで”ホテルを出て右に曲がり真っ直ぐ行くと駐車場がある、そこのレストランだ。”と口頭での説明があった。たしかに直ぐ近くだった、改めて”Panoramio”で調べてみました。レストランもちゃんと写っています。
http://www.worldmapfinder.com/Map_Panoramio.php?ID=/Jp/Europe/France/Chamonix

料理単価が安いのでお勧めです。場所を分かり易く(?)詳しく説明します。とはいえシャモニーに詳しくない私ですので地図を見ながらの説明です。足りない分は各人の創造力で補ってください。

まずChamonix Train station の正面の道 Avenue Michel Croz を100mほど行くと右手に Pointe Isabelle ホテルがある。(このホテルも個人旅行者には便利で料金も手ごろです。)そこを右に曲がると 小さな公園になっている。 Place du Poilu と地図に表記されている、そこと Rue Whymper に挟まれたところが公園風になっていて誰かの銅像もあった。
Rue Whymper を100mちょっと歩けば大通りに出てロータリーになっていて左側が Avenue du Mont Blanc 右側が Avenue dCachat le Geant と地図に書かれています。

 公園の先は駐車場となっており、その駐車場側にレストランの入口があります。
この説明でお分かりでしょうか。ロータリーからウィンパー通りに入って直ぐ左の建物です。
レストランの名前を勘定書きの伝票から転記します。

「LE FER A CEVAL」 CAFE RESTRANT 74400 CHAMONIX TEL 04.50.53.80.20
そこでの夕食は、これまた伝票から

2 DEMI 1664 6.00
1 SERIEUX 1664 5.80
1 CROUT DU FER A CHRVAL 14.00
1 FONDUE SAVOYRDE 16.00
1 PERA 16.00
S/TOTAL 57.80

でした。量も質も充分満足できた、ビール2杯と水も入っていますが、ボトルでとったにせよビールよりも水が高かった。他にもいろいろなメニューがあり、値段もこの程度なのがお勧めする最大の理由です。
写真では同じように見えるが中に入っているものが違います。フォンジュもスイスよりアルコール分が少なくニッポン人の口に合うでしょう。

 宿の女将さんは私たちを観察した結果、この店を紹介したのだろうか、もしそうなら人を見る目がある。(笑)

エルブロンネ

2009年08月07日 14時28分51秒 | チロル~シャモニ
 エルブロンネ(Helbronner)展望台は見逃したので今回はあのキャビンに乗って絶対渡るつもりだ。
3年前エギュー・ド・ミディでチケットを買おうとしたら持ち合わせの無いユーロしか使えず、その上カードも使えなかったので諦めた経緯がある。翌日乗ることにして町の銀行でユーロに両替したものの、天候不順でロープウェイが運休し結局乗れなかった。

 今年こそはと朝食後ロープウェイの駅に向かった。通りの様子が変わっている、街の改造をしたように思える。ゴチャゴチャしたところがスッキリしている。ロープウェイ乗り場周辺も整備され駅舎も広場も新しくなっていた。

 チケット売り場には行列ができていた、私たちはホテルでシャモニパスを購入してあったのでチケット売り場の列に並ばずロープウェイ乗り場の列に並んでいた。ところが其処に並んでいる皆さんは整理券を持っている。身振り手部振りで尋ねるとチケット売り場でキップ購入と同時にもらったようだ。そこでチケット売り場に並びなおす。
シャモニパスは2日券一人はシニア料金で160ユーロ也。

 結局9時にホテルを出たもののロープウェイに乗ったのは10時15分になっていた。観光客が多い所為もあるけど判断ミスが大きかった。もっと早めに行動を起こすべきだった。それに時間とともに雲も出てきたようだ。中間駅で乗り換えてエギュー・ド・ミディ展望台に着いたのは10時38分、すぐエルブロンネ行きのキャビン乗場へ向かう。

 そこも大勢の観光客が並んでいる。キャビンは4人乗りの小さなゴンドラで、3台一組で運行している。駅で客が乗降する時は一時ストップする、当然途中のゴンドラも停まることになり氷河の上でひと休みすることになる。途中何回か停まり、周囲の景色を眺める時間がとれる。
 
 20分ほど揺られてイタリア側のエルブロンネンに着いた。ゴンドラから見えた氷河に岩峰は奇態を裏切らなかった。白い雪に濃い紫の岩山青い空の色がそれぞれが自己主張している。太陽が温めた所為かガスが湧いてきたような感じがする。山はやはり空気が温められる前の時間が美しいようだ。

 エルブロンネに着くと帰りの時間を指定したものを渡された。つまり整理券を配っていた、1枚だけ次の便の券になっているので3枚同じ時間のが欲しいと言うと、そのままの券で問題無いといわれた、けっこうアバウトである。45分間のお楽しみ時間となっている。
外へ出ると一面の銀世界、エギュー・ド・ミディは岩峰の上に展望台があるので、クライマー以外の観光客が雪に接するのはむつかしい。しかしエルブロンネは雪・ユキ・ゆきの世界である。麓のほうを見ると青々とした牧草が広がっている、自分がいるところとのギャップが大きい、寒いのでそのように感じるのだろう。

せっかくだからと雪の原まで降りることにした、建物にはツララが下がり道は雪掻きがなされているもののすれ違いができない箇所もある。滑らないように注意しながら一面雪に覆われている場所まで行った。
エルブロンネの場所自体面白い所ではない、ゴンドラからの氷河・山々の眺めがいいのだ。氷上トレッキングを楽しんでいる人の行列が見える。
帰りのゴンドラに氷河トレッキングを終えた英国人と一緒になった。モンブランのピラミッドと呼ばれている岩山の説明をしてくれた。ヒマラヤへも行きたいという気持ちの良い若者だった。

 戻って岩の上の展望台に上がろうとしたらエレベーターは運行休止だという、理由は分からない。歩いて上る気もしないので降りることにした。中間駅では山菜おこわと生ハムやチーズで簡単なランチを済ませた。14時にシャモニ着いてオミヤゲ品屋を見て歩きながらホテルへ。
少し休憩を取り、15時40分ブレヴァンへ行く。20分ほど息を切らせながら坂道を登る。ようやくリフト乗場まで来ると施設が新しくなっている、支柱の鉄塔も新設したようだ。到着駅も同じく新築されていた。アルプスはリニューアルに力を入れているようだ。

