沖縄を考える

ブログを使用しての種々の論考

詩 13 あの頃

2007年05月26日 18時39分42秒 | 手記
 東京大学東京教育大学の入試中止があった年、安田講堂騒動のころ、彼は受験生だったが、彼の思いのなかには大学という場はどうでもいいというのと、学問には学生という身分は必要ないというのと、親の金を使ってまで行くところではないというのと、これらがそこへ行く彼の意志に微妙に作用し、ある地方の大学を受験し合格したがとうとう何の意味も見出せぬまま中途退学した、すでに学生運動は赤軍事件の終結とともに各地で下火となり、ある不完全燃焼を印象したが彼にはどうでもよかった、彼には通常の生活の営みが全てを決するように思えた、思想的行動の可能性さえうかがわせたあの運動は、その「悪霊」的結末を経て一切の真摯な活動の根底を戦後日本の堕落した精神構造によって汚濁化したと、いうことであろうか、爾来このかた、麻原事件にみるおどろおどろしい愚行に帰結するにいたり、日本の精神構造は恐ろしい絶望的状況を現出することとなる、