2008年2月のブログ記事一覧(2ページ目)-ミューズの日記
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<あれも聴きたい、これも聴きたい> テデスコのギター室内楽

 あまり多いとは言えないが、それでも最近ではテデスコのギター五重奏曲はCDでもいろいろ聴けるようになったし、時には生演奏で聴くことも不可能ではなくなった。(現に私も一昨年村治佳織さんの独奏でこの曲の生演奏を味わうことができた)これは恐らくテデスコの音楽が日本の一般音楽界に認められ始めたというよりも、むしろクラシック・ギターというものがそろそろ日本のクラシック音楽の世界で一人前扱いしてもらえるようになってきたのではないかというような気がする。
昔、私が学生だった1970年前後は、まだまだクラシックギターというものが他の楽器と比べ価値として一段低く見られており、ギターを含む室内楽などというものは、一部のものを除いて殆んどといって良いほど聴く機会もなければレコードも手に入れることができなかった。(もっともジュリアーニやボッケリーニ、またはパガニーニといった古典の作品の中には少しは聴けるものも存在したが)というよりもちょっと過激な発言になることをお許し願えれば、当時日本ではギターを含む室内楽なんというマイナーなものに付き合ってくれる殊勝な弦楽器奏者や管楽器奏者、またはピアニストなんぞはほとんどいなかったのではないかと思う。(そんなことをすればなんだか二軍落ちしたような気がしていたのではなかろうか)そんな中、テデスコのギター五重奏曲としては当時アリリオ・ディアスがソロを勤めたエンジェルのレコードが唯一存在したのみで、そのレコードを私は自宅でワクワクしながら聴いたのを今でもよく覚えている。(アリリオ・ディアスの演奏は当時なかなかの名演であった)ましてやその他のギターを含む室内楽作品、特に現代曲などはまったくもって皆無であり、私達はただ楽譜を眺めることはあっても実際の音にしたものにはまったくお目にかかれなかったというような状態が長く続いていた。
そのころのことを思うと、今では結構その類いのCDが発売されていて、それらをあれこれ聴き比べてみるという、ひところでは考えられないような贅沢な楽しみが可能な時代となっている。

そしてその中でも私の一番のお気に入りは、今回紹介するスイス在住のギタリスト(バーゼル音楽院教授とのこと)シュテファン・シュミットという10弦ギターを弾く演奏家のCD。(写真)内容を紹介すると
① ギターと弦楽のための五重奏曲作品143(全4楽章)
② ギターとフルートのためのソナチネ作品205(全3楽章)
③ ギターとピアノのためのファンタジア作品145(全2楽章)
④ フルート、コールアングレ(イングリッシュホルン)とギターのための牧歌(田園歌)(全4曲)の以上4曲。
これらの作品は多少珍しい部類には入ると思うが、今では他の演奏家のものもないわけではない。しかし今回紹介するこのCDが最もテデスコの世界を素直に表現しているようで、私の最も気に入っているものだ。むしろ私にとっては他の演奏にはほとんど満足できないが、唯一この演奏には充分納得がいくと言った方が当っているであろうか。

“五重奏曲”は最初の出だしからしてなかなか好感がもてる。通常はいきなり弦楽がけたたましくがなりたてて少し耳にこたえる演奏が多い中、このCDの演奏はそこのところが少し控えめですんなり入っていける。弦楽のメンバーが主張し過ぎずギターを引き立てている。そしてリズムというかスピード感がとても適切な感じが好ましい。またギターのシュテファン・シュミットは恐らくこのCDでも10弦ギターを用いているのだと思うが、その音がイエペスのように妙に重くならずいかにも軽やかで自然であり、その技術もたいそう優れたものを感じさせる。最終楽章の胸のすくような爽快感と盛り上りも素晴しく、聴いていてぞくぞくさせられるものがある。録音も秀逸だが5人の演奏が作品の真価を最上級で表現しており、数ある室内楽作品の中においてもこの曲が充分一流の部類に属する作品であることを教えてくれる。これほどの演奏ならば機会があればぜひ生でも聴いてみたいと思うし、弦楽四重奏団としても他のいろいろな曲を聴いてみたい気がする。
(チーム名はQUATUOR PARISII)

次に続く“フルートとギターのためのソナチネ”も、従来ありがちな「ただ二人で合わせただけ」といった安直さは微塵もない上、それぞれの楽器に充分な必然性が感じられ、芸術の域に高く達した内容となっている。その腕前はその次に続く“ギターとピアノのためのファンタジア”でも存分に発揮されており、この一見不釣合いな組み合わせの楽器のひびきからテデスコが表現しようとした幽玄の世界が感じられ、ただの「めったに演奏されない変わった曲」という範疇を超えてなかなか聞き応えのある作品であることを知らされる。また最後の“ギターとフルートとイングリッシュ・ホルンのための三重奏『牧歌』”では、その名の通り親しみ易い旋律が随所に見られとても楽しい。これこそめったに聴けない曲ではあるが一般にもっと演奏されてもよいのではないかと思う。

