足立直義の丹沢・大山山麓だより

生き物との出会いを楽しみに今日も山麓を歩いています

No.976   ~ ブドウスズメ の イモ虫 ~

2011年07月14日 | 昆虫

ヤブガラシ

ヤブガラシの葉を食べるブドウスズメの幼虫

同じ幼虫をストロボ撮影すると

頭部と胸部あたり

腹部末端 尾状突起と尾脚が見える

ヤブガラシの茎を切ると嫌な黒褐色の汁が出る

炭色の糞が転がっていた

糞をルーペで見たら

日  2011 7、10 晴 28

所  山北町 玄倉

 

「大きなイモ虫がいるのだけれど」と言われて行って

みると、アオキの木を覆ったヤブガラシの葉を食べて

いる、スズメガの幼虫であった。

 

 ヤブガラシの茎を切ると、黒褐色の嫌な汁を出す。

ブドウ科の植物なので、稀にブドウ状の果実を付ける。

食べてみたが、甘い汁を感じた次の瞬間、喉を激しく

刺すエゴ味に襲われた。それは、黒褐色の粘性の汁と

針状結晶束の働きらしい。

 ヤブガラシは動物(昆虫)の食害を防除するため、

組織内にエゴ味等の成分を生産し、茎や葉に貯蔵して

役立たせる作戦をとっているのだ。

 

 ところが、ヤブガラシの茎を幼虫の位置より逆にた

どると、葉は一枚も無く総て食べ尽くされていた。幼

虫はエゴ味を感じないのだろうか。

 ヤブガラシの茎の下には、葉の破片から成る炭色の

糞が転がっていた。幼虫にとって、有害な物質は糞と

して体外に排出し、植物体に含まれる有用な物質を体

内に吸収して、成長のエネルギーとしているのだ。

 

 ヤブガラシとブドウスズメの生きるための戦略は、

現在のところ、ブドウスズメに歩があるように見えるの

だがどうだろうか。

 

 

 

 

 

 

 


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