足立直義の丹沢・大山山麓だより

生き物との出会いを楽しみに今日も山麓を歩いています

No. 1720 ~ いまの道と古道と ~

2020年11月06日 | 日記

観察月日  2020.10.24.晴 21℃

観察場所  伊勢原市 総合運動公園

 総合運動公園の展望の丘に立ったのは、30年ほど前の事

であった。大きな大山が目の中に広がり、丹沢の山々は何

処かと探してみたが、1252mの大山があまりにも近く、丹沢

の山並みは隠されて見えなかった。

 みどりに包まれた山頂から山裾へと目をやると、田園が広

がり、左に目をやると遠く伊勢原の市街が望まれた。

 その頃の伊勢原市の特徴は「都会の中に田舎を」と聞かさ

れたことがある。その時目の前に広がった景色は、素晴らし

い伊勢原の原風景だったのである。

 ところが今、展望の丘から見えるのは、田園風景の中を高

架橋の新東名高速道路の工事が急ピッチに進み、伊勢原の

原風景の記憶が残っている者にとっては、驚きであった。

 展望の丘から公園の裏側へと石段を下ると、そこは静寂な

相模古道だ。古道は、甲州、八王子方面から厚木の小野を経

て丘を登り、津古久峠を経て、運動公園の裏へと至っている。

 北条氏が政権を占めていた時代には、武士が移動する重要

な軍用道路であったと思われる。江戸時代には、日向薬師、大

山へと向かう信仰の道、西へ向かう商業の道であり、当時は行

き交う人の賑やかさを忍ばせるものとして、暗き藪の中に、「津

古久峠茶屋の跡」と書かれた石碑が立っていた。

 運動公園裏から茶屋跡まで行くと、道はカラムシに覆われ、

キタテハ、アカタテハが飛び、ツチイナゴが休む。中でも万葉集

にある、東野のオケラの花が一際目を引いた。

目の前の大山は、大きかった。

田園風景の中を、高架橋の新東名高速道路の工事が急ピッチ。

公園の裏には、遥か昔の面影を残す、相模古道が!!

津古久峠の茶屋まで、歩いてみた。

キタテハが何匹も飛び立ち。

冬を越す、ツチイナゴが。

万葉集で名高い、うけら・オケラの花が目を引く。

 

 


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