観察月日 2010、6、9 雨のち晴 18℃
観察場所 山梨県初狩 殿平山尾根
「ギィー、ギィー、ギィー・・」尾根道に日が差し込むと、思いもよらぬハルゼミの
合唱が始まった。
雑木林の中に一抱えもあるアカマツが林立し混合林を成しているが、立ち枯れや倒木
が多く登山道を塞ぎ歩きにくい。
「このキノコ栗の実みたいですよ」と言われて振り返ると、枯れかけたアカマツの幹に、
3~4cm大の玩具様なキノコが幾つも付いていて、見慣れぬハサミムシが何匹か歩き
回っていた。♀の鋏は短いが、♂のものは体長の3分の2程もあり体を反らすと見事だ。
私は丹沢山麓では出会ったことはなく、記録を当たっても僅少なクロハサミムシであった。
ハサミムシが他の虫や母虫を食べているのは見ているが、キノコは範疇になかった。
そこでキノコの臭いを嗅ぐと、意外にも干魚の臭いがした。ハサミムシは動物性の臭い
に引かれているのであろうか。
その後の行動を追うと、アカマツの縦に割れた表皮のひだのあいだに体をすっぼり入れて
休息したり、交尾行動も見られた。
今日の山行きも、思わぬドラマの連続であった。
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