台風一家という言葉があるけれども、まさしくイタリアから来た台風一家が今朝帰っていった。
なかなかどう付き合えば良いのか分からなかったシルビアとも、なんとなく仲良くなった。
マンマには沢山のことを教わった。
バレはふたりと一緒にロンドンへ行き、そこでジュビリーの記念式までいる予定。
渡英直後のラケルもそこに加わる予定だという。
僕はその大々的な休日にロンドンへ行く気にはなかなかなれない。
王室関係のグッズをイタリア土産に買っていった彼らは、まるで一種の王党派のようでさえあったが、彼らの本国では王族を第二次大戦後に追放したために王室はない。
まったく英国王室というものがどれだけの観光資源であるのか、イギリスに来て初めて気付かされる。
アメリカ人はもちろん、ヨーロッパ人も結構英国王室好きがいるらしい。
イギリスの真の主要産業は、クイーンズ・イングリッシュと王室なのかもしれない。
もう一つ加えるなら、旧植民地とのネットワークか。
まったく19世紀の遺産のみで食っているのだ、この国は。
急にさびしくなったというべきか、ようやく落ち着いたというべきか、いや明らかに後者なのだが、ひっそりとしたこのフラットにはエースと僕だけになった。
エースについては色々書きたいことがあるのだが、まだ難しい。
自分のなかに無い新しい言葉が必要で、まだ書けない。
夜、予定になんとなく入っていた韓国料理パーティに行く。
一応、持ち寄りだが、ほとんどの料理を韓国人の子が作ってくれた。
とても美味しい料理ばかりだった。アジア人の女の子の料理上手は本当にうれしい。
唯一まずかったのは、ロシアのビールなのだが、そのまずさは今まで飲んだ飲み物のなかでもダントツと言ってよいレベルだった。
さすがロシア!!
前回のアジア・パーティのネットワークがまだ生きている。
なんだか最初の年に戻ったような気持ちになる。
キャンパス内の寮でアジアの留学生たちと食事をするのはとても懐かしい。
とはいえ、僕にとってそれは、最初の年にもそれほどやらなかったことだったから、やり残したことをやっているという感じでもある。
とにかく、後輩に感謝するしかない。
それと、パーティのなかで普段とは違う後輩の良さがよく出ているのが良かった(普段もそんなに知らないが)。
駄目な先輩として、「その良さをこれからもどんどん伸ばしてください」と心のなかでそっと思ったのであった。
集まったメンツはとても気さくな子たちばかりだった。
私は全くもって気さくさに欠けているなあと思いながら楽しく過ごした。