演奏しているギタリストのシュテファン・シュミットに関しては先にも述べたように、10弦ギターを演奏する他のギタリストによく見られるようなこれ見よがしなわざとらしさがなく、私にとっては最も好ましい演奏をしてくれる10弦ギタリストのように思える。こちらもぜひとも他の作品も聴いてみたいものと思っているが、インターネットで調べると過去に5・6枚のCDをリリースしており、バッハからモーリス・オアナまでなかなか渋いレパートリーを持っているようで期待している。ひょっとしたらリュートの中川さんなんかはバーゼル音楽院でお知り合いではなかったかという気もするので一度伺ってみようと思う。

とにかくこのCDでは弦楽やピアノ、そしてフルートといった他の楽器の演奏者が「仕方なくギターと合わせてやった」という安直さがまったくなく、立派な芸術作品を作り上げているところが大変好ましい。このような良質な演奏をしてくれれば、世の中にはもっともっと優れたギター作品が埋もれているのかも知れないという一種希望のようなものも見えてくるというものだ。それほど今回取り上げたCDは芸術の香り高いCDといえる。そしてギタリストの名技性ばかりがクローズアップされたコンサートでなく、小さなホールでよいので、このような質の高いそして品の良い音楽会というものがもっとあったらいいのにと思わずにはいられない。たとえばラゴスニックとペーターシュライアーによるシューベルト作曲「美しき水車屋の娘」のようなコンサートのように。
内生蔵 幹(うちうぞう みき)


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徳川美術館と大曽根商店街が大曽根一帯を一層盛り上げようという目的で企画された”おおぞね雛まつり2008”をご存知ですか?

最近ミューズへいらした方
店の中に飾ってあるお人形を見ていただけましたでしょうか?
この市松人形は私の母の手作りの木目込み人形です。
母の趣味は人形を作ることでした。
たくさん作ってもらった中で私の一番のお気に入りがこの市松人形です。
なんともいえない表情の顔がたまりません。

オズモール商店街を歩いて頂くと
ミューズの他にも店頭に飾られたたくさんの雛人形を見ることができます。

徳川美術館では4月6日まで”尾張徳川家の雛まつり”という特別展が催されています。
その観覧のチケット半券でたくさんのお店の割引などの特典があります。
残念ながらミューズには特典がないのですみません。
甘味処”玄庵”の甘酒無料!手打ちそば”八千代の3色そば1100円が900円!
ラーメン陣屋の100円引き!焼肉はやしやの丸特カルビ一人前サービス!などなど
まだまだ特典いっぱいです。(詳しくはミューズにパンフレットがあります。)

私もまだ尾張徳川家の雛人形は見たことがないので一度見に行きたいと思っています。
さぞかし豪華な人形が見られるのではないでしょうか
皆さんもいかがですか?
そして、その半券でオズモールを満喫してください。

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今日のバレンタイン・ポップス・ギター・デュオ・コンサートは満席でした。
演奏者お二人の人気振りが窺えます。高岡誠さんと佐々木響士朗さんのコンビですが、お二人は非常に対照的なギタリストです。先ずそれぞれの音が全く対照的です。高岡さんは非常に繊細で多彩な音を出されますし、佐々木さんは甘く太い音を出されます。演奏も高岡さんはテンポや音色を多彩に変化させて歌う人ですし、佐々木さんはカチッとした正統派の演奏スタイルです。そんな対照的なお二人のデュオも変化があって面白い演奏でした。

デュオは全てドレミ出版の「ポップス・ギター・デュエット」から名曲を23曲、そして高岡さんのソロで沖縄の歌を2曲(芭蕉布/普久原恒勇、島唄/宮沢和史)と言うプログラムでとても楽しめる内容と演奏でした。
この曲集は非常に簡単にアレンジされており、初級者の副教材にも使われているものですが、演奏次第でこれだけ楽しめるんだと証明してくれましたね。決して難しい曲を演奏するばかりが人に感動を与えるものではないと言う見本を見せて頂いた感じです。
是非皆さんも発表会やワンコイン・コンサートなどで演奏してみてください。