 山頂息の大きなロープウェイに乗り換える。時間が時間なので最終便まで30分しか遊べない。エギュードミディが正面に見えるはずだが雲が低く垂れ込めて見えない。ドリュも同じく見えない。周囲が見えない展望台はつまらない。

 帰りに広場へ行くとミニ列車がある街を一周するというので乗ることにする。出発まで時間があったのでヒールを飲む、道行く人を眺めながら泡を舐める気分はサイコウ。ミニ列車は一人5ユーロで40分ほどかけてひと回りした。ニッポン人ツアー客も乗り込んだ。見どころの説明が流れるが日本語もあった、ツアー客へのサービスなのだろう。ニッポンの旅行社の力を見た気がした。

 時間がある方は乗ってみては如何、若干気恥ずかしさもあるけど楽しいものですよ。

シャモニへ

2009年08月06日 10時08分25秒 | チロル~シャモニ
 15時39分の汽車でシャモニ向けチェルマットを出発した。これまでの旅行よりも移動する時間が遅くなっている、慣れた所為もあるけど日暮れが遅く9時ごろも明るいので夜になって着いても何ら心配することが無い。

 渓谷を走る汽車を真っ白に輝くブライトホルンが送っているようだ、お別れだ次はいつ見れれるだろうか。シャモニへは乗換が多い、まず16時47分Visp駅ローザンヌ行きに乗り換える。ロイク(Leuk)ー数日後はここで降りることになるであろうーを通りシオン(Sion)の城跡・教会が見えた。ここのミニ列車で市内観光をしたこを思い出す、時間があればまた乗りたいものだ。缶ビールを飲んでいるうちに17時50分マーティニ(Martigny)に着く。この辺りはフランス語圏で前回はここマーティニで泊まった。たまたまワールドカップの準決勝戦の日で、フランスが勝ち真夜中まで大騒ぎの物音が聞こえてきた。乗り換え時間10分で電車はシャモニ向け出発した。

 山越えして千尋の谷を見下ろしながら電車は進む、集落が所々に出てきて対岸にも見える牧畜と林業で暮らしているのか。ハイカーが息せき切って乗り込んできた、走ってきたようで先に付いた人が電車を待たせたようだ、このようにのんびりしたところもいい。
Vallorcineという国境の駅でまた電車を乗換える、19時になっている。セーバパスがシャモニまで使えるのが嬉しい。トンネルを抜けると小さな村が次々と出てくる、シャモニパスを使って終点の La Tour までバスで行ったことがある。Argentiere ではロープウェイに乗りドリュ西壁を間近に見た。車窓からの風景を見ながら色々思い出す。

 電車の窓からシャモニの街に流れ込むかのごとく荒々しい氷河見えてきた。凄い迫力だ、あれがメールドグラスなのか。
19時33分着いた、ホテルは前回と同じ ポワン・イサベラ(Pointe Isabella)、二つ星となっているけど部屋も施設も申し分ない、駅を出て直進し6~7軒目にあり、2~3分で歩けるのがいい、荷物が気にならないほどの近さだ。エギュ・ド・ミディへのロープウェイ乗り場までは10分ほどかかるけど、他のホテルでも同じことだろう。繁華街へも2・3ブロックという感じだ。
ツアー客は泊まらないだろうけどニッポン人の個人旅行客は割りに多くお勧めのホテルです。3人部屋2泊、朝食付きで150.20ユーロでした。

朝シュワルツゼーを出て、スネガで3時間のハイキングを楽しみ、シャモニまで来れるとは地域が狭いこともあるが、旅慣れしてきたのも一因だろう。

 向いのCasinoというスーパーで生ハムやサラダ・ワインなどを25ユーロ分買って夕食とした。この店も8時半には閉店するので要注意というところ。
明日はシャモニに再度来た最大の目的エルブロンネまでテレキャビンに乗る予定だ。
 
写真説明:ホテルのベランダから撮った駅前通りーAvenue Michel Crozーです。緑のテントがスーパーで、通りの右端が人出で賑わう広場方向です

スネガ ハイキング

2009年08月05日 16時40分47秒 | チロル~シャモニ
 7月8日(水) 小屋の周りはガスって何も見えない。食事を済ませて8時40分ロープウェイで下る。チェルマットの横路に入ったり、店を覗いたり写真を撮ったりしながらのんびりとスネガへのケーブルカー駅に行く。

 ヘルンリ小屋にハイカーを案内してきたガイドにエーデルワイズの自生地を尋ねると、ここヘルンリ稜では知らないけど、スネガのハイキングコース脇なら知っていると教えてくれた。
そこでエーデルワイズを見に行こうということになり、スネガのハイキングとなった次第です。

 10時15分ケーブルカーに乗る。チェルマットースネガの往復とスネガーロートホルン片道キップで一人25フラン。スネガからの6人乗りロープウェイは建て替えられて新しくなっていた。どこの山小屋も改装して新しくなった感じがする、スイス観光年に合わせて施設のリフォームをしたようだ。

 30分でロートホルン山頂駅にきた。ゴルナグラードやシュワルツゼーはもとより、冷たく澄み切った空気の中にマッターホルンはその全貌を見せている。気温は1℃、1フラン硬貨を入れて望遠鏡を覗きヘルンリ小屋を見つけた、あそこまで歩いて上ったのだと感激を新たにする。

 11時15分ハイキング開始する。ヘルンリ小屋は初っ端から上りとなったがアレは特別で、私のハイキングは原則として下りルートである。歩き出して直ぐにルートが違うような気がしたので戻る。ロープウェイの下を横切るルートにした。岩場を登り雪渓で滑らないように気をつけながら歩く。どうも様子がおかしい、妻が尾根伝いのルートを発見する。展望もよく整備されているの間違いないだろうと快適に進んだ。

