9月末の米国衛星の落下に続き、今日はドイツの運用を終えたX線観測衛星が地上に落下した。どちらも大型衛星で大気中で完全に燃え尽きず、地上に破片が落下する事態となった。地球上の誰かに当たる確率は前者が1/3200(自分に当たる確率は約21兆分の1)、今回は1/2000(同約14兆分の1)であった。前回は人に当たる被害は出なかったが、今回は落下場所を含めてまだ未確認のようだ。●JAXAによると、スペースデブリ(宇宙ゴミ)の数は年々増加し、現在は約2万個あるそうだ。デブリは、打上げに使ったロケットの残存燃料が爆発して生じた破片や、運用を終えて放棄された衛星、宇宙空間に残されたロケット、運用上衛星から分離された部品などからなり、実際に運用中の衛星は6%に過ぎないという。●各国機関同士の取り決めでは、再突入1回に付き、地上での障害確立を1/10000に抑えることになっているそうだ。隕石の落下による年間死亡予測数は036人、日本で交通事故に遭遇する確率は0.009人/年で、これらと比較するとかなり低いという。とは言え、年200~1000回程度、何らかのデブリが再突入しており、大きな衛星やロケットのボディなども、年50回程度(毎週1回程度)は再突入しているという。ただ、多くは再突入時に殆どが燃え尽き、地上に到達することはなく、問題視されてこなかったそうだ。今は世界規模でデブリに対する危機意識を持つようになってきており、捕獲衛星を使って廃棄された衛星を軌道から除去しようという計画も進められているそうだ。JAXAでは2020年を目標に評価機を打上げ、大型のデブリを除去できることを実証したいという。 ⇒ http://journal.mycom.co.jp/articles/2011/10/22/spacedebris/index.html