えぬ日和

日々雑記。第二、第四土曜更新を守っているつもり。コラムを書き散らしています。

黒くて強くて……

2008年08月12日 | 映画
映画「ダークナイト

クリストファー・ノーラン監督による「バットマン」シリーズ
最新作だそうです。
前作(バットマン・ビギンズ)を見ていない私にとってはこれが
初「バットマン」なのでした。

ですが、そもそもこの映画が「バットマン」のシリーズ物だと
知ったのは、映画を観る二日前くらいでしょうか。雑誌の解説
を読んでそこに「バットマン云々」と書いてあったからやっと、
シリーズ物だと理解した始末でした。
「ダークナイト」のタイトルの隣に、映画の紹介として切り取られた
写真が、顔を白塗りにした蓬髪の男、演技の評価、急逝、
アカデミー賞と騒がれているヒース・レジャーの立ち姿一枚に、
漆黒の衣装でマントをひらめかせるヒーローを連想させるものが
どこにもなかったからです。

彼の最後の役「ジョーカー」は、バットマンのライバルで
狂った犯罪者、という役どころです。
「ジョーカー」はとても「自然なクレイジー」さんです。
たとえば、局所に織り交ぜられる、唇を尖らせて手をふるわせて
『ブルブルブルブル~~』と挑発する道化た仕草と、人質をとられ焦る
バットマンを言葉で手玉に取る論理的な冷静さといった、対極の二面が
きれいに合わさって、どこにも矛盾がない。

この両面性は、極端に演ろうとすればするほど演技としてはきっと
目だって、しかもそれらしく出来るのだろうと思いますが、
ヒース・レジャーの上手いのは、映画の中で一人だけ目立とうとせず、
ストーリーの石組みの一つということをはずさずに、
個性的なキャラクターを演じている点だと思います。
全ての悪行の糸を引くというキャラクター上、最終的には
彼一人が印象に残ってしまうけれども、映画を楽しんでいる時点では、
それを感じさせず、バットマンやその他の脇役達とうまく折り合いをつけて
一つの物語を完成させているので、より「ジョーカー」という狂気を
観客に身近なものとして感じさせることに成功していると思います。

ジョーカーの話ばっかりしてしまいましたが、
ストーリーも、ディティールの細かさをすっ飛ばしてうまく
まとまっているので、話の流れに対しては、
観ていて「納得がいかーん!!」ということはないでしょう。
この残暑にはちょうどいい温度の映画だと思います。暗さが(おい)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

下町よいとこ

2008年08月10日 | 雑記
郊外に住んでいると、意外に想像できないものが下町にありました。
路地、とよべる小道がそれです。
建物と建物にある道が、まっすぐじゃなくていびつで、しかも狭い。
これ、家同士が密集してるから出来るものだと。
家同士の幅が、道路としてぎりぎり成り立っているような場所だから、
周辺を見渡せなくて、迷ってしまうのかなぁ、と思います。


でも今日は、案内人がいるのでスムーズにつきました。
まず「スパイスカフェ」で、カレーのお昼です。
うっかりして見過ごしそうな路地を入ると、
「SPICE CAFE」のオレンジの看板がひっそりと立っています。
ひとさまのガレージに無断で入るような気分でお邪魔すると、
丈の低い昔の家の空間が出迎えてくれました。
板張りの床に土足で上がってどきどきします。
ランチのカレーは4種類(ラム・野菜・チキン・日替わり)で、
私はラム、友人は野菜カレーをいただきました。
クローブがよく効いたカレーで、野菜のほうもしっかりスパイスを
利かせているので、独特の味がします。
インドもの、とは少し違った感じ。
時間の流れがゆっくりで、のんびりできました。


それからてくてく歩いて「こぐま」に向かいます。
こちらもスパイスカフェと同様、昔の建物をそのまま生かして
カフェにしているのですが、商店街の中で営業しているところが
他のレトロなカフェと違うところでしょうか。
商店街といっても、アーケードやホコテンとかとは無縁の、
狭い路地、店同士の並ぶ超地元密着型なので、外からバシバシ客をよぼう、
という野心が場所的にちょっと少なめなのです。
だから面白い、ともいえるのですが。
ここはハイビスカスのお茶にシナモンを利かせた冷茶がおいしくて、
展示してある(購入も出来ます)陶器を見ながら
いちゃいちゃして(オナゴと)過ごしました。

どっちのカフェも、車の通る表通りから横道に入ったところにあって、
地図を持っていても見過ごす可能性大な、ある意味リスキーな
ことをしているわけですが、引き換えにやりたいことを好きにやっている。
都心のカフェとは対極のカフェ。
つくづくと下町に住む人がうらやましくなります。路地も、好き放題な
空間も。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

久々の青

2008年08月07日 | 雑記
東京都美術館、フェルメール展に行ってきました。
少しアメ横をぶらついて岡埜栄泉でどらやき買って…。
天気は上々すぎてちょっと歩くには暑かった…。

今回は7点も来ていてなかなかがんばってるな、と言う感じです。
同時代のオランダの画家もおかずに少々どうぞ、という扱いは微妙でしたが。
でもヤコブ・フレルの作品が一点来ていたのでシアワセ。
この人は、すごい名画を描くって人じゃないんだけれど、
描かれた対象その場の空気を落とし込むのがうまいので、
見ていて落ち着くのです。
昔の普通の家庭を、まだ蛍光灯がなかった暗がりを、
とても上手に見せてくれます。
母親の比ゆとか難しいことはいらなくて、主婦だなぁ、と。
考えなくてぼーっと、部屋にでもかけて眺めていたいですね。
めちゃくちゃに地味ですが。

肝心のフェルメール。
意外に近くで見ると、ポスターの写真のようなドラマティックな光ではなく、
照明のせいかもっと白っぽく見えました。
青も、赤も、黄色も、白も、黒も、どれも服の色がばつぐんにきれい。
ピアノを弾いている女性、最晩年の作品が個人的には気に入りました。
まっすぐに女性を照らす光を、三次元のものとして認識させる技量もさりながら、
柔らかな黄色の上掛けの、黄色の感触がいいのです。
モデルも画家も、無理をしていない。見ていて緊張しない絵です。

高いお金を払っても、フェルメールの絵で有名な「真珠の耳飾の少女」などが
見られるわけではありませんが、やっぱり、このひとは特別なのだな、
名画だなぁと腕前がしっかり分かるものが今回来ていると思います。
月並みですが、いいものはいいなぁ、と久しぶりに味わえました。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

テスト

2008年08月06日 | 雑記
初投稿ー。
書くのってむつかしいです。

気が向いたら、摂取した本やゲームとかの話をぼちぼち書いて行きます。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする