足立直義の丹沢・大山山麓だより

生き物との出会いを楽しみに今日も山麓を歩いています

  No.1415  ~ 6月 玄倉の自然 ~

2016年06月27日 | 昆虫

観 察 月 日   2016.6.12.晴 24℃

観 察 場 所   山北町 玄倉

 玄倉は晴天、よかった。ビジターセンターが閉鎖された後も、続け

ている“ガイドウオーク”の人達が集まって来た。

 バス停裏のクリの木は、花盛りだ。鼻を突く強烈な匂いは、昆虫

達へのメッセージで、昆虫達で賑わっていた。秦野林道へ入る。マ

タタビの葉は白く化粧をし、クマイチゴの花は棘に包まれて咲き、

アオダイショウを皆で観察する。今日の目当ては、自然観察にとっ

て“宝の木”を訪ねる事だ。

 その名は“ミヤマハハソ”。山地の落葉樹林内に成育する落葉低

木で、成長しても3m程、余り目立たない木だ。今までのガイドウオ

ークでは、食草としている、アオバセセリ、スミナガシの幼虫を観察

し、自然の不思議さを感じている。

 今の時期はスミナガシの卵が孵化する時だ。その木に着くや、「幼

虫がいますよ」とRさんが皆に呼びかけた。幼虫は孵化数日の1令幼

虫で、体長は数mm、初めて見る人は何処にいるのか解らない。ミヤ

マハハソの葉を食べながら育つのだが、4令までは葉の主脈を残し

ながら食べて育ち、食べるだけでなく葉を細かくした物を吐いた糸で

短冊状に繋ぎ、幼虫は主脈上で静止するので、幼虫の姿は紛れ消え

てしまう。これは、天敵から身を守ると言われているが、長い生活史

の中で、遺伝子レベルに伝わった行動なのであろう。その後の成長

は、来月のガイドウオークに期待して、そっと其処を離れた。帰途に

着くと、林道上をムネアカオオアリが何匹も歩き回る。

 まとめとして、一枚の葉に自然に対する心意気を書き、テーブル

に並べてみた。  神奈川県民にとって、丹沢とはどんな存在なの

だろうか!

元ビジターセンターのアカシデの若緑の実。

クリの花は、昆虫たちのレストラン。(キイロトラカミキリ)

マタタビの雄花

アオダイショウもみんなで観察。

ミヤマハハソも花盛り。

スミナガシの幼虫は、忍者のように姿を消す。

1令幼虫 どこにいるか 解りますか?

ムネアカオオアリが 路上に落ちたアカスジキンカメムシに突き当たる。

一枚の葉に書いた みんなの心意気!

  ★ この思いを どこへ届けたらよいのだろうか?


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