消防士 兼 旅人の日記

消防署での出来事、ダラダラした日常生活を綴ります。

SAH

2013-04-19 22:49:35 | 消防・救急
前回の当番は11件。もうね、疲れた…しか言えないような感じで1当直を終えました(苦笑)

予想してたとおりに毎当番忙しく、出場しっぱなし。ご飯は食べれず、仮眠もまともにとれず、署にも家にも帰れず。

引継ぎ終わっても報告書の作成が終わらず、お昼ちょっと前までは残っていました。反対番の上司に、『昼飯食ってくか?』って言われる始末でしたし


さて、今日のお話はタイトルにある『SAH』。またの名を『クモ膜下出血』と言います。何となく聞いたことあると言う方もいらっしゃるのではないでしょうか。

簡単に説明しますと、脳は上から硬膜、クモ膜、軟膜と言う3つの膜があります。このクモ膜と軟膜の間にはクモ膜下腔と言う隙間があって、そこに出血が生じた状態です。

多くは脳動脈瘤の破裂によるものですが、頭を強打したことによる外傷性のクモ膜下出血と言うのもあります。

ちなみに『SAH』はザーと読んでいるもの。本当のことを言えば、語学的には間違いであるとの話を聞いたことがありますが、長くザーと読まれているようですし、我々もドクターなど医療関係者もザーとよく言っているのを耳にします。


症状は突然の頭痛や嘔吐。今までに経験した事のないような、強烈な持続性の頭痛が特徴。じわじわ痛くなるようなことはなく、突然に頭痛がやってくる。

そして意識障害。これは必ずしもと言うわけではないが、場所や程度によっては意識障害をきたす。何度かクモ膜下出血の傷病者を運んだことがありますが、現着時から意識が無かったり、反対にお話はできるものの、何となく言ってることが噛み合わなかったり意味不明だったり。

初発で命を落とすこともありうるし、後遺症が残ることもある。一度やってると、再発もありうる病気。高齢の方と言うよりはむしろ働き盛りの年代で好発する。

高血圧や喫煙、過度な飲酒はリスクファクターになるし、どうやら遺伝性のものでもあり、身内にクモ膜下出血をやってる人がいた場合、リスクは上がるらしい。


と、もっと特徴的なものがあったりするのですが、簡潔に書くとこんな症状が出ます。突然の強烈な頭痛と書きましたが、意識障害を起こしてしまえば痛みを訴えることができませんし、過去にはそれほど頭の痛みは無いけど、項部硬直があったり言動が不明瞭だったり…なんてこともありました。

頭をぶつけてしばらくは大丈夫だったけど、やがて吐き気が出たり、言動がおかしくなって119番したってこともありましたね。


過去に『心筋梗塞』と言うタイトルで記事を書き、こんな症状があった場合は躊躇せずに救急車を呼んでほしいとお願いしました。

今日はクモ膜下出血の症状を書き並べてみましたが、こんな症状が出た場合はやはり躊躇せずに救急車を呼んでほしい。脳疾患の中でクモ膜下出血は死亡率も高いものですから。



明日は仕事です