中国の反日デモを英米の新聞記事は当局に管理されたものとして報道している。
私服警官による参加者の先導・扇動が行われているということが根拠だった。
他方、デモの参加者が政府批判を口にした瞬間、催涙ガスが飛んできた、という報道もある。
中国政府はこれまでのところ、デモの管理にある程度成功しているように思えるし、おそらくその自信があるのだろう。
中国の在留邦人のtwitterは、それほど治安の変化は感じないというものも多く、メディアから伝わってくる非常事態の雰囲気も、どこまで本当なのかは分からない。
さて、ここから出てくる問いは、どこまで反日デモが国家主導によるものなのか、ということ、
仮にそうだとして、政権内部の権力闘争がそこにどこまで反映されているのか、ということである。
日本への圧力は、総じて3種類ある。
ひとつは、大使館や日本企業などへのデモを含めた直接の抗議行動(攻撃を含む)、
もうひとつは、海上での漁船の派遣、さらに軍艦の派遣、
3つめが、旅行のキャンセル、取引の停止などといった経済的な圧力である。
これらをすべて国家主導のものとして捉えることが可能なのだろうか。特に3つめは、私企業の活動範囲でもあり、それぞれの自発的意志に基づくものでもあるだろう。
結局、国家主導と自発性の間のどこかに意志決定の現実があると考えることが妥当だろう。
問題は中国政権内部の意志決定なのだが、それがどういうアクター間の権力闘争の結果なのか私には分からない。
現政権に対抗する勢力や、軍などの治安部門に関する勢力の存在が指摘されるが、私はこれについての信頼に値するような報道をまだ目にしていない。
だから、これについては何とも言えない。
すべて憶測の域を出ない。残念ながら、憶測はあくまで憶測にすぎず、仮にそれが当たっていても、偶然当たったということ以外何も意味しない。
(北朝鮮関連のジャーナリストはまったく憶測勝負で意見を出してきたが、今までのところ、あまり正解を出していない。)
ただ、これだけは確かなのだが、国家の意志決定が一枚岩であることはない。
それは全ての国がそうだから、疑いえない。
これまで政権を担ってきた中国の経済的な利益を優先する合理的エリートがどういった状況にあり、どういったシナリオを考えているのかが重要だと言えよう。
外交によるコミュニケーションは、国家の意志決定においては、よっぽどの軍事力や経済力がない限り、大した影響力を持たないことが多い。
なぜなら、外交とは妥協であり、損を許容することが外交なのだから、政権内部の(利益を全部を得ようとする)極端な意見に必ず敗北する運命にある。
そういうわけで、外交を担う人間はこういった明確な(しかし、あやふやな)国益をめぐる交渉においては、間違いなく国内で攻撃に合う。
だから、外交的決着とはすなわち、内部の勢力図を正確に把握し、協力可能な勢力と可能な限り連帯し、彼らが自国で殺されたりしないギリギリのところに妥協点を見いだすことである。
つまり、そのためには双方の国内勢力図を正確に把握することが不可欠になる。また、穏健な勢力との強力なパイプラインによって外交上の連帯を確かなものにする必要がある。
そして、同時に自国の政権がかなり安定したものでなければならない。そうでないと、政権が変わり、外交決定が覆される危険が出てくるため、外交上の妥協を双方が避ける可能性が高まる。
日本は、現状維持を覆して打って出たものの、政権が不安定なうえにパイプラインもない。
つまり、強力な仲介をしてくれる第三国の白馬の王子様が来るのを星にお願いするか、中国国内の勢力図がおかしなことにならないように神様にお祈りするしかない。
外交交渉に失敗して双方の軍艦が海上で対峙することになった場合、本国の(とりわけ中国の)意志決定は現場に支配される可能性が非常に高くなる。
戦争の歴史はすべてそうである。
核兵器がある現代において全体戦争の危険性は逆にないとしても、ドンパチが始まる結果生じるダメージは非常に大きい。とりわけ、双方にとって経済的損害は多大なものになるだろう。
だが、その結果、利益を得る勢力というのもいるのであって、そうした行動は必ずしも不合理ではない。
問題は、誰の合理性が権力闘争のなかで勝利するかである。
