森男の活動報告綴

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ホルスターの話

2022年08月28日 | 銃の話題
今回はホルスターの話です。このブログを常々読んでくださっている方(何人かはいます、、よね?。ありがとうございます)はよくお分かりかと思いますが、私ははっきり言ってガンマニアです。なので、トイガンだけでなくその関連グッズとしてのホルスターもいくつか持っています。

もちろんミリタリー全般にも興味はあるのですが、いわゆる軍装品(軍服など)はほぼ持ってません。この辺はなんか面白いところです。軍服は欲しいと思ったことないんですけど、ホルスターは欲しくてトイガンと並行してあれこれ買ってました。軍用拳銃のトイガンを買うと、やっぱホルスターも欲しくなるんですね。不思議かもですが、まあそういうものなのです。

でも今はトイガンともどもほぼ買わなくなっちゃったんですけどね。興味がなくなったというよりは、可処分所得の減少が主な鯨飲、じゃなくて原因と思われます。ビール飲みすぎなんすよね、、。どーでもいー話ですね。すいません。

で、私の手持ちのホルスターはほぼレプリカばかりですが、どれも実物を精巧に再現したものです。なので触ってると「実物はこうなんだ」ということがよく分かります。トイガンともども原寸のものって、写真や動画ではイマイチわからないこともすんなり理解することができるんですね。今回はそういう気付いたとこなどをつらつらと書いてみようと思います。

まず中田商店の十四年式拳銃嚢とマルシンの十四年式です。
この拳銃嚢の皮のプレス型は当時のものが中国で発掘されて、それを使って製造されたとか。なので「レプリカ」じゃなくて「再生産品」レベルなんだそうです(銃器雑誌の記事で読みました)そう考えるとメチャ貴重ですね。

私はずっとこの拳銃嚢欲しかったんですけどちと高くて(11000円)躊躇してました。で、その記事を読んで、慌てて購入(笑)ほんとよく出来てます。でもその記事がどの雑誌だったか記憶がおぼろげ、、。10-20年位前だったと思うんですけどねえ、、。ご存知の方、ぜひお教え下さい。確かに、再生産品といってもいいくらいよく出来てますし、実物がどうだったのかをよく理解することが出来ます。

特長的な大きなフラップ(蓋)も、拳銃じゃなくて予備弾入れのポケットを覆うためのものであることがよく分かります。ポケットがなければこのフラップほどの大きさは要らないんだな、と。このポケットには、紙箱入りの拳銃弾が収まります。
また、拳銃嚢の中には予備弾倉が一本収納できます(写真のはハドソンの)。ちと大型なのはそういうことです。子供の頃は「あめりかみたいによびのまがじんないのなんで?」って思ってましたけど、ちゃんと入ってたわけです。

要は拳銃嚢だけで一式揃ってるんですね。ちゃんと考えた上で作ってる。こういう風にホルスター1個で完結したパックにしておけば、急に拳銃が必要になった任務に赴く将兵に「ほれ」と簡単に支給することができる。そういう考え方だったんかな?という想像も出来るわけです。こういうのって、レプリカでも実物でも手にしてみないと分からんのですよね。

こちらは中華人民解放軍のトカレフ(っていうか54式)用実物ホルスターと予備弾嚢とベルトのセット。私が持ってるのはほぼレプリカですが、これだけは実物。
中田商店はン十年前、突然人民解放軍の実物装備を販売し始めました。雑嚢や水筒が600円など、メチャクチャ安くてびっくり。ズックの靴も1000円とかでしたね。このホルスターも一式揃って確か5000円でした(実物としては破格)。

しかし、とてもしっかりした作りで青いベルベット(?)の内張りもあり決して安物ではないです。どーでもいーんですけど、赤の方がそれっぽくていいような気がするのですが、よけーなお世話ですね。

不思議なのが、予備弾倉ポーチ。蓋の裏にスタンプで「54式用」とあるのですが、弾倉を入れると写真のように蓋が閉まらない。弾倉を引き出すための革紐(ドイツ軍のルガー用みたいなん。後述)まで付いてて作りはしっかりしてるけど明らかに寸法がおかしい。

ホルスター本体の予備弾倉ポケットはモデルガン(ハドソン)のがピッタリ納まります。なので余計に不思議。なんだろこれ、、、とツイッターで書いたらある方が「マガジンじゃなくてクリップ用ポーチです」と教えてくれました。

試しにマルシンモーゼルのを入れたらピッタシ!!ちとはみ出ますけど蓋は閉まります。

これ、予備弾嚢だったんですねえ、、。ン十年の疑問が氷解。メチャクチャスッキリしました。

で、10連は収まるんですけど9連だとさらにピッタリっぽい(トカちゃんは薬室込みで9発)のです。9連用の専用があったのかなあ、と妄想は続くのでした(笑)でも、多分10連でしょうね。10連用に7ー8発を付けて入れていたのかも。戦中中国軍で愛用されたモーゼルの影がこの頃まで付きまとってたと思うと、なんか感慨深いですね

2丁のトイガンのトカレフは、ひとつがハドソンのHWモデルガンで、もう一つはガスブロです。確かマルゼンが内部機構を提供してハドソンブランドで販売したもの。バッシバシ撃てて超快調でしたね。でも例によって以後ガス漏れでアウト(笑)なんであれ、ハドソンのトカレフはほんと傑作ですねえ、、。

余談ですが、中田商店が人民解放軍の装備を突然発売し出してびっくりした記憶があります。当時(88年ごろ)は共産圏の軍用品って、とてもレアで例えばソ連軍装備などはかなりの高額で売られていました。そもそも入手ルートがないので当然なんですけど。

今から考えると、解放軍は当時装備の刷新を図っていて、昔ながらの装備が不要になったから放出したのかな?と。発売された装備って、ほんと素朴なものでした(第二次大戦中レベル。ほんとほっこりします)。詳しくはないんですけど、タイミング的にそうだったのかなあ、と。まあ、勝手な想像なんですけどね。

閑話休題。これは第二次大戦中のドイツ軍ルガー用レプリカです。これも中田商店製、っていうか今回のは全部そうです。で、このホルスター、銃よりも何回りも大きくて、1/35の小さいパーツで刷り込まれてた私はびっくりしました。

「ホルスター」というカジュアルな(?)表現では収まらない印象。「革製の拳銃用ケース」と呼んだほうがしっくりくるような。とにかくでかくて丈夫なんですよね。大きく堅いので腰に付けてみるとゴロゴロして実にうっとおしい(笑)。これ付けて、例えば気軽に寝そべってるようなフィギュアは作れないなあ、という。

いじってると、これまたとてもよく考えられて作られていることが分かります。まず銃と外界を確実に遮断してるんですね。予備弾倉込みで、ちょっとやそっとの砂塵や泥が銃まで行かないようになってます。

敵の砲爆撃がまずあって「ひえーっ」と避難して口の中まで泥まみれ。次は敵歩兵が突撃してきます。そういう局面で「で、ウチらはそういうトコで拳銃は泥まみれにならないようにしたんすよ。なのでおまいら遠慮せずバンバン撃てよ!」。そういうコンセプト。西部劇のガンマンみたいな撃ち合いは想定してないんですよね。

日ごろはまあそれなりに拳銃の手入れをしてても、戦闘がキツクなるとそれどころじゃなくなる。でも、これくらい密閉したホルスターにいれとけばいざという時もちゃんと撃てるだろうよ、という意図が感じられるわけですね。こういうのはほんと国民性というかなんというか、、、。しかし、その代わり、瞬時に拳銃を抜き出すことは難しくなっています。まさに西部劇のような米軍のガバメント用ホルスターとは対照的です。これはどっちが優れてるかというよりは、「どっちを優先するか」という思想の問題ですよね。

映画「プライベートライアン」で、ホーヴァス軍曹が対峙したドイツ兵と拳銃で撃ち合う場面では、抜きやすいガバメントのホルスターのおかげで軍曹が勝ちました(ドイツ兵はP38だったと思いますが、構造的にはルガーと同じです)。

映画を見ると、ガバタイプが優れてるように思いますけど、実際の戦闘でこういう場面がどれくらいあるのか?と考えると一概にはジャッジできないですよね。兵器や装備の優劣を判断するのってほんと難しいと思います。

で、ドイツらしいきめ細やかさとしては、拳銃を引っ張り出すための革紐(本体からちょろっと出てるやつ)。これを引っ張ると本体が上に出てきます。これがあるとないとで大違い。こういうのがない十四年式のは抜きにくいんですね。この紐は先のトカレフのクリップポーチと同様な仕組み、というかこっちが本家ですね。どうも、中国ではモーゼルC96用のクリップポーチにこの革紐仕様があるようで、ひょっとするとドイツから伝わったのかな?とも。で、日本軍にはこういう風に革紐を使う装備はありません(多分)。便利なんですけどね。お隣の国なんですけど、ちょっとしたことで違う。こういうの面白いですよね。