 マッターホルンの周辺に雲はあるものの山頂を隠すわけではない。素晴らしい展望を眺め、写真に収めながら見も心も軽く足取りは軽い。稜線を歩くのでマッターホルンはず~っと見える。
隣の尾根の中腹のルートを歩いている一団が見える。あのルートでは展望が良くないだろう。何を好き好んであそこを歩くのかと不思議に思う。昨日教えてもらったエーデルワイズの自生地を示す岩が出てきても良さそうだが・・・
ちょっと不安になったのでロープウェイ駅で手に入れたハイキングルートマップで確認すると、我々が歩いているルートは間違いで、エーデルワイスの自生地コースは隣の尾根のコースのようだ。

 ザンネン、エーデルワイスをあきらめた。展望が良く天気にも恵まれたので、これでヨシとしよう。隣の尾根の一団が休憩なのかエーデルワイスを見つけたのかルートから外れているのが見える。チョッピリ羨ましく思うも口には出さない。

 稜線のやや下りの楽しいルートが終り急な下り坂となった。ここを下りトラバース気味に行けばスネガに着く、と気楽に考えて下り始めたのが12時過ぎだった。ところがこのくだりの長いこと、イヤになってきた。しかしこの坂を上がってくるハイカーがいる。下りで文句を言うのはゼイタクだとハンセイするもなかなか下に着かない。

13時随分下ったけど隣のエーデルワイスのルートと交わる場所まではまだまだ下らねばならない。今日中にシャモニに入ろうと考えているので若干焦りだした。チェルマットからシャモニまでは4時間ほど掛かる。できるだけ早めに着きたい、そのためには早く下りたい。でも下りとはいえ九十九折のルートがイヤになるほど続いている。

 ようやく小さな集落のあるところまで下りきった、あとはダラダラ坂をスネガまで歩くだけ。14時05分スネガに着いた、足がクタクタになっている。毎時39分に汽車がでるが14時代には間に合わないだろうと腹を括り展望台レストランでビールを飲む。冷えたビールが内側からエネルギーに変換していくのを感じつつ味わった。

 トンネル式のケーブルカーでチェルマットに戻り、Coopで買物をして駅でスーツケースを受取り、15時39分の汽車に乗った。
スネガの稜線ハイキングとヘルンリ小屋までのハイキングのどちらも素晴らしいコースで達成感があった。

シュワルツゼー Schwarzsee

2009年08月04日 07時05分49秒 | チロル~シャモニ
 昨日のシュワルツゼーからヘルンリ小屋までのハイキングをする前にゴルナグラードへ行った。チェルマットからゴルナグラード往復のチケットは買ってあり、何日間有効か知らないが途中下車OKである。
7時33分の登山鉄道に乗るため朝食を急いで食べた。食事の内容も良いのでもう少し時間をかけて食べたかったけど、日程を考えると急がざるをえない。

 ゴルナグラードのクルムホテルは宿泊を断られた所為かよそよそしく感じる。天気は良く駅の温度計は2℃と表示されている、寒いはずだ。ガスを心配したけど360度のパノラマは素晴らしい。あたりの景色を眺めたり、写真を撮っているとガスが湧いてきた。
ヘルンリ小屋までハイキングする予定なので、8時43分の電車で下る。上がってきたばかりの電車の乗客は少なかったけど、すれ違った電車はほぼ満員だった。
リッフェルアルプからニッポン人ツアー客が大勢乗り込んできた。ここの高級リゾートホテルに一度は泊まってみたいものだ、と叶わぬ思いを持ちながらツアー客を見る。みなさん満足げな顔をしている。

 で、昨日書いたようにチェルマットに下り、その足でシュワルツゼーへ行きヘルンリ小屋までハイキングをした。シュワルゼー往復のゴンドラ料金23.5フラン/一人。

 足を引きづりながらハイキングは無事終了、シュワルゼーホテルに泊まった、宿代は343.5フラン、ビールを含む。3人部屋で、腰を屈めないと枕元に行けないほどの勾配がついた屋根裏部屋だった。それでも前回泊まった従業員部屋より眺めがいい。あそこは半地下室で高窓から羊が草を食んでいのが見えた。

 窓の外に置いて冷やしたビールで乾杯しシャワーを浴びた。ここの食事も美味しい、前菜もありメインの皿には豚肉・パスタとブロッコリー、ビールも付けた。
小窓からマッターホルンが見えるはずだが依然として雲の中、朝は霜が下りてテラスが真っ白になっていた。

 昨日のハイキング中ヘリコプターの音がうるさかった、2機で生コンをピストン往復して運んでいた。トロッケナー・シュテークまでリフトの増設(?)、新設(?)工事をしている、冬の開業を目指しているのか。

シュワルツゼーはいろいろ思いで多い地である。前述のように泊まる場所が無くて従業員部屋を空けてもらったり、池のほとりの小さな教会での結婚式がありお米を振掛けた。
最初ここは通過しただけだったが、泊まってみたい考えて翌年実現した。そのときちょっと上のケルンがある展望台まで歩るき、この次はヘルンリ小屋まで行きたいものだと考えたら、今年実現できた。こうしたいと思ったことが次々と成就できて嬉しい。
この次来たら何をしようか。
 
 また氷河急行で相席となったヨーロッパ周遊の女の子と出会ったり、オーロンゾ小屋で見かけた現地のツアーガイドを見かけて ”何処かで会いましたよね”とお互いが記憶を辿ったりと人との縁もあった。

 ここシュワルゼーの話ではないけど思い出したので書いておく。
チェルマットの駅で氷河急行乗車記念証をもらいスタンプを押そうとしたら添乗員らしき女性がお客全員分のを押す作業をしている。私たちをチラッと見て3枚ならお先にどうぞと言うてくれた。何処からいらしたのですか、と世間話を始めたらナンとウチナーンチュだった。宮里藍ちゃん似の顔立ちで、生まれ育ちはヤマトゥだけど両親は宜野湾と南風原ンチュなので純粋なウチナーンチュだ。
このような場所でウチナーンチュに会うとは・・・旅のひとコマとしてメモしておきます。

写真はヘルンリ稜からのシュワルツゼーホテル、右上にちょこっと見えるはずです。

ヘルンリ小屋までハイキング

2009年08月03日 06時52分54秒 | チロル~シャモニ
写真のヘルンリ小屋が見えるでしょうか。

 翌朝チェルマットはガスに包まれていて天気はハッキリしない。一番(7時33分)の鉄道でゴルナグラードまで上がるとマッターホルンにモンテローザがくっきりと見えた。30分ほどで下のガスが上がってきたのでチェルマットまで降りる、9時半になっていた。。

 シュワルゼーまでロープウェイに乗った。ヘルンリ小屋を往復する自信はなんとなくあった、しかし無理をしないためにシュワルツゼーのホテル(小屋?)を予約して不要な荷物を部屋に置く。

10:50出発、羊や山羊しか食べられないような短い草しか生えていないこんもりした丘を難なく登る。下から見えた小屋はリフトの大きい歯車が設置されている小屋である、避難小屋かと思っていた。ここまで45分、冷たく寒さを感じる。テントが二張あった、ロッククライマーのようだ。

この辺りは草で薄い緑に見えるが、ここから赤茶けた白馬杓子のような屋根型の尾根になる。頂上付近まで一気に上るルートがあり、鉄製の階段や岩壁に突き出したこれまた鉄製のルートが設置されている。そこを上ると裏側に回り込みトラバース気味のルートがあり所々雪渓が覆っている。ここに取っ付く頃雨が降り始めたので合羽を出す。上着だけで凌げるほどのチョボチョボだ。雨粒が落ちても濡れないのでよく見ると小さな霰のようでパチパチ弾く感じがする。手袋を持っていないので手がかじかむ。

 下界をみるとガスは無く見通しも良い。雲も3500m付近から上だけを覆っているので上空の雨が雪になっているのだろう。時折り雪が激しくなるも天候は前述のように雲が高く、ルートは整備されていて見間違うことは少ない。それに他のグループも見え隠れするし、後にも何組か上がってくる様子なので少々荒れても遭難することは無いだろうと判断した。ペースはあくまでゆっくりで追い越されること多数、追い抜きは無し。

12:35 小屋直下の稜線の取っ付きに来る。ヘルンリ稜は何処から始まるか定かでないけど、最後の上りを開始した。九十九折のルートは10mほどで折り返すので高度をぐんぐん稼げる。クライネマッターホルンを見たり、反対側の谷を見たりと繰り返えしながら見る景色が少しずつ違ってくる。高度を稼いでいる実感がした。

 私は高度に弱い、一歩一歩喘ぐように大きく息を吸い込む。手は冷たいけど身体全体は適度な体温が保たれていて快調だ。ようやく小屋のすぐ下に出る、もう一息、あと一歩、とうとう着いた。
やった~! 久しぶりに達成感を味わった。
取っ付きから1時間弱、登り始めて2時間45分よく歩けたものだと”ドゥふみー”
13:35の到着でした。

 昼食は山菜飯を持っていた、寒いので小屋でスープを注文して暖かい部屋で食べました。美味しいスープで下よりも安く6Frからある。ストーブには薪がくべられて赤々と燃えていた。明日登るのだろうかクライマーが何組もいた。

 約1時間の休憩で、14:40下り始めた。降りる準備をしていたらニッポンの中高年パーティが到着した。同年代に見えたけど皆さん元気いっぱい、日頃からあちらこちら歩いているのだろう。
我々より15分ほど遅れて出発しただろうにロープウェイ小屋で抜かれてしまった。シュワルゼーのロープウェイの最終時間が14:30なので急いで下山しているとのこと。

 私たちがシュワルゼーに着いたのは16:45、下り1時間半の標準タイムを大幅にオーバーし、疲れた筋肉をいたわりながらの到着となった。
思わぬ雪にもあったし、山々の景色も見れたし、何よりも目的地のヘルンリ小屋まで行けたので満足できるハイキングでした。

 下る途中にマッターホルンに挑戦するニッポンの若者(男女のパーティ)ですれ違った。あとで聞いたところ天候が悪く(岩に雪がついた)て中止になったとのこと。せっかく励ましの声をひと言かけたのにザンネンだ。

 ところでハイキングと登山の違いは何でしょうか。
登山とハイキングの垣根の線引きはむつかしい、ミューレンから出発し山を越えてカンデルシュテークに出て、ゲンミ峠を目指している中高年のハイカー達に会いました。3日がかりだそうです。ハイカーと書いたが本人たちに確認したわけではありません。ガイドが付いていて、○○山岳会とは思えなかったので勝手な推量です。
山岳会を名乗るグループが登ると登山、ハイキングのグループが山を歩いてもハイキングというところだと考えます、違いはそういう事ではないでしょうか。
私の場合は、物見遊山の一環でしょう。(笑)

注記: ーヘルンリ小屋とよく言われるが、実際にはほとんどの日本人はヘルンリ小屋ではなく、隣のホテルベルヴェデーレに泊まっている。ー
と書かれたサイトを見つけました。写真で確認すると私たちが休んだのはホテルで、小屋は隣の建物で壁に大きくヘルンリヒュッテと書かれていました。

サンモリッツと氷河急行

2009年08月02日 08時37分36秒 | チロル~シャモニ
 ムオッタス・ムラーユ(Muottas Muragl)のホテルにはへケーブルカーで上がる。始めて泊まったときは(2005年)ハーフチケットを提示したけど割引は無かった。二度目の時はホテルに泊まると告げると大幅な割引があった。今回は予約する時ホテル代に含まれるので駅員にその旨告げるように言われた。それで幾らになったか知らない。

 ードロミテのドライブ中のナビおよびホテルの予約は義妹が担当した。アバウト私と違って彼女は生真面目な性格なのでしっかり役目を果たした。文中に予約したとある場合主語は彼女です。ー

 ガイドブックによるとホテルの食事が美味しく、また眺めがいいのでディナー客が多いとある。ただ山小屋なので部屋の質は良くない、でも宿泊料は高い。
ホテルの裏山から眺めるサンモリッツは素晴らしい。ピッツネイルやディアヴォレッツアが三つの湖を挟んでいる。ホテル、湖、街並み、そのはるか遠くはソーリエだろうか。

