2010年5月23日のブログ記事一覧-ミューズの日記
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皆さんはギターが進化し続けていることをご存知でしょうか?
個人製作家は日々進化しています。メーカー品も進化しています。

よくあるお話ですが、
お客さん『~~さんのギターを持っているんだけど、チョット~~でね。』
ミューズ『それは何年位前の楽器ですか?』
お客さん『かれこれ20年位前かな・・・。』
ミューズ『今の~~さんの楽器はそんなことありませんよ。一度弾いてみてください。』
お客さん『ホントだね。全然違うね。』

お客さん『30数年前の~~さんの当時10万円のギターを持っているんだけど、今だといくら位に相当するの?』
ミューズ『今では50~60万円の楽器に相当しますね。』
お客さん『でも今の50万円の楽器の方がうんと鳴るね!』

これは、楽器が進化しているからです。製作家は常に試行錯誤をしながらより良い楽器作りに努力しているからです。もしも努力をしていない製作家がいたとすれば、その製作家は消えていくことでしょう。

最近特にこの進化を強く感じるため、ブログに書こうと思いたちました。仙台の三浦隆志さん、名古屋の加納木魂さん、蟹江の一柳邦彦さん、長野の茶井幸秀さん、東京のアルベルト・ネジメさん、そしてヤマハも10年ぶりに普及価格帯のラインナップ・CGシリーズをモデルチェンジしましたが、それぞれが進化しています。皆さんがいろいろ考え、新しい試みを試行錯誤しながら、より良い結果を導いているんですね。

三浦さんのSpide-Vも従来の三浦ギターに更にしなやかさが増しています。加納さんは630mmのショートスケールが、これでショートスケールかと言う豊かな低音の響きと高音の鳴りを実現しています。茶井さんも先日入荷した630mmは鳴り、バランスとも今までで最高の出来です。まだ、ホームページにもアップしていませんが、数日前に完成した一柳さんの50号も、ご本人にも申し上げましたが、今までで最高の完成度で、ロマニロス一世を彷彿とさせる太い粘りのある音でフアッと鳴ってくれます。
ヤマハの65,000円のギターもこの価格帯でスプルースを使用している唯一のメーカーですが、従来の音の硬さが完全に払拭されて、松らしい音で良く鳴ってくれます。他のメーカーにとっては脅威の商品となるでしょう。メーカーは個人製作家のように1本1本に試行錯誤しながら改良を加えるということはありませんので、進化するのにある期間を要します。モデルチェンジの企画が立てられて設計から見直す作業が入ります。一度設計変更したら何年かはその設計、仕様で生産が続きますからね。

その点、個人製作家は違います。毎回試行錯誤することが可能です。たまには新しい試みが外れて後退するする事もあるでしょう。しかし、それはご本人にも分かることですし、演奏家や専門店にも分かることです。通常は後退した商品は市場に出て来ない筈です。少なくともミューズではあり得ません。
はっきり言って30年~40年前の邦人製作家のギターは輸入品に水を空けられていたものが多かったです。すぐれた製作家もいましたが、平均的には優れた輸入物には敵いませんでした。しかし、今は違います。この30~40年で邦人製作家のレベルは驚くほど上がっています。海外の製作家も同様ですが、その差が無くなって来ていると言えます。あなたもその進化している様をミューズで感じ取ってください。
購入予定がなくても一向に構いません。試奏はお気軽になさってください。そして、製作家の努力の様を感じてください。
山下 高博


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