その他の工夫としては、ベルト用のループが腰に対して若干斜めになるようになってます。よく見ないと気付かないレベルですが、確実に角度をつけている。これは拳銃を少しでも抜きやすくするため。
MP40やStg44の弾倉嚢もそうなってますよね。こういうの、ほんとゲーコマです。さすがドイツ!という。

ルガーはタナカのガスガンです。グリップがないのは、バラしてそのままのを仮組みしたから。ちゃんと再整備して撃てるようにしたいんですけどねえ、、。もう10年くらいほったらかしにしてる、、。私のトイガンってこういうのばっか。あかんですねえ、、。

これはコルトベストポケット(M1908)用の日本軍仕様ホルスターです。モデルガンはコクサイ製の傑作。

この拳銃、日本軍将校が案外使ってたようです。ご覧の通り、めちゃ小さくて完全に護身用。なので上級士官がメインユーザーだったでしょうね。時々前線に赴く士官用の「一応持っとこか拳銃」みたいな。

モデルガンとホルスターをお持ちの方はご存知でしょうけど、このホルスター、買ったままでは絶対にモデルガンが入りません。キッツキツです。で、私はどうしたかというと、かなりの暴挙に出ました。まずホルスターを熱湯につけて、グニャグニャにしました。そして、モデルガンをグイグイ押し込む。なんとか蓋が閉まるまでこれを何度も繰り返します。そして、モデルガンを入れたまま日陰にぶら下げて自然乾燥するまで何日も放置。それでなんとか入るまでになりました。
しかし、ここまで身を切るような(モデルガンずっと水分まみれなんすよ、、)激闘をしたのにもかかわらず、予備弾を入れると蓋は閉まりません。どんだけキツいんや、という、、。ホルスター自体がちょっと小さすぎるのかもしれませんね。でもまあ写真の通り拳銃の形が付いて気に入ってます。

予備弾は実物ダミーカート(合法品)です。予備弾用のループはゆるゆるですっぽ抜けます。本体のキツさとは対照的。でも、まあいいか、、。で、ベストポケットはもともと好きなんですけど、日本軍将校が使ってたというだけで、さらに好きになるという不思議(笑)人の気持ちって勝手なものですね(笑)

というわけでお終いです。

私は基本モデラーなんですけど、こういう「実寸のもの」に触れたときの印象は大事にしたいなと思ってます。これらホルスターは1/35だとほんと小さいちまちましたパーツです。しかし原寸で見ると想像以上に大きいし、細かい機能にいちいち感心してしまいます。

とはいえ先に書いたように軍服とかそういうの全く持ってないんですけどね。軍服やサスペンダーなどにも、いろいろ工夫があるはずで、知りたいとは思ってますけど破算してしまいますからねえ(笑)。でも、出来るだけそういう「現物主義」は大事にしたいと思ってます。例えば飛行機でも戦車でも国内では見る機会は少ないですけど、実際見ると見ないでは大違い。周囲の評価と自分の印象ってほんと違うなと。

白浜で九五式軽戦車、靖国で九七式中戦車を見たときは「でかっ!」って思いました。びっくりしましたね。よく言われるように、ショボイとは全く思えなかったです。「こんなのが「グワーッ」って来たら逃げるよな、、」と。

要は、見る人によって印象は違うってことなんですよね。なので人によって評価も違うんだなあと。それは各々の感受性とか経験・知識とかそういうのが違うので、当たり前なんですけど。とはいえチハを「しょぼっ!」と思うのが間違いかというともちろんそうではない。それはその人の感性であって、その人なりに大事で大切な印象です。

しかし結局、自分は自分なので、自分のその感性を基軸にするしかないわけです。で、そういう感性ってレプリカでも実物でも実際に触れないと発動しないものでもあるので、機会があれば出来るだけ見たいなと思ってます。
今回こういう風に紹介したのは、、そういうことが言いたかったわけです。コレクション自慢とかじゃなくて(ほんとか)

でも現物に触れるってなかなか機会がないですよね。私もなんか偉そうなこと書いてますけどほんと全然「本物」を見たことないんですよ、、。今はコロナなので気軽にあちこちに行けませんからとくにアレですね。でもまあ、そういう気持ちは大事に持っておきたいと思います。

ホルスターはまだいくつか持ってますので、またそのうち第2弾をやりたいと思います。せっかくなのでこういう風にすこしでも減価償却したいですしね(笑)

というわけでまた。
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