~空からの贈りもの~

「森のこもれび」の山崎直のブログです。

迷子札

2014-08-30 18:47:08 | 日記

新聞の投稿欄の「迷子札」とい文字を見た時、

小さかった時の息子の思い出が、突然立ち上がって

きました。

長男はいつも元気一杯で、じっとしていることが

なかったので、当然のようによく迷子になったのです。

名前を聞かれても、まだ「つッ君」しか言えなくて

「○○才くらいのお子さんが迷子になっています」の

放送で、何度飛んで行ったか…

一度は、いくら探してもいなくて、顔面蒼白になって

交番に行こうかとしていたら、知らないおじさんに

連れられて来たのです。

3車線の道路を超えて、工場の網の塀に

引っかかっていたというのです。

母にその話をしたら、旅行のお土産に迷子札を

買ってきてくれたのです。

でも、そんなのを大人しくしている子ではなかったので

すぐに、迷子札はなくなってしまいました。

仕方がないので、下着に住所・名前・電話番号を

書いて着せていました。

「迷子札」という文字を見た途端、遠い昔の記憶が

鮮やかに甦ってきました。

投稿の迷子札は、悲しい迷子札でした。

  「戦死せし 兄のつけたる迷子札

  九十の母の針箱にあり」

この短歌が語る迷子札です。

私も、この九十のお母さんも、共に子に先立たれた

母なんだなーと思ったら、心も深みに悲しみが

重なるようでした。

投稿の最後の言葉に「私は今年の年賀状に

七十年近く続いた平和で安全な日々が、

幾久しく保たれていくことを切に祈っています」

と、記されていました。

いつの時代も、子に先立たれる母の悲しみ、

これ以上の悲しみはないように思われるのは

私だけでしょうか…

 

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