トラブルシューター

私の修理・製作体験記(茨城・県西おもちゃ病院・JA7FJP/1)

蛍光表示管技術を応用した新真空管を試す

2017-04-27 15:58:13 | 電子工作

 KORGが、ノリタケ伊勢電子(株)の蛍光表示管の技術を応用することにより、その構造を工夫し、従来の真空管に比べ、大幅な省電力化、小型化、品質向上に成功した新真空管です。
Nutubeは従来の真空管と同じく、アノード・グリッド・フィラメントの構造を持ち、完全な3 極真空管として動作し、また従来の真空管と同様、真空管特有の豊かな倍音を生み出し ます。

KOLGはギターアンプなどで音質の関係から真空管を使っているが、供給不足や品質のバラツキなどから、新たな技術による真空管を開発したのだろう。
原理として非常に面白い、コロンブスの卵である。
最近、様々な電子工作関連誌で、取り上げられており、まだまだ高価(真空管のみ5400円)だが、新しもの好きの私としては、購入して実験することにした。
Nutube6P1の他に、Nutubeヘッドフォンアンプ(基板のみ)を製作するので、スイッチサイエンスに注文した。
届いたので、組み立ててみる。まず、真空管といったイメージは全然無く、蛍光表示管だ。
Nutubeは高価なので、ソケットで着脱出来る様にするのだが、2mmピッチになっており、リード線がペラペラで、ソケットに差すのに細心の注意が必要だ。

グリッドバイアスは電源から直接と3.3V用三端子レギュレータからの2種類対応出来る様になっているが、電源電圧変動を受けにくくするのに三端子レギュレータを使うことにする。
ヒーター(フィラメントという)は0.7V/17mAと従来の真空管と比べて、すごく小さいので、間違えられない。これはオリジナル通りシリーズに470Ωを入れて落としている。
バッテリーモニター回路のパターンも有ったので使用する。チップ抵抗は無いのでアキシャル抵抗で代用した。
スイッチ付きボリュームが無かったので、スイッチは別として左端の可変抵抗に接着固定した。

電源(9V)を入れるとアノード?が蛍光表示管らしく光った。

片側が点かなかったのでバイアス調整用の多回転トリムポットを回していくと点灯する。
信号を入力して、出力にオシロスコープを接続してクリップ点を観測する。

3Vあたりが、最良点の様だ。
3.3V用三端子レギュレータだと、最大近くで合う形になるので、5V用に交換した。
仕様によるとバイアスを3V以上にしない様とあるので、注意が必要だ。
従来の真空管と異なるのは、グリッドがプラスバイアスであることです。
周波数特性的には10Hz~100kHzまでフラットだった。(無負荷での確認だが)
30Hz以下の低周波だと明るさが変化するのが面白い。
一般の真空管でも暗くすると、ほのかに青白く管内が光る場合があり、これがまた幻想的である。
波形画面です。

もっと安価になれば、低電圧・低消費電力なので応用は色々と出来るのだが。

コメント
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