 昼間雨が降ったとかで雲が垂れ込め湖の色が悪い、期待した青い空に紺碧の湖という風景が見れなかったのはザンネンだ。色は悪くても雄大な山なみには変わりなく、目の前に広がっているのはやはりサンモリッツの風景だ。

夕食は前菜、スープにメインと美味しいものでした。値段のほうはスープは三人違うものを頼み味見しあう、12,12,18スイスフラン。メインが34フラン、前菜もあったけどメインの料金に含まれているのか?。ビールを飲んで3人で160フランであった。ケーブルカーで一緒になったニッポンのツアー客もディナーを取りに来たようだ、近くの席にいた。
ホテル(山小屋?)料金は1室3人部屋で215フラン、バス・トイレは各フロアに共用として着いている。部屋代にはケーブルカー料金も含まれている。
一人当たり125フランで2食付と考えれば、こんなものかという感じです。
夕食後散歩に出たけど雨がポツポツ落ちるような天気だ、明日に期待しよう。

 氷河急行はサメダンを9時30分に出るので翌朝食事を急いで済ませて、8時10分始発のケーブルカーに乗り、バスでサメダンに着いたのが9時前であった。昨日予約した時あいにく一緒の席は取れないと気の毒そうに言われた。3名ともバラバラで同じ車両というのが救い。乗車すると席は空いている、クールから乗ってくるのだろう。
この路線のお目当てはランドヴァッサー橋、渓谷に入り右に左にと景色を眺めているうちにトンネルに入った。これを出るとその橋だと身構えると目の前に現れた橋は補修工事なのか真っ赤なシートで覆われている。乗客一同ため息とともに虚しい笑い声。

 案の定クールで大勢の客が乗ってきたので指定された席に座りなおす。若いニッポン人女性がいた、ひと月ほどヨーロッパを回っていて、ロンドンに入りロマンチック街道を通りスイスを見てイタリアから帰るとのこと。わたしの若い頃よりも行動力がある、チェルマットでは40フランの部屋をネットで見つけたそうだ。素泊まりで65フランと言われてセルマットの宿泊料は高いとの印象があり、チェルマットで泊まったことは無い、どうせ高い宿泊料金を払うなら山小屋が相対的に安いと考えそのようにしていた。探せば安宿もあるものだ、それでも景色の良い山小屋がいい。

 クールから川沿いに走り、山を登りそして下りアンデルマット、そこから・・・この路線は上り下りで何回か乗っているのでおおよその見当がつく。席がバラバラなので食事もとりにくい、ビールを飲んで腹を誤魔化す。
Vispから暫らく走ったところで真っ白な雪山が見えてきた、ブライトホルンだ。

 チェルマットではスーツケースを駅に預ける。コインロッカーに入れようとこのスーツケースからだと次のモノが入れ易いとか工夫していると、若者がこれらの荷物なら駅に預けたほうが安くつくだろうと言うので駅に預けることにした。
スーパーにより例の如くチーズやらビールを買う。

 18時00分ゴルナグラード鉄道でリッフェルベルグまで上がる。ゴルナグラード往復の切符が一人38フラン。途中の景色は天気の所為か期待したほどの感動は無い。駅まで迎えが来ているのかと思いきや人影なし。リュックだけなので良かった。ホテルまでの道は以前よりも整備されているとはいえ舗装はされていない。スーツケースを持ってならひと苦労するところだった。

 18時30分チェックイン、二食付きで357フラン/3人分。部屋からマッターホルンは見えない。廊下の窓から見ると雲がかかっている、サンモリッツもここも天候は今ひとつ優れない。

 ディナーはトマトにチーズとバジルオイルをかけたもの、ベーコンの香りのスープ、串刺しのバーベキューとここの料理は美味い。
山岳ホテルにしてはバスタブ付きなので身体を温めて寝ました。

写真はムオタス・ムラーユからの今年のサンモリッツ遠望です。

スイスへ

2009年08月01日 06時52分05秒 | チロル~シャモニ
 当初スイス入りの初日はインスブルックからアンデルマットまで強行し、翌日ポストバスでフルカ峠を越えてアンデルマットもしくはグリンデルワルドに入るという計画であった。
みなさんにスイスの何処へ行きたいかと意向確認したところ、ムオッタス・ムラーユ(Muottas Muragl) からサンモリッツ(St・Moritz) を眺めたい、それにゴルナグラード(Gornergrat) のクルムホテルに泊まりたいと言う。今回はサン・モリッツとチェルマットは省いていた、それがその両方に行きたいと言うので大幅な計画変更となった。

 8時16分発の汽車でインスブルックを発ち、8時55分ブレンナー(Brenner)に着いた。国境警備職員によるパスポート検査があった。30分以上乗換え時間があったので駅前に出ると市場があり野菜果物にハム専門店があった。サクランボを買った甘くて美味しい。
9時38分出発し、10時54分ドロミテ街道の入口ボルツアーノ(Bolzano)を通過し、11時44分メラーノ(Meran)に着いた。隣のホームからマルレス行きの電車が出発するところだった。(フィンシュガウ/ヴァル・ヴェノスタ鉄道というらしい。)乗務員にキップは中で買えるかどうか尋ねたが言葉がよく分からない。そうこうするうちに出てしまった。
窓口でチケットを買う、3人分で18.5ユーロだったが3で割れない金額だ、シニア料金なのかな?

