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「電力不足」の不可解

2011-07-07 | つぶやき
東工大の尾崎教授はWSJ日本版で電力会社が安定供給のために十分な努力を行っているか疑問を呈している。日本の電力会社は地域独占が認められているかわりに、電力の安定供給義務が課されている。真夏の供給予定量は3月時点では4650万kWだったが、現時点では5620万kWと見積もられている。1000万kWも増えた要因は、当初、揚水発電をカウントしていなかったためという。揚水発電は原発の夜間の余剰電力を使って上のダムに水を汲み上げ、昼間に水力発電を行う方式であるが、夜間に火力発電を稼働させて揚水発電を利用することが可能であるにもかかわらず、あえて考慮していなかった。つまり、安定供給義務を果てしていないことになる。●供給量を増やす他の方法として、企業が持つ自家用発電設備の活用がある。2010年9月時点で東電管内には875か所、合計出力1639万kWの自家発電があるが、現状ではフル稼働していない(卸電力市場に供給されている電力は615万kwのみ)という。理由は特定規模電力事業者(PPS)の免許を持っていない企業は、余った分を卸電力市場に売却できないからだという。電力会社が買い取ることを保証すれば、自家発電所をフル稼働させて、供給不足を大きく解消できにもかかわらず、それをしていない。●民主党衆議院議員の川内氏はツイッターで「電力ないない神話は原発を動かすためで、この神話はウソ」と語っているそうだ。もし、供給量を少なめに公表して、「電力ないない神話」で停電の恐怖心を与え、原発維持の世論を作ろうという意図があれば、それは許されないと尾崎教授は述べている。 ⇒ http://jp.wsj.com/Business-Companies/node_267534
6/18のマイブログで紹介した「原発のウソ」という本でも、火力と水力だけで日本のピーク電力需要は賄えると書かれている。また、昨日の国会の予算委員会でも新党日本の田中議員が同様の指摘をし、電力会社が電力供給量を正直に公表しているか、政府はチェックすべきと述べていた。事実はどうか分からないが、電力会社は原発なしで電力需要を賄えるとは決して言わないだろう。それを言えば、原発必要性の根拠がなくなるからだ。そこで、国民に15%の節電を要請して、そのお陰で、原発なしでも乗り切れたことにすれば、原発の必要性は維持されるので都合が良い。そのように勘繰りたくなる程、今の電力会社の言うことは信用できない。九州電力の今回の「やらせメール」問題は電力会社の体質を露呈したと言えるだろう。