<デュオの曲目>
茶色の小瓶 / アメリカ民謡
聖者の行進 / アメリカ民謡
大きな古時計 / H.C.Work
イフ・ウイ・ホールド・オン・トゥゲザー/ J.Horner & W.Jennings
別れの曲 / F.F.Chopin
ムーン・リバー / H.Mancini
エデンの東 / R.Rosenman
鉄道員 / C.Rustichelli
シェルブールの雨傘 / M.Legrand
風の丘 / 久石 譲
紅花 / 星 勝
アマポーラ / J.M.La Calle & A.Gamsel
ベサメムーチョ / C.Velazquez
美女と野獣 / H.Ashman
チム・チム・チェリー/ R.M.Sherman & R.B.Sherman
追憶 / M.Hamlisch
雨にぬれても / B.Bacharach
マリア・エレナ / L.Barcelata
エストレリータ / M.M.Ponce
フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン / B.Howard
G線上のアリア / J.S.Bach
パリの空の下 / H.Giraud
イパネマの娘 / A.C.Jobin    

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…というわけでこんにちは。最近ミューズのPCのご機嫌を損ねているらしい村田奈々です。なにをしたら言うことを聞いてくれるのでしょうか。

今日は朝から雪が降りました!
びっくりするほど積もりましたね~。夕方には一度止んだのですが、今このブログを書いている時点ではまた降りだしています。

ミューズの前では子供たちが雪だるまをつくったり、かまくらをつくったりなど、わいわいきゃあきゃあ遊んでいました。幼稚園の頃を思い出します(笑)

このような天気ですと、JRが止まったり、車に乗る際には気をつけなければならなかったりと、不便なこともありますね。

雪が降って嬉しいのは子供と犬ばかりとは言いますが、
久しぶりの雪が積もるのをわくわくしながら見ていた私でした。(えっ、子供だから?)

さて、明日は今日とはうって変わって晴れる予報が出ています!

高岡誠先生と佐々木響士朗先生の「バレンタイン・ポップス・ギター・デュエット・コンサート」がミューズサロンにて行われます。
ドレミ出版社のヒット曲集「ポップス・ギター・デュエット」から名曲を選んで、お二人が名演を聞かせてくれます。楽しみですね

席も予約でだいぶ埋まってきております。当日ご来場の方はお早めに~

また、開演は15時からです。お間違えのないようお越し下さい。
お待ちしております


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昨日あるお客様がギターの先生とギターを選びに見えました。
そのお客様は小柄な女性で以前から何度か足を運んではいろいろと試奏されては悩んでいた方です。現在は標準サイズのギターを持ってみえるのですが、弾き易い630mmのギターをと言う事で加納木魂さんのギターを2本比べられていました。

そのAとBのギターを私やその先生が弾き比べするとAは柔らかく、甘く太い音で、Bは華やかに明るく鳴ります。最初は先生もBの方が楽器の持っているキャパシティが大きい感じがするのでBの方が良いのではないかとアドバイスされていました。
しかし、その女性が演奏するとAの方がしっかりした音が出て、演奏も自信のある、音楽的にも良い演奏になるんですね。

AとBの違いはボディーの大きさだけです。弦長も同じ630mm、ネックの幅もゼロフレットで50mm、12フレットで60mmと全く同じ大きさです。製作者も同じです。Aはボディーの横幅がスリムに作ってあります。縦寸法は全く同じです。これはお子さんや体の小さい方用に私が依頼して作って頂いたギターです。

先日も藤井敬吾さんの公開レッスンで姿勢と左手の構えを直しただけで左小指の力が何倍にも大きくなったお話をしました。つまり姿勢によって如何に楽に、小さな力で指先に大きな力を伝達出来るかという事です。この事が改めて私の脳裏に蘇りました。この女性の体にAのギターが合っていたんです。従って楽な、正しい姿勢で演奏できるんですね。その為に出てくる音が違うだけでなく、演奏内容、音楽まで違ってきたんです。一番の良い例が、その女性が「11月のある日」の後半の最初のフレーズでセーハをする難しい箇所をAのギターでは三弦の音もチャント出るのに、Bのギターでは出なかったんです。弦長とネックの太さは同じなんですよ。

最終的に先生も私もこの女性には断然Aのギターだと確信を持ち、ご本人もそれで決断されました。どちらかと言うとBのギターの音色の方が好きだと仰っていましたが、体に合っている事から来る、演奏のし易さ、出てくる音と音楽の違いからAを選ばれました。

改めて如何に体に合ったギターが大事かと言う事を再認識しました。ショートスケールは鳴らないとか、ボディーが小さいと鳴らないと言う思い込みは捨てなければいけません。体に合ったサイズのギターで、弾き易い事が音にも演奏にも影響すると言うこと、姿勢が如何に大事かと言うことを改めてガッテンした次第です。

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