 12時16分動き出した電車は路線自体が新しいようで施設・車両とも全てピカピカで気持ちがいい。車窓からの風景も良い。大理石の産地なのか切り出した石が沢山並んでいる駅もあった。
13時38分マルレス/マルス到着後直ぐ隣りのバス停留所に行く、懐かしいポストバスが見える。ここからはセーバパスが使えるのでキップを買う煩わしさがない。運転手にバリデーション(Validation 使用開始日の確認印)の検認印を押してもらいたかったが見ただけでOKと言う。
バリデーション無しのチケットで乗車すると罰金があるとのこと、ニッポンの販売先でも検印してもらえるけど手数料を取られるがイヤで頼まなかった。使用開始の検印はバスの終着チェルネッツ(Zernez)の駅で押してもらった。バリデーション無しのスイスパスでもポストバス乗車は問題無しです。

 バスはミュスタイア渓谷を通り、オーフェン峠を越える風光明媚な場所を通過するとのことであったが、つい寝てしまって見逃してしまった。
エンガディン=メランルートエクスプレスは幾つかあるポストバスの峠越えルートの一つです。印象に残ったのは出発間もない時に通過する村で、周囲が土塀に囲まれて入口出口はバスがギリギリ通る巾しかない。往時の村の守りを物語るものです、この次はこの村を散策したい。
ポストパスの旅もいい、前回は四つの峠を越えるルートに乗りました。

15時45分チェルネッツ着、寂しいところで駅周辺に目ぼしいものはなかった。16時8分サメダン(Samedan)向けに発ち、30分ほどで着く。駅で翌日のGlacierExpressの座席を予約し一人当たり30フランの追加料金を払う。
駅前でテレカを買いゴルナグラード クルムホテルの予約を入れるが満室で断られリッフェルベルグ(Riffelberg)に変更する。それからバスでムオッタス・ムラーユまで行きケーブルカーでホテルに上った。

シウシ高原 Siusi

2009年07月31日 10時08分27秒 | チロル~シャモニ
 今日は7月4日(2009年)でチロル・ドロミテの最終日である。
6月30日ザルツブルグをレンタカーで出発してから5日目となった。チロルとドロミテでそれぞれ2泊ずつする予定をグロスグロックナー山周辺で泊まるのを1日省いてドロミテを3泊にした判断は間違いではなかった。

 ドロミテの峠巡りにロープウェイでのピークからの展望を充分たのしんだ。これも今日で終わる、屋根裏の窓から目の前の置く夕の形をした山が明けていく様を見ながらこれまでの行程をふり返った。旅は日程の三分の一足らずを終えたに過ぎない。まだまだ先がある。

 今日はシウシ高原を見てインスブルックまで行く予定だ。9時08分峠のホテル出発して相変わらずの峠道・山道を太陽を背に走る、遙か遠くに雪を被ったスイスの山が見える。これまでのルートとは違い山が開けている、山々に囲まれた丘陵地帯で高原いう表現がピッタリの景色が広がっている。谷の向うに教会が見え牧草地に林が幾重にも広がっている。宿の主人から教えられたシウシへの分かれ道から見えた風景で、9時45分とそれほど走っていないけどもうシウシ高原の入口に来たのか。

 高原へは一度谷まで下り又上る、この程度の道はもう慣れた。狭い道路から新しい道に出て暫らく行くとロープウェイ駅に着いた、時間は10時半。
早速ロープウェイに乗る、往復一人13ユーロだがシニアは11ユーロ。15分で上の駅に着く、涼しい。リフトで更に上に上り散策した。お花畑のような牧草が一面咲いている、遠くには昨日通ったセラ山群やSassoPordoiが見える。実に気持ちの良い場所だ、事前に知っていたらここに泊まったであろう。

 観光客も多く、馬車から景色を楽しんでいる人も多い。シウシ高原と紹介されているだけあって、これまで回ったドロミテの峠からの風景とは違う。チロルに似ているけど違い、チロルの谷間を上のほうに引き上げた感じだ、やはり高原としか言いようが無い。(笑)

 13時30分出発シウシ出発、昼食は車を走らせながら例の如くパン・チーズ・ソーセージにチョコレートを食べる。村や街を抜けて14時35分R22号線の高速道路にのる。15時にはイタリア国境に来た、国境越えの審査かと思ったら料金徴収所だった、3.5ユーロ払う。
15分でブレンナー峠まできた、さらに走らせ15時30分またもや料金徴収所が出てきた。高速料金は掛からないとHertzの事務員の説明があったけど・・・聞き間違いか、それとも高速道路に種類があるのか。8ユーロ支払う。

 15時35分インスブルック出口で高速をおりる。5分ほどで市内に入り、とりあえずレンタカーの返却場所がある駅前へ行こうとした。キョロキョロしながら駅への道を探しながら交差点を曲がると直ぐに標識が目に付いた、内側車線には入り左折しなければならない。ところが私は外側車線を走っている、ちょっと慌ててブレーキを踏むと、ゴツンと追突された。相手はご夫人、盛んにドイツ語でナンやらしゃべるが全く分からない。

 とりあえず住所指名などをメモ帳に書いてもらい、レンタカー事務所まで同行してもらうことにして、その車の後を追う。しかし土曜日なので事務所は閉まっている、後日彼女が事務所に説明と処理をするという事で分かれた。
燃料を満タンで返すためにスタンドを探して給油する。セルフなので方法が分からず戸惑うが傍らにいた人が”まずは給油して表示された金額をコンビニ併設のレジで払う”というようなことを説明しているらしいのでそのようにした。
 14.3ユーロのディーゼルを給油し、ついでに駅前のホテルの所在地を教えてもらった。たったこれだけの給油でいろいろメンドウな話をしてもらったのでビールや水も買った。
 紹介されたホテルを探しチェックイン、160ユーロ。駅に近く私たちのような通過客には便利な場所だ。バスタブがあるので一応マークどおり四つ星としておきましょう。
車の中を空っぽにして満タンになった車を指定された駅前の駐車場に入れ、キーは事故顛末書(ナビ係がアタマを絞って書いた英文です)とともに郵便受けから投入した。

 その足で明日のスイス入りするためのチケットを買う。インスブルックからメラーノまで3人分で102.60ユーロ。ポストバスの発着場のマルレスまで行くのだが、メラーノからマルレスまでの区間がシステムの不具合で出てこないから、メラーノで買うように言われた。また国境のブレンナーで買うと安くなるとも言われたが、列車の待ち合わせ時間がどの程度あるのか分からないのでメラーノまでの通し切符を買った。

