足立直義の丹沢・大山山麓だより

生き物との出会いを楽しみに今日も山麓を歩いています

No.1245 ~ ウツギの花の 白さの秘密 ~

2014年06月17日 | 植物

観 察 月 日  2014.6.10 晴 28℃

観 察 場 所  山北町 玄倉

山麓では、とうに花の季節は過ぎ、若い実の季節だ。

西丹沢では、今がウツギの花盛り!!  去年こんなにも白かったかと、見とれる。

ニホンカモシカも白に見とれて、いるのだろうか。

カラスアゲハがいつまでも、花から離れない。

カモシカのいるすぐ下の花にやって来たアサギマダラ。

トラフシジミも吸蜜に。

クマバチもやって来た。

どうして こんなにも 白が目立つのか と 花のつくりを覗いて見たら!!

 丹沢大山山麓では、5月末にウツギの花が咲き始め、林道脇を

白く染め抜いたと言うのに、あっという間に花の時は過ぎ、既に若

い実が充実の季節へと進んでいる。

 西丹沢の玄倉では、生物ごよみは何時も後から付いて行く。今が

ウツギの花盛り、林道脇の斜面は白く染められている。

 斜面は豪雨のある度に土砂は押し流されて行く。そこへ逸早く入る

のがウツギであるらしい。白の景色は毎年変化する。

 ウツギは、しだれた枝にぎっしり花をつける。花の多さから遠方から

も目立つためだろう。周辺の昆虫たちが蜜を求めて、花粉を求めて

集まって来る。

 今年も半日歩いただけで、カラスアゲハ、ジャコウアゲハ、アサギマ

ダラ、テングチョウ、サカハチチョウ、スジグロシロチョウ、トラフシジミ、ルリシ

ジミ、と種類が多い。

 花以上に、花の白さが目立つので、花の造りを覗いてみると、花弁の

他に、10本ある雄蕊の花糸が、棒状ではなく翼があり扁平状で先端が

開き、花弁効果がありそうだ。

 花弁5枚の白さと、10本の雄蕊の花糸の白さがプラスされ、花の集ま

りが白一色に塗りつぶされ、花としてのコマーシャル効果を一層上げて

いるように思えるがどうだろうか。

 


No.1244 ~ ニホンカモシカ に見つけられて ~

2014年06月11日 | 野生動物

観 察 月 日  2014.6.10 晴 28℃

観 察 場 所  山北町 玄倉

沢を埋めるウツギの白い花に見とれていたら。

沢の砂防堤の上に ニホンカモシカがこちらを見つめていた。

無防備の様に見えるが 周囲には気を配っているのだろう。そう見えないのが カモシカ流。

耳をピンと立てている、目を細めたり、反芻をしたり。(左の角が欠けている。)

大きな耳は 集音機。時折回しては周囲の情報を集める。

 今、西丹沢の林道を歩くと、暑いと言うのに斜面が雪を置いた様な

真っ白な光景に出会う。ウツギが花盛りなのだ。

 林道際まで迫る幾つものガレ場を埋める白いウツギの花、それに

カメラを向けていると、「カモシカがいますよ!」とRさんから合い図を

送って来た。

 隣の沢を見上げると、砂防堤の上にニホンカモシカがこちらを見つ

めて立ていた。「沢を埋めるウツギの花に見とれていたら、カモシカが

いて」とRさん。こちらが気付いた時には、カモシカがじっと見下ろして

いたのだ。

 私達より先にカモシカの方が気付き、高みから「あいつ達、何しに来

ているんだ」とけげんに思っていたのかも知れない。

 それにしても、ウツギの白い花に囲まれたカモシカ。すばらしいロケイ

ションだ。

 そのウツギの花に、突然アサギマダラが飛来したので、それを撮影し

ようと、沢を1段上がってみた。カモシカにも少し近づいたが、平然とし

ている。

 依然として立ち止まったまま、周りには無関心の様子だが、良く見てい

ると耳を横や後ろに動かしたり、目を細めたりする所を見ると、周囲には

気を配っているらしい。又、時々顎を横に動かす。ウシ科の動物らしく

、反芻を楽しんでいるのだろうか

 結局、8分余り見つめ合っていたが、カモシカが動く気配が無いので

「カモシカさん又会おうね」と呟いて、こちらが移動する事にした。


No.1243 ~ ナミテントウ 斑紋の不思議 ~

2014年06月09日 | 昆虫

観 察 月 日  2014.6.9.晴 28℃

観 察 場 所  瀬谷区 瀬谷

葉のちじれた オオマツヨイグサ

茎の先端 花芽が成長する個所に アリマキがびっしり

どこからかテントウムシ が 集まった。

2紋型のナミテントウ

4紋型のナミテントウ

赤地型のナミテントウ

これは ご存知 ナナホシテントウ

ナミテントウの幼虫 せっせと アリマキを食べる。

 60年余り自然の状態で花を咲かせて来たオオマツヨイグサに、

びっしりとアブラムシが付き、葉がちじれてしまった。「これでは夏

が来ても、日暮れになっても、花を開かないだろう」とみじめなオオ

マツヨイグサの株を見ると、茎の先端の葉にテントウムシがいる。

いつの間にかアブラムシを食べに飛んで来たのだ。

 それも、赤地に黒い星を散りばめたテントウムシ、黒地に赤い紋を

2個置いたテントウムシ、同じく4個置いたテントウムシが、それぞれ

の茎の頂上で休んだり、アブラムシを捕食したりしている。

 「なによ!それは全部ナミテントウじゃあないの!」と、言われる事だ

ろうが、解っている様で解っていない事がある。むかしは、異なるテン

トウムシだと考えていたに違いないのだ。

 以前からテントウムシの集団遺伝の研究が行われてきた。赤地に黒

の星は[赤地型]、黒地に赤い紋が2個(2紋型)、黒地に赤い紋が4個

(4紋型)ほかに(まだら型)等が、変異として出現する事が解り、その出

現率も出ている。

 赤地型は20.9%、まだら型は3.6%、4紋型は12.3%、2紋型は

62.2%、他は1%、(インセクタリゥム、1974.テントウムシの集団遺伝より)

