前回の「電子工作サークル」で、負荷ON/OFF回路の不具合で、動作しなかった「タッチセンサー」のトラブルシュートを開始した。
オリジナル回路は、サイリスタを使っているが、手持ちが無いのでトライアックで代用してみたが、置き換えただけでは動作しない様だ。
トライアックを使用した、秋月製のソリッドステートリレー(SSR)を持っていたので、使用してみたが、駆動電流が5mA以上必要で、ロジックのドライブ能力を超えるので、トランジスタで電流増幅してみた。ロジック回路の電源はAC100Vを全波整流した直流(脈流)をシリーズ抵抗22kΩとシャントレギュレータ(TL431)で9Vに安定化しているのだが、5mA流すと、シリーズ抵抗のドロップが大きく安定化出来ないので22kΩを並列(11kΩ)にしなければならない。これにすると、正常に動作する。
これだと、負荷が純?交流でON/OFFが可能となるが、少し回路が複雑になり、コストもアップするので、サイリスタを使った回路と同様に全波整流出力を使い、負荷をMOS-FETでON/OFF出来ないか実験してみた。
使用したのは、サークル員から貰ってある数種類の中から、2SK2842を規格(500V/15A、ON抵抗:0.4Ω)から使うことにした。
動作はするものの論理が逆なので、TC4013PのQ出力に変更した。
ON抵抗が少ないので、60Wの電球を負荷としているが殆ど発熱はしない。
FET自体は15Aまで流せる(放熱は必要だが)が、整流出力を使用しているので、整流器の最大電流1.5Aまでしか流せない。GSIB6A60を使用すれば6Aまでは可能だ。
それでもタッチするとチャタリングを起こすので、タッチ入力の積分回路に使用しているコンデンサを1000PFから10倍の0.01uFに変えたところ、ON/OFFがほぼ確実に切り替わる様になった。
電源を切ってから、ある程度時間を置けば、電源を入力し直しても、点灯でスタートすることは無い。
暫く電源を切っていて、それからONしてタッチしたら点かない。何故だろうと、原因を探ったら、意外な落とし穴が有った。
検出は商用周波数の成分を増幅しているので、体が絶縁されていると検出しない。この時、スリッパを履いていたのが原因だった。スリッパを脱いで靴下状態になると検出した。
試しに、車にDC/ACインバータを付け、この電源で作動させると、反対側の指をどこに触っても検出しない。整流波形は矩形波となっていた。
どんな環境でも検出させるには静電容量変化を利用する方法にしなければならない。
今回の方式でも取り敢えず家庭で使うには問題無いだろう。これで製作スタートすることにする。