足立直義の丹沢・大山山麓だより

生き物との出会いを楽しみに今日も山麓を歩いています

No.1255 ~ クツサン(靴 蚕)発見? ~

2014年07月21日 | 昆虫

観 察 月 日  2014.  7.13.曇 28℃

観 察 場 所  山北町 玄倉 (丹沢湖ビジターセンター)

クスサンの幼虫が歩き回っている

繭をつくる場所を探しているんだね。

ヤマボウシの葉を綴って繭を

繭は網状に作るので スカシダワラ

蛹が透けて見えるので 野鳥に突かれることも

長靴の紐の所が どうしたの?

「長靴を洗って日陰干しにして置いたら・・・クスサンに貸した覚えは無いのですが?」

紐を利用して繭が

クスサンの成虫 (学研の図鑑 昆虫)から

 「今日の観察ウオークのメインは・・・」と辺りを見回すと、地面を丸々

と太ったクスサンの終令幼虫がのそのそ歩いている。幼虫が繭を作

る場所を物色しているのだ。

 「ほら、ここにありましたよ」とヤマボウシの枝をRさんが指さす。葉

を何枚も糸で引き寄せ、そこに繭を作ったばかりの幼虫が網越しに見

える。クスサンの幼虫は吐いた糸を太く綴り合わせて網状にするので

スカシダワラ(透かし俵)と呼ばれ、中の蛹が透けて見える。だからか、

時には野鳥に見つけられ、突かれ、食べられる事もあるので葉に綴る

のは有効かもしれない。 

 センターの裏口へ回ると、そこには職員の長靴が行儀よく置かれて

あった。いつもながらの長靴なのだが「あれ!何かおかしい?」と一人

が声を上げた。皆が近寄りしゃがんで見ると、長靴の上部にある紐が

焦げ茶の俵様に膨らんでいる。クスサンが繭作りに利用したのだ。

 幼虫の育った大きなムクノキを5m程降り、地上を20m程歩いた所が

長靴の位置だ。

「長靴が見えたのかしら」「良くもまあ!ここまで歩いたわね」「紐を利用

するなんて、頭がいいね」・・・・・とおしゃべりをしていると、突然の笑い

声が起こった。

 「これ、クスサン(楠 蚕)ではなく、クツサン(靴 蚕)だ!!」

 木から降りた幼虫は、“繭を作る場所を探す”という目的?を持ってい

る。だがその後は、のろのろ、うろうろ、ジグザグに歩く。目当てもなく、

無駄が多い様に見えるのだが、自然が長い時間を掛けて考え出した

近道であり、最良の方法だと思うのだが、あなたは、どう考えますか。

 


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