 夕食はこれまでの残り物処理ということで部屋で済ませた、それでもビールにワイン、サラミにチーズと内容は豊富だ。このメンバーの旅での食事はいつもこのような感じになる。
 チロル・ドロミテという大きな目標・目的が終わった、でもあと10日も残っている。腹いっぱい食べた後さらにメインディッシュが連続して出てくる感じだ。
これまでの旅程の組み立て方は間違っていなかった、大成功といえる。


マルモラーダ Marmolada

2009年07月30日 06時09分10秒 | チロル~シャモニ
 くどくどとドロミテのことを書いているけど、旅行した時の記録を残しておくのがこの場の目的です。私の記憶が薄れないうちに書き留めておきたい。その上ドロミテの印象があまりにも強かったのでスイスが色褪せたような気分になっている。
山の姿・形が他所とは違う。それにレンタカーで回ったことも大きいでしょう。海外で初めての運転だったのでなお更強く印象に残った。

 初めての地域に行くときは正確な地図よりもその地域の概念図が頭に入りやすい。出発前にそれを一生懸命探してようやく見つけたものが下記です。よくできている、感謝感謝

http://yoshiokan.5.pro.tok2.com/doro/map.html
ドロミテ本街道の概念図
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 マルモラーダはドロミテ最高峰で3342mの高さがあるとのこと。雪が被っているので美しい。出発前から近くで見たいと思っていた、目の前に聳えているけどガスッている。それでも近くまで寄りたいのでドライブすることにした。
ポルドイ峠からクネクネした道を下り脇道に入ろうとした。地図では一応黄色に塗られている道路だが昨日の事があるので本道に戻りもっとマシな道を選んだ。

 確信が持てる道に出たところで雨が降ってきた。グロスクロックナーといい、このマルモダーラといい雪の山に縁が無いようだ。雨の中を対向車に注意しながら登り、Passo Fedaia (フェダイア峠?)に来た16時35分になっている。雨なのでサッサと下りる。
今夜の宿泊地をまだ決めていない。例の如くプレシーズンだから空いているでしょう、と気にしない。カナッツエイ Canazei に出たが町なので先へ進む。通過中の道路を地図で見るとドロミテ街道となっている。

 Pozza di Fassa という町では何処からとも無く教会の鐘の音が聞こえてきた。そこも通り過ぎて Vigo di Fassa で右折して本通りから外れた。ホテルの駐車場に車を停めて水と果物を買う。買物係はスーパーを探すのに手間取ったようだ。
17時35分Vigoを出る、相変わらずの山道だ、ドロミテは山道ばかり。暫らく上っていくと突然開けてホテルが2・3軒あり向いにはリフトもある。

 石造りのホテルに交渉し今夜は其処に泊まることにした。部屋に案内されると中に階段があり屋根裏部屋がありベッドが三つ並んでいる。下に二つある、建物は古いので昔商人が団体で宿泊したのか、それとも家族旅行用なのか。峠の宿は昔を偲ばせる。

 夕食はここでもフルコース並み、ローストビーフを食べ残すほどの料理が出た。55ユーロ峠の宿は価格の割りに内容が良い。

 写真は峠の宿です。

ポルドイ峠

2009年07月29日 06時43分04秒 | チロル~シャモニ
 Antermoiaでの思わぬ滞在は静かに暮れ、日の出前からワクワクして起きた。
ベランダ越しに見える教会は一晩中街灯に照らされていた。そこに朝の光が陰影をつけ始めたので写真を撮った、空気はピリッと冷ややかだ。
牧場の遙か遠くの山なみは朝靄がぼんやり掛かっている、ここもチロルの風景だ。

 朝食を取り出発の準備をする、ライダーたちもオートバイの前にいるので一緒に写真を撮る、今日は何処まで走るのか。斯く言う我々は引き返す形になるがポルドイ峠を目指すことにした。

 9時10分にスタートする、メーターを見るとこれまでに442Km走っている、気分的には車を走らせっぱなしだが、ハイキングや写真を写真休憩を取っているので、1日200Km走るのは無理だ。まずは燃料の補給からと町を目指して峠に向かう。
25分でPasso delle Erbe、エルベ峠で標高2006mに着く。旅籠があり、ハイキングコースもあるようだ。3時間少々のAntermoiaまでのハイキングコースもある。

 ゆるい丘陵地帯ぐんぐん下っていくと林の中に牧場があり、丸太と白壁で建てられたレストランがある。周辺の景観に溶け込み絵葉書をを見ているようだ。これが特別な景色ではなくちょっと目を向ければ何処にでもある景色なので実に羨ましい。

 10時30分山道から大通りに出たところでガススタンドを発見し給油する。463Km走って34.87ユーロ分で満タンになった。給油量は表示されず金額だけが示されるのでリッター当たりの走行距離が分からない。燃費の良い車だと思う。

 大きな道路のR473号線に一旦出て、R242号線に入り川沿いをセラ峠を目指す。近くにサッソルゴ山群が姿を見せている。11時45分セラ峠の手前の開けた場所でランチにする。パンとチーズのカンタンな食事だが周りの景色がメインディッシュなので不足は無い。

 近くにSassoLungoへ上るTeleCabineー二人乗りの立って乗るリフトーが動いているので乗りに行った。往復券で一人当たり14ユーロ。飛び乗るようにして乗るのだが、乗り損ねると停めてくれる。上がる途中に数回停まった、きっと下手くそがいて飛び乗れなかったのだろう。
Lungo山の小屋裏に雪渓があり風も冷たい。麓までハイキングコースがあり小学生を連れた家族連れが登ってきた。この急坂をよくも登ろうという気になったものだと感心する。このコースを歩けるなら、トレチメ一周なんて屁の河童だろう。

 正面には切り立った崖に長い斜面を背負った独特の形のSassoPordoiが見えた。そこに上がるために車を進める。セラ峠まで10分しかかからない。さらに20分でPasso Pordoi に到着した。観光地化された場所という雰囲気の峠だ、人気があるのだろう。
早速ロープウェイに乗る、往復13ユーロ。
ロッククライマーが岩に取り付いている姿が見えた、この辺りは何処も彼処も岩登りの場所になる、剱岳のチンネがそれこそ無数にある。

