トラブルシューター

私の修理・製作体験記(茨城・県西おもちゃ病院・JA7FJP/1)

TL431Lをプリ/ヘッドホンアンプとして使う

2015-11-04 14:37:40 | 電子工作

 スマホに保存されている音楽を、家のステレオやカーステレオで聴く場合、ヘッドホン出力レベルが低い関係で、かなりボリュームを上げなければならない。
(近年ではBluetoothが普及しているが、アナログ屋としてはためらうところだ)
そこで、今までに製作したヘッドホンアンプを3種類、引っ張り出して確認したが、それほどゲインが無いので、新たに製作することにした。
今までと同じ回路では面白く無いし、部品点数も多いことから、単純回路で簡単に出来る回路を探した。(調整が必要だが)
以前、ちょっと実験したことが有り、実現出来れば面白いので製作することに。
TL431LNJM431Lが互換)というシャントレギュレータで、電源回路では便利に使える素子で安価である。
秋月で、以前はTL431の10個セットが100円だったが、現在はNJM1431A(4個入)100円に変わって、少し高くなった。
余談だが、Vrefが下記の様に異なる。 
         Min   Typ   Max
TL431L     2.440 2.495 2.550
NJM431L   2.440 2.495 2.550
NJM1431L 2.440 2.465 2.490
TL431LとNJM431LとはVrefと精度(±2.2%)が同一だが、NJM1431LはVrefが異なり精度も±1%になっている。
データーシートにアンプ特性が載っている(中身はブースト付きのOP-AMP?)。
応用回路のスピーカーアンプを参考にして書いてみた。本当に簡単である。

回路図では、出力に何も入っていないが、無負荷だと直流電圧が発生するので、680Ωを負荷に入れた。
製作は1時間弱で完了。

早速、動作確認。(各電圧に応じて、半固定抵抗をクリップ点前に調整する)
調整はオシロが有れば簡単に出来るのだが、無い場合には消費電流が10mA程度になる様に調整すれば良いかと。
アノード抵抗が220Ωなので2.2Vで10mAとなる。実観測では2.0Vの時がゲインと出力が最高となった。電流を流すほどゲインが下がる。
電源電圧12Vの時は30mA(抵抗両端で6.6V)が最良だった。
●電源電圧5V
入力:305mV(P-P)
出力:1.04V(P-P)
ゲイン:約10dB
消費電流:10mA
●電源電圧12V
入力:246mV(P-P)
出力:2.50V(P-P)
ゲイン:約20dB
消費電流:40mA

10Hz~30kHzまでフラット。
ピークが120kHz付近にありP-P1.24V、200kHzでP-P1.04Vに戻り、これ以上の周波数からダラダラと低下する。
と、特性上は問題無さそうなので、5V用に調整してスマホやPCを接続して音を鳴らしてみる。
5V用に調整すると、電圧をそれ以上(16Vまで確認)に上げても、出力は変化しない。
居間のオーディオセットも、ついでにフェスティバルでも披露したものにアップグレードしてみた。

電源は一般的なスイッチング式ACアダプタ(スマホ充電器)を使用。
標準的な試聴音圧レベルでは、ノイズは気にならない。(スマホやPCの雑音のが大きい)
(スピーカーに耳を付ければサー音が聞こえて来るが)
クリップ点以下のレベルでは、問題なく綺麗なサウンドが聞こえてくる。但し、クリップ点を超えると極端に歪が耳につく様になるので、ボリュームを付けたのが良いかもしれない。
試しにヘッドホンを接続してみるが、出力波形に変化は無く、オーディオアンプ(C-22)の入力レベルよりは低いので、歪も発生しない。ヘッドホンアンプとしても使えるということは驚きだ。
ヘッドホン接続の場合、電源電圧は高いほど良い。但しカソード抵抗220Ωは1/2~1Wにしないと熱くなる。
今後は、入力のカップリングコンデンサ容量見直しや、負帰還抵抗へのコンデンサ追加によるLPF(高周波まで特性が伸びすぎて、雑音が影響することへの対策)を実験して求めたいと考えている。
【11/6改善】
入力のカップリングコンデンサは10uFに変更して超低域をカット。TL431の1-3間に470PFを入れて高域カット(20kHz以上)する。
これで、今までデジタル機器を接続したときのノイズが綺麗に消えた。
入力レベル調整用にaitendo製ダイヤル式2連ボリュームを入れた。(小型で安価なので新品でもガリオームの傾向がある)

ボリュームのレベル高低端で雑音が発生(寄生発振?)するので、中点とカップリングコンデンサ間に1kΩを追加した。(470Ωでは低減になるが消えない。)

コメント
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