消防士 兼 旅人の日記

消防署での出来事、ダラダラした日常生活を綴ります。

意識障害

2009-01-28 21:01:41 | 消防・救急
昨日は寝てしまい更新できませんでした

前回の当番は7件、いつもと同じぐらいでした。私が休んでいる間に忙しかった日があったらしく、一睡もできなかったらしいです


さてこの間扱った事案で、原因の特定が現場では困難な症例がありました。


乗用車の単独交通事故により、60歳代の男性が負傷との内容。

現場到着したところ、傷病者は周りの方たちによって車外に出されている状況でした。


すぐさま傷病者の観察をすると同時に、車の損傷程度を確認。

傷病者の意識は、開眼はしているものの見当識障害があり不穏状態。自分の名前や生年月日は言えましたのでレベルはJCSⅠ-2程度。

車の損傷具合はたいしたことが無く、バンパーが少しへこんでいたぐらい。徐行ぐらいのスピードでぶつかったものと思えるような感じでした。

運転を誤ってぶつかったと言うよりは、何か内科的疾患が原因で意識がおかしくなりぶつかったものと推測。

不穏状態+言動がはっきりしないし支離滅裂なため、脳の疾患を疑う。

観察の結果麻痺はないし、瞳孔も対抗反射(+)の左右差もなし。

バイタルも脈が速い他は特段に異常を認めるような数値はでませんでした。


しかし脳に異常が起こっている可能性が捨てきれないのと、外傷自体はたいしたことがなかったために脳外科優先で病院を選定し搬送。現場出発前に家族と連絡が取れ、既往に糖尿病があることを聴取しました。

搬送先の病院で医師に申し送り。既往に糖尿病があるとの事なのでバイタルの他に血糖値も測定。その結果、高血糖と言うことが発覚。

念のためCTも取りましたが、脳に異常は認められませんでした。


意識障害の原因は高血糖によるものだったのか…。

そうだよなぁ、麻痺は無かったし、瞳孔も異常無かったし。

既往に糖尿があるって知ったとき、そっちからも考えるべきだったなぁと勉強になった事案でした。

とは言っても、救急車には血糖値を測る機械なんて無いので、分かったところで処置のしようも無いのですけど…


日々勉強ですね。


明日は仕事です。