【ただいま読書中】

おかだ 外郎という乱読家です。mixiに書いている読書日記を、こちらにも出しています。

絵手紙

2010-11-21 17:35:41 | Weblog
絵心のある人がさらさらと絵を描いてそこに一言添えて洒落た葉書にしているのを見るとうらやましくなります。私には絵心がありませんから(ついでに文才もないから、洒落た一言も添えられませんが)。だけど、写真だったら(上手下手を問わなければ)とりあえず“絵”は準備できそうです。だとすると私も絵手紙というか写真手紙を作ることはできそうです。あ、だけどやっぱりどんな文章を添えるかが…… あまり難しく考えすぎない方が良いんでしょうけれどね。

【ただいま読書中】『ぼくらは簡単なことばで出来ている ──旅する柴犬まめのポラロイド写真詩集』西真智子 写真、村上美香 ことば、PARCO出版、2008年、1500円(税別)

まめという名前の柴犬がする「旅」を、ポラロイド写真作家が追い、それに短いことばが添えられた作品集です。
ちょっと淋しそうな顔のまめが、さまざまなところに立ち寄ります。そのまめの顔と姿に、動かない能面にさまざまな表情を感じるように、読者はさまざまな感情や想いを読み取ります。
一度通読し、二度目は写真だけを眺め、三度目にまたことばと写真を眺めるとそのたびに印象が違います。ぽつんぽつんと読者に投げかけられる短いことばが、写真と相乗効果を持って、こちらの心を洗ってくれるような感じです。「旅」の本なのですが、写真一枚ごとに、ことば一つごとに、私は“立ち止まり”ながら読んでいきます。
いつもならその「ことば」を引用するところですが、写真から分離してしまうとその“意味”や“効果”が変質してしまいそうなので、ここでは一切引用しないことにします。あ、一つだけ。タイトルの「ぼくらは簡単なことばで出来ている」は「畳の上にちょこなんと座っているまめを上から撮影した写真」につけられた文です。まめのそばには、ピントがぼけて見づらいのですが、籐の籠に入った蜜柑があるように見えます。見た瞬間にわかるようなわからないような、かんがえたらわかるようなわからないようなページです。
ともかく興味を持った方は現物に当たってください。まず、読んで(写真を見て)損はしません。


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