 拾い台地状の向こう側にはピークがあり小屋も見える。冬はスキー場になるのだろうか。ハイカーの姿も多く見られる。この時間の眩い太陽の光は風景をダラケタものにする、先ほど上ったSassoLungoもぼやけているし、期待していたマルモラーダ Marmoladaは雲がかかって頂上が見えない。ドロミテでの最高峰で雪に覆われた山なので色濃く深い山に見える。乾いた岩山に雪が張り付いている姿が多いドロミテでこのように雪山という印象を与える山はめずらしい。

 なんとか近くまで行きたいものだと考えて車に乗った。

道に迷う

2009年07月27日 20時31分28秒 | チロル~シャモニ
 予定通り5時間で一周したトレチメハイキングを終え、オーロンゾ小屋で絵葉書を買い身支度を整え出発したのが13時20分。

出発前にドロミテについて調べていると次のような記述があった。
「オーロンゾ小屋は8人ベット部屋のドミトリー形式、夕飯もカフェテリア方式、昨夜のラガツォイ小屋ほどの設備ではないが料金は2食付で39ユーロ(6700円)、日本の山小屋に比べれば、はるかに安く、設備も悪くない。」

それで今夜はラガツォイ小屋で泊まろうかと漠然と考えていた。しかしラガツォイ小屋へどの峠から上るのかを忘れてしまった。これから幾つか峠を通るのでそのうち思い出すだろう。
駐車場を出る時前述したように有料道路のチケット確認で少々モタモタする。昨日エンジンを喘がせながら上ったのとは違い下りは快調だ。急坂のカーブだらけなので気は緩めない。10分で下り切り、ミズリーナ湖を通過して14時にコルチナ・ダンベッツオまで来た。山小屋はカードがきれず現金払いが多いと考え両替する為に銀行に立ち寄る。しかし昼休みの真っ最中で14時45分から午後の営業が始まると表示されている。
その間ダンベッツオの街を歩いた。

 山々に囲まれたリゾート地で冬季オリンピックも開かれたところである。中心部だけを一回りしただけだが教会を中心にした街並みは綺麗だ。陽射しは強く石畳に日向と影がはっきり写っている。夏の太陽は強烈だが物憂げでもある、夏より冬場の人出が多いと思われる。

 両替を済ませて又山道を登り始めた、杉林の中を走るがサイクリストが多い、グループでツーリングを楽しんでいる。こんな坂道のツーリングを楽しむなんて私には理解できない、他人のことだから”楽しむ”と書いているけど、個人的には参加したくないツーリングだ。(笑)
途中の休憩所の広場には自転車運搬用の専用車両が何台かある。クラブ所有の車だろう、このようなサポート体制があるから遠くまで遠征するツーリングができると思われる。

 上り切ったところがファルツアレーゴ峠だった。トイレ休憩をとる、0.5ユーロの使用料が必要だ。ロープウェイがかかっている、実はこのロープウェイを上がった所がラガツォイ小屋だったのだがそれを知らず先に進んだ。とりあえずポルドイ峠を目指ざすことにしたのだが、直進すべきところを右折してしまった。

 更にLa Villa という町で左折するとポルドイ峠に出るところを又もや右折してどんどん下ってしまった。ルートが間違っていることに気づいたけど、戻る気がしない。戻るには下り過ぎていた。ただこのまま小一時間も走れば San Lorenzo という町に出てしまう、町に泊まるのはバカの高上がりをを自認する私の心の片隅が抵抗している。それで当ては無いけどSan Martino という場所から又山に入った。地図では黄色に色づけされている道路だ。初っ端から急な上りで道幅は狭い、進むに連れて車がすれ違い出来ないほど狭くなってきた。前方から車がきたらどうしようと思いつつ進む。

 小さな集落があり道端にジイサンが座っていた、これ以上進む道があるのかを手で前方を指差すと、行けという風に手を小刻みに動かした。行き止まりでは無いようだ。さらに進むと小さな木造教会と集落が見えた、時間は夕方5時前になっている。この先どうなるのか一抹の不安を感じるけど前進する以外に無い。林の中を走り牧草地帯が見え隠れする、東に面した斜面を走っているので薄暗く感じ、ガソリンゲージは残り1/4を示している。林を抜けると牧場が見えて建物が見えた、通り過ぎてきた集落よりも大きいようだ。

 ホテルの表示がありオートバイが数多く停まっている。今夜はこの辺りで泊まろうとホテルを探すと三ツ星ホテルは直ぐ目に付いた、安そうなホテルは窓に鎧戸を下ろして営業を休止中、まだシーズン入りしていないのか、冬季だけの営業なのかは分からない。
そこで三ツ星ホテルに泊まることにする。

 トリプルの部屋はないけどツインとシングルを同じ料金で提供するという。ベランダから見ると車で走った印象とは違い意外に広い谷で牧草用地が広がり防風林のような木々も見える。遠くにはドロミテ特有の岩山も見えてよい景色だ。反対側は教会があり静かなたたずまいの村という感じだった。

 そこは Antermoia という場所で道に迷って来てしまったけど、これほど安らぎを与えてくれるとは幸運だった。車を運転中は背後の景色を眺めることができない。ホテルで来た道を見て始めて気づいたが、通ってきたところはこんなに素晴らしい景色だったのだ。
 17時30分にチェックインし、ディナーは19時から始まった。夕食とせずディナーとしたのは、まさしくディナーだったからです。器もよく味も良くビールも美味しかった。この食事内容でHotel Antermoia の宿泊料は二食付きで二人は54ユーロで三人目が10%割引であった。飲物を含めて支払った金額は158.6ユーロであった。

 しかしここAntermoiaという場所は村の規模にしては宿泊施設が多く、バイクヤローが多かった。交通の要衝なのか、それとも風光明媚なリゾートなのか。 道に迷ってこの場所に来て、このホテルに泊まったけど良い結果をもたらした。この出来事で宿泊ホテルを決めない旅の自信がついた。
本当に良い所でした。