消防士 兼 旅人の日記

消防署での出来事、ダラダラした日常生活を綴ります。

呼吸困難

2009-01-30 23:04:48 | 消防・救急
昨日も7件。特に忙しいと感じてはいなかったのですが、気がついたら7件出ていた…と言う様な1当番でした。

またしても夜中に出場し、あまり眠れませんでしたが…


昨日印象的だったのは、呼吸困難症例2連発。

一つは喉頭浮腫により自発呼吸があったり無かったりの繰り返し。

もう一つは喘息発作によるものでした。


喉頭浮腫の症例は、現着した時点で苦しそうにしていましたがこちらの呼びかけには何とか応じれる状態。持病で呼吸困難になると会話不能になることが予想されるために、あらかじめかかりつけの病院の医師が作成した紙を救急隊に見せてきました。

その紙には救急隊にやって欲しい処置が書かれていて、この発作が出たときは必ず受け入れるからこの病院に連れてきて欲しいと書かれていました。

その紙どおりの処置を行い、書かれていた病院に連絡。

自発呼吸がなくなった時は一瞬あせりましたが、CPAにはならなかったし補助呼吸しながら病院に搬送しました。


次にあったのは喘息発作。

喘息発作で呼吸が苦しいとの家族からの通報。現着時傷病者は右向きで寝かされており、毛布がかけられていました。

呼吸困難症例ですと寝かせるのは禁忌ですので、すぐさま座らせた体勢に。

SpO2の値も良くなかったので高濃度酸素投与を実施。

家族に喘息の薬を持ってきてもらうよう指示するも、薬のありかが分からない。

他に病気を持っていないか、過去に病気をしていないかを聴取しても分からない。
かかりつけの病院もわからない。

さぁ困った。本人は苦しそうですので答えさせるのは酷ですし…。

もう外来診療のやっていない時間だったので、内科の当番病院に連絡して搬送しました。


本人が喋れない状態で、家族がいるのに何も分からない状況。

一緒に住んでいる家族。もう少し家族のかかっている病気だとか、かかりつけの病院だとか。そういう情報を共有していて欲しいなと思った事案でした。

そうすればもう少し活動もやりやすかったでしょうね。


以前同じような呼吸困難の症例で、酸素投与しながら搬送したもののどんどん意識レベルが悪くなり、病院に着く直前にはⅢ桁(呼びかけても開眼しない)まで落ちたこともありました。

救急処置室で意識レベルは回復したのですが、翌日あの患者さんどうなりました?なんて医師に尋ねたら、お亡くなりになりましたなんてこともあったのです。

あれだけ意識レベルが回復して、病院引揚げる時には普通に会話もできていた。救急隊のみなさんありがとうなんて自分で言えるぐらいになっていたのに…。あれはちょっとショックだったな。


それ以来、呼吸困難症例に対してはより慎重に対応するようになりましたし、すぐ補助呼吸できるようにバックマスクも前もって準備するようになりました。


人間呼吸をしなければ死んでしまう。その呼吸をするのが困難になるのだから緊急性は高い。こんな方々のように、緊急性のある人を運ぶための救急車です。

救急車の適正利用にご協力くださいね。


明日はお休み。

夕方から同期会があります