消防士 兼 旅人の日記

消防署での出来事、ダラダラした日常生活を綴ります。

救急車?必要ですか?

2012-06-18 14:44:16 | 救急隊の本音
前回は1件の出場、夜中はありませんでしたが、真夜中の時間帯に通信勤務が入っておりましたので、仮眠は途切れ途切れでした。

この日にあった救急出場も、『救急車じゃなくても良かったのでは?』と思うような事案でしたが、他署に応援で行っていた先輩が帰り際に言ってた事案も、『救急車?』な事案。

救急車じゃなきゃダメなの?と言うよりも、じゃあ何で救急車呼んだんだ…って。呆れかえるような、腹ただしいような、そんな事案でした。



夕方の、子どもの発熱。

38℃台の熱が2日前から続き、熱が下がらないため救急要請。玄関前で救急車を待っており、抱きかかえられたまま車内収容。

バイタル測定しましたが、確かに熱はある。でもそれ以外はこれは明らかにおかしいと言えるような数値ではなく。

近所の小児科は休診であったために救急要請。救急要請に至る過程からバイタル測定、既往症や現病歴等を聴取して病院連絡。

もう休日夜間の診療体制であったために診察可能な病院は限られています。その点を説明し近くの病院から収容依頼をしていきましたが、一番近い小児科対応の病院は収容不能でした。


直近の病院が断られたので、隊長は次の病院をあたる。次の小児科対応の病院は少し遠くなることを説明しましたが、親から『じゃあ(病院)行かない』と。

既に病院と話をしている最中で、収容可能とのお返事を頂いて傷病者情報を病院へ伝えている最中でしたが、どうしても病院には行かないとのこと。病院スタッフの準備もしていたところですが、丁重に謝ることになりました。


(重症度・緊急度はここでは別にして)病院に連れて行きたいから救急車呼んだんじゃないの?

病院が遠くなるなら行かないって、それは親の勝手な都合なんじゃないの?


あくまでも聞いた話ですが、久々にガッカリと言うか、腹ただしい事案。そう言えば過去にも同様の事案に私も出場したことを思い出しました。


だったら何でもっと早く病院に連れて行ってやらなかったんだ。

救急病院が夜でも診察しているのは、急な入院を要したり緊急に処置を要する人たちのためにあるんだ。コンビニのような感覚で来るものじゃないんだ。

そんな人たちが本当に多すぎる。もしこの間に重症・緊急度の高い事案が発生して、近くの救急車がいなかったがために…なんてことがあったらどうするんだ。


もし自分の周りで真に救急車を要するようなことが起こり、直近の救急車がくだらない理由で呼ばれていたがために遠くから救急車が来ることになったら…。

そんなことをちょっと考えてみてください。少なくとも、これは救急車なんて必要なかった。そんな事案でした。


救急車は、命を救うために急ぐ車。救急車が必要だ!呼ばなきゃダメだ!の時には躊躇することなく呼んで頂いて構わないものですが、今一度救急車の利用について考えてみて頂けたら幸いです。