私服警官による参加者の先導・扇動が行われているということが根拠だった。
他方、デモの参加者が政府批判を口にした瞬間、催涙ガスが飛んできた、という報道もある。
中国政府はこれまでのところ、デモの管理にある程度成功しているように思えるし、おそらくその自信があるのだろう。
中国の在留邦人のtwitterは、それほど治安の変化は感じないというものも多く、メディアから伝わってくる非常事態の雰囲気も、どこまで本当なのかは分からない。
さて、ここから出てくる問いは、どこまで反日デモが国家主導によるものなのか、ということ、
仮にそうだとして、政権内部の権力闘争がそこにどこまで反映されているのか、ということである。
日本への圧力は、総じて3種類ある。
ひとつは、大使館や日本企業などへのデモを含めた直接の抗議行動(攻撃を含む)、
もうひとつは、海上での漁船の派遣、さらに軍艦の派遣、
3つめが、旅行のキャンセル、取引の停止などといった経済的な圧力である。
これらをすべて国家主導のものとして捉えることが可能なのだろうか。特に3つめは、私企業の活動範囲でもあり、それぞれの自発的意志に基づくものでもあるだろう。
結局、国家主導と自発性の間のどこかに意志決定の現実があると考えることが妥当だろう。
問題は中国政権内部の意志決定なのだが、それがどういうアクター間の権力闘争の結果なのか私には分からない。
現政権に対抗する勢力や、軍などの治安部門に関する勢力の存在が指摘されるが、私はこれについての信頼に値するような報道をまだ目にしていない。
だから、これについては何とも言えない。
すべて憶測の域を出ない。残念ながら、憶測はあくまで憶測にすぎず、仮にそれが当たっていても、偶然当たったということ以外何も意味しない。
(北朝鮮関連のジャーナリストはまったく憶測勝負で意見を出してきたが、今までのところ、あまり正解を出していない。)
ただ、これだけは確かなのだが、国家の意志決定が一枚岩であることはない。
それは全ての国がそうだから、疑いえない。
これまで政権を担ってきた中国の経済的な利益を優先する合理的エリートがどういった状況にあり、どういったシナリオを考えているのかが重要だと言えよう。
外交によるコミュニケーションは、国家の意志決定においては、よっぽどの軍事力や経済力がない限り、大した影響力を持たないことが多い。
なぜなら、外交とは妥協であり、損を許容することが外交なのだから、政権内部の(利益を全部を得ようとする)極端な意見に必ず敗北する運命にある。
そういうわけで、外交を担う人間はこういった明確な(しかし、あやふやな)国益をめぐる交渉においては、間違いなく国内で攻撃に合う。
だから、外交的決着とはすなわち、内部の勢力図を正確に把握し、協力可能な勢力と可能な限り連帯し、彼らが自国で殺されたりしないギリギリのところに妥協点を見いだすことである。
つまり、そのためには双方の国内勢力図を正確に把握することが不可欠になる。また、穏健な勢力との強力なパイプラインによって外交上の連帯を確かなものにする必要がある。
そして、同時に自国の政権がかなり安定したものでなければならない。そうでないと、政権が変わり、外交決定が覆される危険が出てくるため、外交上の妥協を双方が避ける可能性が高まる。
日本は、現状維持を覆して打って出たものの、政権が不安定なうえにパイプラインもない。
つまり、強力な仲介をしてくれる第三国の白馬の王子様が来るのを星にお願いするか、中国国内の勢力図がおかしなことにならないように神様にお祈りするしかない。
外交交渉に失敗して双方の軍艦が海上で対峙することになった場合、本国の(とりわけ中国の)意志決定は現場に支配される可能性が非常に高くなる。
戦争の歴史はすべてそうである。
核兵器がある現代において全体戦争の危険性は逆にないとしても、ドンパチが始まる結果生じるダメージは非常に大きい。とりわけ、双方にとって経済的損害は多大なものになるだろう。
だが、その結果、利益を得る勢力というのもいるのであって、そうした行動は必ずしも不合理ではない。
問題は、誰の合理性が権力闘争のなかで勝利するかである。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます