
先月25日発売の、月刊ホビージャパン5月号に模型のお仕事が載ってます。お題はボーダーモデル 1/35「日本陸軍 二十八糎榴弾砲 日露戦争 1905」です。
上の写真を見て大砲やミリタリーに興味のない方でも「おやこの大砲は見たことあるぞ」という方もおられるのでは。この大砲は日露戦争時、旅順要塞攻略戦で活躍した砲で、同戦争を題材にした作品には必ず出てくるといっても過言じゃないですね。ってか、出さざるを得ないくらいの功績があるのですね。
短砲身のずんぐりした特徴のあるスタイルなので、インパクトもあって日本軍の大砲、っていうか古今東西の大砲の中でも有名なもののひとつではないでしょうか。この砲はもともと日本国内の要塞の防備用として開発製造されたのですが、日露戦争での旅順攻撃が難航したため、わざわざ現地に運ばれ要塞攻略の鍵となったのでした。
キットはとてもよくできてまして、楽しく製作することができました。自分の好みで、第二次大戦後、国内の要塞に据えられたまま朽ちていく姿を情景にしました。

記事にも書きましたが、戦後撤去もされずこういう風にそのまま遺棄されるということは有り得ません。また、その大砲を絵に描く女学生を添えてますがこれまたちと苦しいシチュエーション。でも、まあいいじゃないですか!オッサンのメルフェンなの!!(笑)という情景です。
女学生はミニアートのフィギュアをベースにほぼ自作しました。

誌面では完成形はUPで載ってない(塗装前のは大きく載せてくれてます)のでこちらでUPしますね。
こういう情景にしようと思ったのは、25年ほど前この砲が据えられていた要塞跡に行ったことがあるからでした。キットを手にしてあれこれ考えてたら思い出したんですね。和歌山の友ヶ島です。

ご覧の通り、まあ凄い遺構です。写真は訪問時なので現在どうなってるかはよくわからないのですが、当時よりは整備が進んでるそうですね。
で、これが恐らく二十八糎砲の台座。

今回の作例で水が溜まってるのは、こういう感じだったことを思い出したから、というわけですね。
この訪問記は、以前当ブログでも紹介してますのでよろしければどうぞ。↓
また行ってみたいですね。
こちらが掲載誌の表紙です。カラー3Pで紹介されています。

よろしければぜひご覧ください。で、ホビージャパンってコンビニでも売ってるんですね。ボケーっとビールとかを買いにコンビニに入って掲載誌が売られてるのを見たらドキッとします。だからどーした!なんですけど、やっぱドキッとします。「えへへ」じゃなくて「うわわわ!」ってなるんですね(笑)
ほんとどーでもいー話ですね。すいません。さて、大砲は戦争ではかなり重要な役割を担っている兵器なのですがやっぱり戦車や戦闘機、戦艦などに比べると地味なのでプラモ的にもあまり恵まれてませんね。キットはそれなりに出てるんですけど、あんま作ってる人がいないような。
でも個人的には割と好きでして、ちょこちょこキットを集めてます。今回はその中からいくつか紹介してみます。手持ちのキットはこんな感じ。

まあ全部じゃないんですけどね。AFVモデラーの平均として多いのか少ないのか、よくわからんですね。でもまあ今回拙宅各所に分散してるのを集めてみたら案外あったなあ、という感じです。
これはもう説明不要のタミヤ88ミリ砲。1500円版ですから初版じゃないですね(新発売時は1000円)。

でもピンセットなどの袋が収まる、飾りの仕切り(っていうのかな?)が入ってて箱の大きい初版型です。

箱の程度がかなり悪いんですけど安かったし(1000円!)まあいいでしょう、という。
もったいなくて作れないので、作る用にこないだ買ったのが上に重ねたやつ。箱が小さいでしょう。

でも、これも貼り箱の小鹿版なんですね。小鹿版から箱が小さくなってたんですねえ。知らんかったです。これは大絶賛製作中の8トンハーフに引っ張らせるべく作るつもり。
タミヤ繋がりで次はこちら。ドイツ・7.5センチ軽歩兵砲18型。ホワイトメタルキットです。シュリンクのパッケが素敵すぎます。

タミヤはこれと米のパックハウザーの2種を「1/35ホワイトメタルシリーズ」として発売しまして、それきりになっちゃったのでした。発売時価格が1800円と高額(先ほどのハチハチより高いわけで、、、)な上に、ややマイナーなアイテム、さらに製作が難しそうなメタルキットという3連コンボであまり売れなかったのでしょう。なのでこの2種だけなのです。
とにかくチャレンジングなタミヤらしいとても意欲的なシリーズだったと思うんですけどね。かなり早過ぎたのでしょう。確か、欧米のホワイトメタルモデル文化を日本にも!みたいな狙いで始めたと何かで読みました(未確認情報)。うーん、ほんと残念。このキットも作りたいんですけど、結構美品な上、今では並品でも出てこなくなりました。作っても惜しくない程度の箱のを入手できたらなあ、とは思ってるんですが、、。うーん、、。
メタルキットはなぜか大砲と相性がいいのか、他のメーカーからもあれこれ出てますね。こちらはグンゼハイテックのFH18とピットロードのソ連の152ミリ砲。

これはどちらも頂きものです。それぞれ別の方から頂戴しました(ありがとうございます)。どっちも高いのに、ありがたいことです。FHは、持ち主が小さくするために箱を潰してて、私が別の箱(72の零戦の)に入れて保存してます。
メタルキットはとにかく重量感があっていいですね。これは152ミリ砲の中身。