今回のオオマツヨイグサのナミテントウを見ても、2紋型が一番多く、

次が4紋型で、赤地型は1匹、まだら型は見られなかった。

 ナミテントウについても,などと言わず、不思議を探し出して見たい。

 


No.1243 ~ コアジサシ の 攻撃 ~

2014年06月05日 | 野鳥

観 察 月 日  2014.5.30 晴 29℃

観 察 場 所  狛江市 多摩川中流域

コアジサシは宿河原堰堤と河原で抱卵していた。

一羽のコサギが飛来してコアジサシの巣に近づくと。

コアジサシは飛び立ちコサギに攻撃を、コサギは地面にうずくまった。

コアジサシはすかさず攻撃。

一寸不思議に!コサギが集団?で抱卵していた堰堤上は、カワウも集団?で賑わうのに

コアジサシは・・・・・

 「河原でコアジサシが営巣していて、コサギが巣に近こうものなら、

コアジサシは巣から飛び出し執拗に攻撃を掛けていましたよ」Yさん

の話を聞いて昼食でまだ座っていた私は立ち上がった。

 「犬や人間が散歩をしていて、うっかりコアジサシの巣に近付くと、

巣を飛び出し、攻撃して来る」とは聞く話だが、とはいえ体の小さな鳥

故に、外敵が多く激減の傾向にある。

 中州でコアジサシが抱卵していると言うので、双眼鏡で探して見た

が見つからなかった。

 その時、一羽のコサギが飛来し巣のある方向に歩き始めた。

 「コアジサシが飛び立ちましたよ」とYさんの声。コアジサシは、コサギ

の頭目掛けて2回3回と急降下の攻撃を掛けた。その度にコサギは地面

に伏す姿勢を取ったが、我慢できず20m程も飛び川の水の中へ逃げた

が、コアジサシはそこまで追跡し攻撃し、巣を守る気強さを感じた。

 ところが、ここでは宿河原堰堤で抱卵しているコアジサシが何羽もいる。

そこにはカワウが沢山いて、羽を広げたり羽づくろいをしたり賑やかだ。

これに対してコアジサシは何の反応も示さない様に見える。巣との距離が

この程度なら良いのか、それともカワウが居る方が天敵のカラスやタカの

類を防ぐために役だっているのか、不思議に思えた事であった。

 

 


 No.1241 ~ コアジサシ 仲破たんか?それとも ~

2014年06月02日 | 野鳥

観 察 月 日  2014.5.30 晴 29℃

観 察 場 所  狛江市 多摩川中流域

 

河原と見なした コアジサシが営巣していた。

 

 右側のコアジサシをカメラで追う

 抱卵係の交代 二羽は歩き始めた

 お互い歩いて 交差して

 抱卵係 交代終了 9:16:58

 

 交代したコアジサシが小魚を渡し終えた 9:18:40

 渡すと すぐに飛び立った 9:18:42

 

小魚を持って再び戻って来た 9:20:02

 

小魚を渡そうとするが 受けてもらえない

 

 

あきらめたのか 離れる そして・・

 

給餌の筈の小魚を 食べてしまった。 9:20:20

 

そして飛び立ったが 9:28:24 私が見ている限りでは 戻らなかった。

 

 

 多摩川宿河原堰堤は、堰堤の基礎となる堤の上面を

玉石敷いた作りに成っていて、それを河原の一面と見なし

たコアジサシが営巣している様であった。私が狙った場所

には、3つがいのコアジサシが抱卵していた。

 その内の一組が抱卵の仕事を交代するため、座っていた

一羽は立ち上がり、相手の一羽は堤の傍でその機会を待っ

ていた。互いに向き合った形で歩き出し、やがて交差して

巣の位置まで行くと座り、仕事を終えた一羽は飛び立った。

 「あら!もう小魚を加えて戻って来たわ!そして・・・」Rさん

に言われてカメラを向けたが、小魚のプレゼントは既に終

わり、再び飛び立つ所であった。

コアジサシの飛行速度は速い。「アッ」という間に私の視界

から消えたかと思ったその時、再び小魚を加えて戻って来た。

 1回目、飛び立ってから小魚を捕え、加えて抱卵中の相手

の所へ戻って来たまでの時間は、1分42秒、2回目は、1分

20秒。余りにも時間の速いのに驚いた。川の中を覗いて見

ると大形のコイから中型の魚、メダカ程の小さなものまで魚

影が濃い。 

 ところが、2度目運ばれた小魚のプレゼントは受け取って貰

えなった。そこには何があったのだろう。意見の違いなのか?

交代したばかりでまだ、満腹だったのか? とにかく疑問が残る。

 「コアジサシは、抱卵中の相手に給餌をする」とは、良く聞く言

葉だが、公式道理に行かないのが、生命現象なのだろ