読み始めてすぐに、「ああ、これは、安易な気持ちで開いてはいけなかったなぁ・・・。」と、ちと後悔
エッセイ・・・って。砕けた感じの文が多くて。ちょっとビール片手に、その人の話を聞く・・・といった風情に思っていたのだけど。
本の中に入った瞬間。
どうしても、ある風景が目に浮かぶ。
深い木々に囲まれた湖水。
朝か夕か・・・ただ、曇っているだけなのか。
暗いわけではないのだけれど。湖水からは霧が立ちのぼり。
乳白色がかった灰色の中。緑なす湖面は静かで、深いのか、浅いのか・・・。
ヒタヒタと迫る「静寂」。安心と不安の境界線。
迷い込んだ私は、ただ、途方もなく湖面を見つめている。
「ぐるりのこと 梨木香歩 新潮社 1300円+税 」
書かれたのが「考える人」の季刊誌の紙面だったので、時事ネタについても書かれている。9・11の事。12歳の少年が4歳の子を殺してしまった事件。イラクの地で囚われた人が帰国した時の異様な騒ぎ。旅に出た先での話。植物の事。西郷隆盛の事。
どの話もが。本人曰く「ひたひたと考える」という言葉に集約されるように。
じっくり噛み締め、心の淵を言葉にしていく。
言葉を紡ぐ・・・彼女の謙虚だけれども強い意志が、ひしひし・・・と伝わってくる。
なんだか、深い淵を覗いてしまったような、シンとした気持ちになった。
読み進めていくうちに、この方が、異国の。河と陸の間の、水の溜まった沼というか湖に惹かれる・・・という文に行き当たり。
ああ。ずっとこの本から受ける印象は、この人の心象風景なんだ・・・と解った。
旅から、自分の心と他者。生と死との「境界線」を思い。
様々な時代のうねりから、「群集」と「個」の「境界線」を考える。
考える事をやめ、時代の力に飲まれることはしたくないが。自分も、その時代のうねりの中で生きていく。
9・11前後の話も描かれていて・・・。その話を読みながら、今、私はガザを思う。
ただ。しみじみと。湖水を見つめる気分でいる。
私の心の中の風景は、いったいどんなものなのかな。
エッセイ・・・って。砕けた感じの文が多くて。ちょっとビール片手に、その人の話を聞く・・・といった風情に思っていたのだけど。
本の中に入った瞬間。
どうしても、ある風景が目に浮かぶ。
深い木々に囲まれた湖水。
朝か夕か・・・ただ、曇っているだけなのか。
暗いわけではないのだけれど。湖水からは霧が立ちのぼり。
乳白色がかった灰色の中。緑なす湖面は静かで、深いのか、浅いのか・・・。
ヒタヒタと迫る「静寂」。安心と不安の境界線。
迷い込んだ私は、ただ、途方もなく湖面を見つめている。
「ぐるりのこと 梨木香歩 新潮社 1300円+税 」
書かれたのが「考える人」の季刊誌の紙面だったので、時事ネタについても書かれている。9・11の事。12歳の少年が4歳の子を殺してしまった事件。イラクの地で囚われた人が帰国した時の異様な騒ぎ。旅に出た先での話。植物の事。西郷隆盛の事。
どの話もが。本人曰く「ひたひたと考える」という言葉に集約されるように。
じっくり噛み締め、心の淵を言葉にしていく。
言葉を紡ぐ・・・彼女の謙虚だけれども強い意志が、ひしひし・・・と伝わってくる。
なんだか、深い淵を覗いてしまったような、シンとした気持ちになった。
読み進めていくうちに、この方が、異国の。河と陸の間の、水の溜まった沼というか湖に惹かれる・・・という文に行き当たり。
ああ。ずっとこの本から受ける印象は、この人の心象風景なんだ・・・と解った。
旅から、自分の心と他者。生と死との「境界線」を思い。
様々な時代のうねりから、「群集」と「個」の「境界線」を考える。
考える事をやめ、時代の力に飲まれることはしたくないが。自分も、その時代のうねりの中で生きていく。
9・11前後の話も描かれていて・・・。その話を読みながら、今、私はガザを思う。
ただ。しみじみと。湖水を見つめる気分でいる。
私の心の中の風景は、いったいどんなものなのかな。
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