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「プレアデス星訪問記」 上平剛史著 たま出版

2018-04-17 17:54:35 | 思想、哲学、宇宙論

すでにある自然の中にすべての真実が隠されている




   小型宇宙船は大きな皿状の構造物の上にゆっくりと降り立った。
   タラップを降りて自走機に乗り、市長室の前に着くと、友人の宇宙大使がドアの前で手をかざした。するとドアは、音もなくスーッと開いた。中にはにこやかな若い女性が待っていた。

   「どうぞお入り下さい。お待ちしていましたよ。
   私はこの首府の都市アーラの市長、アーサです。慣れない宇宙の旅でお疲れでしょう。どうぞかけて楽にしてください。今、元気の出る美味しい飲み物を差し上げますから。」

   「始めまして。私は地球にある国の一つの、日本に住んでいる剛史というものです。」

   「剛史のことはわかっています。
   私たちはある大事な目的のために、あなたをずっと待っていました。」

   アーサは指をピン! と鳴らした。
   すると私の前にピンク色のジュースの入ったグラスが出現した。彼女はもう一度指を鳴らして、今度は宇宙大使の前に同じものを出し、最後にもう一度鳴らして自分の前にも出した。私は手品でも見せられたのかと思ったので、飲んで確かめてみたが、一口飲んでその美味しい味にびっくりしてしまい、一気に飲み干してしまった。見ると宇宙大使も飲み干している。アーサが言った。

   「これは手品でも魔術でもなく、私の思念が創造した産物です。
   『思考は目に見えなくても生きているものであり、精神は感応する』という性質を、私たちは宇宙科学に応用しました。宇宙ジャンプやテレポート、非物質化、物質化現象を応用することで、光よりも速く飛べる宇宙船を開発しました。ですから光の速さなら何百年、何千年、何万年かかる距離であっても、我々の宇宙船なら一瞬のうちに目的地に着くことができます。」

   「それはここに来るまでに船長に見せてもらいました。
   そのときにも思ったのですが、普通の生活でもこのようなことができるのであれば、野菜を作ったり、魚を獲ったりする必要がないですね。自分の思いによって、好きなものや料理を出せばいいわけですから」

   「剛史、それは違います。
   私たちはいつもこの能力を使うわけではありません。ちなみに我々は日常生活で、農業や漁業、園芸もやります。また必要な生産作業によって得た収穫物を加工し、利用して、食糧や飲み物にしています。私たちも額に汗して、地球人と同じように働くのです。それもできる限り、自然を尊重して自然の姿に従うようにしています。

   ただ地球人と私たちの違いは、私たちはあらゆる面を機械化、ロボット化しており、大半の作業はそれらに任せているというところです。先ほどお見せしたジュースの物質化は、「人間にはこういうことも可能で、私たちはそれを宇宙科学に応用している」ことを、あなたに教えるためにやって見せました。私たちも家庭ではちゃんと料理をして食事を作ります。」

   「また地球と私たちプレアデスの社会では、人が亡くなった時の処理の仕方は違います。街にはどこでも必要と思われる場所に、『平安の家』という小さな家が設置されており、そこには『やすらぎの器』という機械が置かれています。これは突然行き倒れになった人のためのもので、そういう人を見かけたら、通りすがりの人がその人を「平安の家」に運び、「安らぎの器」に乗せてあげます。機械はその人の魂が身体を離れて昇天しているかどうかを判断し、まだ死亡していなければ生存していることを知らせ、どこへ連れていくべきかの指示を出します。

   なぜなら誰もが必ず連絡先の書かれたカードかチップを携行しているので、それを見て家族に連絡します。家族がない人の場合は役所へ連絡が届き、奉仕希望者に来てもらいます。魂が身体を離れている場合には、本人の所持品のカードやチップから家族に連絡がいきます。家族が近くにいる場合はそこまでやってきますが、ほとんどの場合連絡を受けた時点で家族は、「カードを入れてください」と頼みます。

   つまり『やすらぎの器』という機械は遺体処理機であり、カード(チップ)を機械に入れると遺体処理機が作動し、肉体は完全に分解されて跡形もなく消滅します。しかし魂がまだ肉体にある場合は、処理機は絶対に作動しない仕組みになっています。カード(チップ)に残る記録や遺体の記録、死亡原因なども含めて、それらは役所のコンピューターに送られて記録されます。

   人が亡くなった時、私たちの社会では地球人のように悲しんだりしません。
   なぜなら『肉体の消滅とは、本人が次の生まれ変わりに向かったことであり、それは本人にとって喜びであることを知っている』からです。また私たちの科学は、本人に会おうと思えばいつでも会えることを可能にしているからです。

   私たちの科学は進歩したので、過去や未来に自由に行くことができます。
   つまり霊界という別次元にも自由に出入りができるので、本来の姿である魂本人に会って話すこともできます。地球人にとっては未だ信じられないような話かもしれませんね。」

   「日本にも『イタコ』と呼ばれる霊媒の人たちがいます。自分の霊を飛ばして、使者の霊と対話するそうです。」

   「まさにそうで、私たちはそれを分析し、応用したのです。
   すでにある自然の中には真実が詰まっており、そこにはすべてが隠されています。私たちはすでにある自然の中からそれを見つけ出し、解明していかなければならないのです。それをするために神は人間に知恵を与えられたのです。その知恵を使ってあらゆる困難を乗り越えていくようにと。」

   「ところで地球人の目から見て、私は何歳くらいに見えますか?」

   「若い女性ですから、20歳前後くらいでしょうか」

   「まあ、剛史は口が上手ですね。私はその十倍は歳を重ねています。」

   「エッ、200歳ですか! とてもそのようには見えませんが」

   「私たちの社会は『愛の奉仕行動を基本とする社会』なので、争いや競争がなく、貨幣経済に振り回されて精神的にダメージを受けることがありません。ですから医療費に悩むこともなく、バランスのとれた食生活が送れて栄養も行き届いています。、そして自然と共生する生活を送っているので、歳を重ねても若さが失われないような体質になっているのです。

   この母星のプレアデスは寒からず、暑からずの温暖な気候なので、地球人のように体力を消耗することがありません。また科学と医学が高度に進化していることから、プレアデス人は地球人の数倍は長生きできます。それに太陽と私たちの惑星はバランスがいいので、生命の発生や成長、細胞維持のためによい条件が揃っており、肉体が長持ちするのです。だからすべてがイキイキしています。さあ、時間を無駄にしないように、宇宙大使に次を案内してもらってください。」


             「プレアデス星訪問記」 上平剛史著 たま出版

                        抜粋したもの




     
   






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