蓋を開けて「うんうん、よーでけとる」とうなずいて、箱を閉めちゃうやつですね(笑)まあでもこれは作りたいなあ、、。メタルキットはゴージャスで、とにかく重いのがいいです(笑)
こちらもメタルキットですね。ファインモールドの九四式速射砲と一式機動砲。どっちも傑作です。

どちらも、いつかインジェクションで出してくれるかもと思って、手をつけれないまま今に至っております。でもまあ今時はもうキット化は難しいですかね、、。どっちも日本軍の砲としては有名だし、情景にもしやすいのでアイテム的にはいいと思うのですが、やっぱちと厳しいかな、、。
九四式はノモンハンの情景で作るつもりで買いました。箱絵、カッコいいですよねえ。一式機動砲も戦闘中の情景を作るつもり。アフターパーツの真鍮薬莢もアホほど買って(ファインさんの在庫が発見されて発売された時に買い占めた)、スタンバッテるんですけどねえ。

一式は多分一番M4シャーマンを破壊した日本軍兵器です。そう考えると凄みがあるように見えてきませんかそうですか。ほんとインジェクションで欲しいんですけどねえ、、。
最後はこちら。四一式山砲は、連隊砲、山砲兵はいくつか買いました。HJ誌の作例も作りましたねそういえば。

で、その後個人的に買ったのは、実はフィギュアが欲しかったからという(すいません)。両キットのフィギュアは、動きがある日本兵フィギュアとして貴重なんですよほんと。戦闘中のポーズにとても改造しやすいんです。なので砲だけが残ってるのでした。砲だけ作って、ベースに置くだけでもカッコいいかな?と思ってるんですけどね。
タミヤのPAK40は、300円の初期版なので作るのはちともったいない(こんなのばっか)。買いなおして作りたいです。これも子供の頃作って楽しかったなあ、と。ハチハチもそうですけど、今そこそこ大砲が好きなのはタミヤの火砲キットのおかげかもしれませんね。タミヤMMがなかったら、大砲について知ることはまあほぼなかったでしょう。とはいえ、戦車でも装甲車でも、MMがなかったら、、、と考えるとみんなそうなんですけど。凄いシリーズなんだなあ、と思いますほんと。
ピットロードの九〇式機動砲も作りたいですねえ。この砲はスタイル的にもなんかかっこいいなあと思ってます。対戦車戦闘の情景とか作りたいです。日本軍の砲だと、九六式十五糎榴弾砲とか欲しいんですけどねえ、、。ピストルピートの情景も作りたいなあ、と。
とかとか作りたい作りたいといいながらも、これらはずっと作らないまま何年も経ってるのでした。まあ、新しいのを欲しがるのはこれらを作ってからですねえ。で、大砲キットって、ほんと楽しいですよ。完成後、戦車や装甲車などの車両とはまた違った不思議な満足感があります。未経験の人は一度作ってみることをお薦めします。
大砲はアイテム的に各部を隠す事ができずモロむき出しなので(当然ですが)省略が難しく、キット化する際は手が抜けないので、どのメーカーのもちゃんと再現しています。なので作りながら構造を理解することもできます。そういう意味ではバイクのキットに近いかもですね。そんなこんなで、ミリタリーだけでなく機械全般に興味のある方は面白く感じられると思うんですけどね。
とはいえ、大砲って近代兵器の基本の基本なのですが、詳しく知りたくても案外関連書籍がありません。私もほんと何も知らないといっていいくらいの知識量なのですね。小林源文氏の「武器と爆薬」はほんと勉強になりました。

大砲の歴史、運用法などがとても分かりやすく解説されていて、お薦めです。で、「もっと知りたいなあ」ってなるんですけど、この次にどういう本を読めばいいのかがわからん、という。お薦めの入門書があったら教えて欲しいです。
というわけでお終いです。ホビージャパン、よろしければご覧になって下さいね。
最後にお知らせです。4月21日、松江市で中四国AFVの会が開催されます。
興味のある方はぜひおいで下さい。

会場は松江城すぐそばの島根県民会館で午前10時開場。見学のみの入場は無料です。コンテストの参加にはエントリー料として1000円(高校生以下は無料)が必要です。
詳細はこちら。

コンテスト参加者の作品展示以外にも、中四国地方の協賛クラブの作品展示があります。身内の私がいうのもなんですけど、いろんな方のいろんな作品を見ることができて、とても見ごたえのある会です。
今回は、初の松江大会です。「いつもの福山だとちょっと遠いけど、松江なら行ってみようかな?」と思われてる方も少なからずおられると思います。「こういう会って、隙あらばツッコミを入れようと機会をうかがう、うるさ型のオッサンばかりじゃなかろうか?」と躊躇する人もいるかもですが、来られたら拍子抜けするくらい、気安い気楽な会ですのでぜひおいで下さい。まあでも「オッサンばかり」という点に限っては予想通りかも(コラ)。で、せっかくなのでコンテストにも参加してみてください。見学だけでも楽しいのですが、コンテストに参加するとより1日を楽しめると思います。
あと、昨年まで設定されていた「せんしゃんシャンソン賞」(せんしゃんキットを使った作品に贈られる賞)は今年は諸般の事情でなくなりました。すいません。何卒ご了承下さい。「せんしゃん賞」(ネタ的なオモロ作品賞)は今年もありますので、ご安心(?)下さい。
以上お知らせでした。
で、「コンテストに参加してみては」とか偉そうに書いてますけど、私はまだ出品作が完成してないのでした。わはは。できたらいいな。頑張りまーす。
それでは。